日本医真菌学会雑誌
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43 巻 , 2 号
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  • 中林 淳浩
    2002 年 43 巻 2 号 p. 65-68
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    綴風脂漏性皮膚炎および乳児脂漏性皮膚炎患者から分離a培養されたマラセチアの菌種を各種Tweenの資化性等により同定した, 綴風からの分離菌種はMalasseziagl・b・saが最も多く (55%), 本症の起因菌種であると考えられた.成人および乳児脂漏性皮膚炎患者ではaルf.globosaとM.fur, furが健常人コントロールより高率に分離されたことより, 脂漏性皮膚炎, 乳児脂漏性皮膚炎の起因菌種であると考えられた.
    さらに、綴風についてはITS-1塩基配列を用いたPCR法による菌種の同定を試みた。病変部から採取した鱗屑を鋳型として同定したところ, M.glob・saが38人中37人 (97%) と最も高率に検出された, ついでM.restricta (79%), M.sympodialis (68%) などが検出された.なお, 同一検 : 体から複数の菌種が検出された.
  • 槙村 浩一
    2002 年 43 巻 2 号 p. 69-71
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    本属菌種の塩基配列に基づいた同定・型別が可能となった今日, 我々は初めて本菌と本菌関連疾患との関連に向けた研究への, 端緒についたと言えるのかも知れない.
    この研究によって, 本症の真の起因菌 (または起因菌群) を明らかにすることが可能となり, 本菌によって生じる様々な興味深い病態を解明する研究が可能となろう.
  • 小林 裕美, 水野 信之, 中西 健史, 深井 和吉, 石井 正光, 森本 健介
    2002 年 43 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    足白癬を対象にイトラコナゾール1日200mgを1週間連日内服し3週間休薬する間歇内服療法を行ない, 臨床効果, 安全性を評価するとともに, この療法が患者のquality・flife (QO : L) に及ぼす影響をアンケートにより調査した.対象となった34例の病型は, 趾問型6例, 小水庖型7例, 角化の目立つ病変を有する群21例であり, 重症度はすべて中等度以上で糖尿病, 爪白癬など合併症を有する例が28例であった.総合臨床評価では著効18例, 有効9例, やや有効3例, 無効、悪化は0, 中止脱落が4例であった.安全性は全例問題なく、有用以上の有用率は約8o%を占めた.また, 真菌学的検査を1週間毎に行ない得た4例においてはイトラコナゾール1日200mgを1週間内服後, 培養では2週間後, 直 : 接検鏡では4週間後に1oo%の陰性化率を示した.アンケートの回答が得られた27例中, 効果については非常に効果 : ありが15例, 効果ありが10例と満足度は高く, 副作用については全く心配しなかったが16例で, ほとんど心配しなかったが6例, 心配したが4例, 非常に心配したが1例であった.この療法を不便に感じた人はなく, 本療法を好むという回答例は, 連日内服療法との比較で19例 (70%), 外用療法との比較においても22例 (81%) と受け入れ良好で, 患者主体の医療をすすめる上で, 本療法を治療の選択肢に加えることは有用と考えられた.
  • 浜口 太造, 滝内 石夫
    2002 年 43 巻 2 号 p. 79-83
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    小水庖型と趾問型の足白癬に対し, テルビナフィン250mg/日7日間内服を1クールとし, 初回観察後1クール投与し, 4週毎に観察し改善が見られない場合, さらに1クールの投与を追加する治療を試み, あわせて再発率を調査した.
    結果 : 小水庖型75例中脱落除外8例, 治癒66例 (評価可能症例中98.5%), 無効1例.趾間型49例中3例脱落 :, 治癒43例 (同93