日本医真菌学会雑誌
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35 巻 , 4 号
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  • 高橋 久
    1994 年 35 巻 4 号 p. 331-334
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    外用抗真菌剤発展はめざましく,ことにこの数年間は優れた薬剤が開発された.外用剤の開発は内服剤よりも投与後の薬物動態が明らかでなく,単に製剤の抗菌化を上げることにのみ専念してきたが,著者の経験から,MICをも含めて薬物効果に関連すると思われる下記事項を中心として考察し,今後の新規開発のためとし度いと思う.
    1.MIC
    2.静菌・殺菌
    3.製剤濃度
    4.経皮吸収
    5.角層への吸着と徐放-MIC-
    6.既存生理殺菌物質との協同-自然治癒-
  • 西本 勝太郎
    1994 年 35 巻 4 号 p. 335-339
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    最近の抗真菌剤の開発はめざましく,皮膚糸状菌症の治療についても数多くの改善がみられた.しかしながらそれらは主として短い観察期間における有効性,菌消失率や副作用に関してのものである.
    長崎市民病院皮膚科において1993年7月から同9月に受診した足白癬患者380例についての調査では,1年以上の経過観察において治癒したと判定されたものはわずかに27例のみであった.すなわち足白癬の長期間のfollow-upにおける完治率に関しては,いまだにほとんど改善がみられていない.
    足白癬治療に際しては,短期間における有効性とともに,長期間の観察における評価も不可欠である.今後の,完治を目指した足白癬治療に際してのいくつかの問題点を指摘した.
  • 東 禹彦
    1994 年 35 巻 4 号 p. 341-345
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    従来,爪白癬の的確な治療法はグリセオフルビンの内服療法しかなかったが,その治療の実態に関する報告はあまりない.そこで,当科における成績を示した.指爪白癬で1年以内に47%が,2年以内に84%が,趾爪白癬では1年以内に42%が,2年以内に77%が治癒しているにすぎなかった.グリセオフルビンにより肝機能障害を生じた症例は1例もなかったが,その他の副作用により治療を中止した例は11例あった.治療に2年以上を要する難治例が指,趾爪白癬の2割を占めた.爪白癬を含む爪真菌症の治療には,新しい経口抗真菌剤イトラコナゾールやテルビナフィンが有効である.フルコナゾールを週1回投与し爪白癬に有効という報告もある.物理的な治療を併用したり,抗真菌剤の投与法を工夫するなどにより,治療期間の短縮も可能となり,爪真菌症も容易に治癒する疾患となろう.
  • 庄司 昭伸
    1994 年 35 巻 4 号 p. 347-352
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    抗真菌外用剤は主剤である抗真菌作用を有する薬剤とそれを溶かしている基剤とからなっている.主剤と基剤にわけて考えてみると,外用剤のアレルギー性は主剤による場合と基剤による場合があるが,刺激性は基剤によることが多い.また,刺激性は抗真菌外用剤を外用後20分~30分で起こる即時刺激および48時間から72時間後までに生ずる刺激,さらにカサツキ刺激がある.これらに分けて考えると,最近の抗真菌外用剤は48時間から72時間後までに生ずる刺激はおおよそ改善しているといえる.しかし,即時刺激とカサツキ刺激は今後さらに改善の努力が必要と考える.
  • 比留間 政太郎
    1994 年 35 巻 4 号 p. 353-359
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    深在性皮膚真菌症の治療における,新しい内用抗真菌剤(New azole群薬物:フルコナゾール,イトラコナゾール)の役割りについて考察した.白癬の治療においては,New azole群薬物はグリセオフルビンに代わりうるものと思われた.慢性粘膜皮膚カンジダ症の治療においては画期的な進歩がもたらされたと思われるが,サイトカインによる治療も含め,さらに優れた薬剤が望まれる.皮膚のスポロトリコーシスでは,今後,イトラコナゾールが治療の中心になるのではないかと予想される.皮膚以外の本症では,殺菌的作用のより強い抗真菌剤が望まれる.クロモミコーシスは薬物治療に反応し難い真菌症であるが,New azole群薬物に反応しない症例では温熱療法,フルシトシン内服・その他との併用,外科的治療などを考慮する必要がある.クロモミコーシスの増悪・進行例や全身感染例では,重症化の免疫学的機序の検索が必要である.原発性および限局性皮膚クリプトコックス症では,New azole群薬物の有効例が報告されている.新しい抗真菌剤の登場で,医真菌学が更に発展することは間違いないと思われる.
  • 久米 光, 山崎 敏和, 舟岡 美砂子, 望月 真弓, 村瀬 勢津子
    1994 年 35 巻 4 号 p. 361-364
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    イトラコナゾールを除く抗真菌剤4種の併用効果について基礎的立場から検討した結果,従来の報告と同様にアムホテリシンB(AMPH)とフルシトシン(5FC)との間で強い相乗効果がみられ,この強い相乗効果はAMPHの存在下で5FCがより多く菌体内に取り込まれることによるであろうことが示唆された.その他の組合わせでは,殺菌曲線法および感染治療実験においてミコナゾール(MCZ)とフルコナゾール(FLCZ)の間で併用効果が認められた.FLCZ添加初期の供試菌のviabilityは他剤と同等またはそれ以上に低減しており,本剤による治療効果は,その強い制菌作用に基づくであろうことが示唆された.
    また,一連の検索成績から,併用効果を含めてその正しい薬効評価には抗真菌活性の的確な評価法の確立がまず必要であり,感染治療実験では常に抗真菌剤の体内動態に注意が払われるべきであることが改めて示唆された.
  • 前崎 繁文, 河野 茂, 田中 研一, 光武 耕太郎, 宮崎 幸重, 宮崎 治子, 野田 哲寛, 朝野 和典, 賀来 満夫, 古賀 宏延, ...
    1994 年 35 巻 4 号 p. 365-368
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    各種抗真菌剤の併用効果について,基礎的ならびに臨床的検討を行った.その結果,臨床分離カンジダ属に対する試験管内併用効果ではamphotericin B (AMPH)とfluconazole(FLCZ)の組合せにおいて相乗効果を認めた.またCryptococcus neoformansについてはflucytosine(5-FC)とFLCZ, Aspergillus fumigatusに対してはAMPHとmiconazole(MCZ)の組合せにおいて相乗効果を示す株が最も多かった.臨床的検討では抗真菌剤の単剤投与が無効であった肺クリプトコックス症3例にFLCZと5-FCの併用投与を行った結果,全例ともに優れた臨床効果を認めた.また,深在性真菌症20例にてMCZと5-FCの併用投与の臨床的効果を検討した結果,有効率は7/20例(35%),真菌学的効果は6/13例(46%)であった.副作用は10/20例(50%)に認められ,消化器症状が多く認められた.
  • 内田 勝久, 工藤 道誠, 渋谷 和俊, 山口 英世
    1994 年 35 巻 4 号 p. 369-373
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    近年欧米諸国において顕性化しつつある酵母様真菌のアゾール剤耐性の問題に関連して,わが国でも耐性化の傾向がみられるのか否か,耐性菌による感染は実際にアゾール剤の治療に抵抗するのか否か,の二点について基礎的検討を行い,次のような結果を得た.
    1.Fluconazole(FLCZ)の上市以前(~1987年12月)と以後(1991年7月~1992年10月)に非AIDS患者から分離された酵母様真菌8菌種,122株と136株についてFLCZとketoconazoleに対するin vitro感受性を測定した結果,感受性に有意な相違はなく,少なくとも1992年まではアゾール剤耐性化の傾向は認められなかった.
    2.酵母様真菌臨床分離株のFLCZ感受性を測定した結果,C. albicans, C. parapsilosis, C. tropicalisからなる高度感受性菌種群(MIC≦0.78μg/ml),C. guilliermondii, Cr. neoformans, T. cutaneumからなる中等度感受性菌種群(1.56~6.25μg/ml),C. krusei, C. glabrataからなる低感受性菌種群(≧25μg/ml)の3群に分けられた.
    3.マウスの実験的C.glabrata致死感染モデルを新たに作成し,C.albicans感染との比較によって攻撃菌のFLCZ感受性と本剤の治療効果の関係を比較検討した結果,両者の間に高い相関性が認められた.
  • 宇田川 俊一
    1994 年 35 巻 4 号 p. 375-383
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    室内環境中の日和見感染症病原および真菌アレルゲンについて,その潜在的な健康障害を論じた.わが国では疫学的に家庭環境のカビがアレルギー性疾患に関わりのあることが最近注目されている.喘息病患者宅を含む住居内のカーペットから集めた室内塵試料および室内空間の真菌相について要約した.居室や寝室など家庭内の乾燥した部分では,低水分活性培地(DG18寒天)を用いた培養検査で,Aspergillus restricus, Eurotium spp., Wallemia sebiなど多量の好乾菌が検出された.わが国の住居が変わり新しい空気調和システムとライフスタイルの洋風化により,一年中室内でカビの増殖がみられるようになった.市販家庭用品における防菌処理の効果についても記述した.
  • 西村 和子
    1994 年 35 巻 4 号 p. 385-391
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    コロンビア,ベネズエラ,ブラジルおよび中国において採集された土壌,腐植植物より病原性黒色真菌の分離が試みられた結果,南米3ヶ国の試料よりFonsecaea pedrosoi, Exophiala spp., Cladosporium trichoidesが少数,E. spiniferaPhialophora verrucosaが相当数分離された.ベネズエラのC.carrioniiによるクロモミコーシス多発地帯ファルコン州からは特徴的にC.carrioniiが腐植植物から分離された.中国の試料はC.carrionii感染の多発地帯である山東省で収集されたが,本菌種は分離されなかった.しかしながら,F.pedrosoiが少数,P.verrucosaが多数,両アメリカ大陸以外では初めてE.spiniferaが,また新たな病原性黒色真菌としてVeronaea botryosaが相当数分離された.一方,日本の浴室環境にはもっぱらExophiala属菌が分布していた.
  • 戸矢崎 紀紘
    1994 年 35 巻 4 号 p. 393-401
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    神戸市内で採集した鳩,ツバメ,家コウモリ糞26試料からCryptococcus neoformansとその他の真菌を分離・同定した.C.neoformansは鳩糞13試料とまだ分離記録のなかった家コウモリ糞から分離された.C.neoformansを簡便,迅速,正確に同定する方法として,まず分離にBirdseed培地を用いることで推定・同定までの時間が短縮でき,次にO-phenol oxidase試験で確認することがよいものと考えられた.環境に著しい抵抗性を示すC.neoformansの生理学的性状と,紫外線,殺菌消毒剤の効果を検討した.生育温度は6~37℃,最適生育温度は25℃であり,43.5℃では91.7%が72時間以内に死滅,湿熱では55℃,1分以内に死滅した.紫外線による殺菌は波長253.7nmでも60分を要した.一般的な殺菌消毒剤には強い感受性を示したが,グルコン酸クロルヘキシジンの通常使用濃度である0.02~0.5%液では60分間作用後も全く効果はなかった.
  • 加藤 卓朗
    1994 年 35 巻 4 号 p. 403-408
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    皮膚糸状菌,とくに好人性菌はヒトにおいては,病変部に寄生するのみでなく,非病変部にも存在し,環境中に散布され,環境中で生息し,新たな宿主に付着し,発病することを繰り返している.このサイクルを基に本邦で行われた研究をまとめると(1)Microsporum canis感染症では患者や家族の病巣のない頭髪あるいは皮膚から高率に菌が検出されるが,経過をみると自然に消失することが多く,さらに洗髪により菌量が減少することより,多くの例では単に付着しているにすぎないのではないかと考えられる.(2)好人性菌もかなり高率に病変のない部位から検出されるが,好獣性菌とは異なり,長期間持続して存在することが多い.(3)Foot-press法やセロファン粘着テープ法により足白癬患者から環境中へ菌が散布されていることが確認され,その頻度は病型,症状により多少異なるが,T.rubrumT.mentagrophytesでは差はない.(4)環境中の物,掃除機塵埃から皮膚糸状菌が分離されたが,一般的にT.rubrumの分離率はT.mentagrophytesより低い.しかしながら培養方法,培地の改良により分離率は上昇しており,同じ様に環境中に存在していると考えられる.以上他の菌が主に環境中に存在し,ヒトに寄生し病原性を生じるのに対し,皮膚糸状菌のとくに好人性菌は環境中にも生息しているが,主な生存場所はヒトの病変部および非病変部であり,環境中の菌は他のヒトに付着,寄生するための感染経路として重要である.
  • 高鳥 浩介, 太田 利子, 李 憲俊, 秋山 一男, 信太 隆夫
    1994 年 35 巻 4 号 p. 409-414
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    住環境には数多くの真菌が分布しており,これら真菌がアレルゲンとして重視されつつある.筆者らは,生活環境中にみる真菌の生態分布について,さまざまな角度から検討してきた.ここでは,生活環境と真菌との関わりで重要な空中(屋内,屋外),ハウスダスト,空調機フィルター,室内真菌汚染環境に焦点をあて,それぞれの因子にみる主要真菌をまとめた.共通して分布する真菌として,Cladosporium, Penicillium, Aspergillusがあり,これら真菌以外での分布は,各環境,基質に強く依存することから,住環境中での真菌分布を作成し,アレルゲンとしての真菌を紹介した.
  • 堀江 義一, 宮治 誠, 西村 和子
    1994 年 35 巻 4 号 p. 415-420
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    マイコトキシン産生菌による食品や飼料の汚染,品質劣化は開発途上国を中心にヒトや家畜の健康障害に深いかかわりを持ち深刻な社会問題となっている.これまでの研究から多種の菌類にマイコトキシン産生が報告されている.特に重要な産生菌はAspergillus, Fusarium, Penicilliumなどであるが,これら菌類の中にはヒトや家畜に対し病原性が報告されている菌も多い.病原性の報告されているマイコトキシン産生菌はAspergilliではAspergillus flavus, A. fumigatus, A. neoellipticus, A. niger, A. terreus, Emericella nidulans, E. parvathecia, E. rugulosa, Neosartoryafennellia, N. fischeri, N. glabraなどが報告されている.FusariumではF. moniliforme, F. oxysporum, F. solaniが,PenicilliumではP. chrysogenum, P. citrinum, P. expansum, P. puberulum, P. spinulosumなどが報告されている.また,アスペルギルス症の原因菌であり痙攣性マイコトキシン,fumitremorgin産生菌であるA. fumigatusの土壌中の分布は湿潤な地域を中心に世界的に広くかつ高濃度で分布している.またsterigmatocystin産生菌であるEmericella spp.は乾燥地帯を中心に世界的に広く分布している事が知られた.
  • 井上 稲子, ミルボド ファリバ, 清島 真理子, 森 俊二, 野澤 義則
    1994 年 35 巻 4 号 p. 421-427
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Cryptococcus neoformansを[14C]acetate(NEN)で標識し(continuousおよびpulse labeling),各脂質に取り込まれた放射活性を経時的に測定し,Cr.neoformansの増殖に伴う脂質合成の変化を推定した.さらに,Candida albicansについても同様の検討を行い,両者を比較した.
    Cr. neoformansでは[14C]acetateの脂質への取り込みはgrowth phaseで盛んに行われ,stationary phaseでは減少し,細胞内での修飾・転換が重要な役割を果たすことが推測された.Stationary phaseでは,培養時間とともにトリアシルグリセロール(TG)が減少,遊離脂肪酸(FFA)が増加し,分解系が亢進していると考えられた.一方,C. albicansはgrowth phaseに膜の主要構成成分であるホスファチジルコリン(PC)が増加し,stationary phaseでは減少傾向を示し,逆にTGの蓄積がみられ,Cr. neoformansにおける変化と異なった傾向を示した.また,酸性リン脂質のホスファチジルセリン(PS),ホスファチジルイノシトール(PI)が菌の増殖の盛んな時期に増加してみられる点では両者とも共通していた.
  • Kohji Hashiguchi
    1994 年 35 巻 4 号 p. 429-438
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    A new rat model of recurrent pulmonary aspergillosis using cyclophosphamide (CPM) for re-institution of immunosuppression was established. The recurrence induced by CPM was rapid and pulmonary lesions were uniform in all animals. It is therefore considered to be a good model for evaluation of the mechanisms of recurrence and methods of early diagnosis by antigen detection in sera and urine. Galactomannan antigen of aspergilli in sera was examined by PASTOREX Aspergillus, and a very low positive rate was observed instead of the of severe pulmonary infection confirmed by histopathological study. However, antigen in urine detected by immunoblotting showed a relatively high positive rate from the early stage of the recurrence. Based on these findings, it can be concluded that the recognition of antigenuria is useful for early diagnosis of Aspergillus infection.
  • 繁益 弘志
    1994 年 35 巻 4 号 p. 439-445
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Sporothrix schenckiiの二形性変換における特異的タンパクの遺伝子発現について検討した.酵母形(Y形)細胞をサブロー・ブドウ糖液体培地にて25℃で培養し,1,3,5日目にY形とM形の中間形(I形),7日目に通常の菌糸形(M形)と形態が類似するM'形を得た.Y形,I形,M'およびM形の各菌体による合成タンパクを[35S]メチオニンで標識し,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で検討した結果,Y形に特異的な分子量約96kd,70kd,I形に特異的な分子量80kd,M'およびM形に特異的な分子量45kdのタンパクがそれぞれ得られた.さらに増菌中のY形,M'形およびM形の各形細胞からmRNAを抽出し,無細胞蛋白合成系を用いて得られた翻訳産物をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動後比較検討したところ,M'形およびM形にのみ発現している分子量45kdタンパクの存在が認められた.M形に特異的な合成タンパクとM'形,M形に特異的に発現しているmRNAの翻訳産物はペプチドマッピングの結果一致していた.以上より,M'形は形態上,およびタンパク生合成の形質がM形と同一であると考えられた.二形性真菌S.schenckiiの形態の差異にはM形に特異的な45kdタンパクの遺伝子の発現が少なくとも一部は関与していることが示唆された.
  • 松本 忠彦
    1994 年 35 巻 4 号 p. 447
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
  • 内田 勝久, 山口 英世
    1994 年 35 巻 4 号 p. 448
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
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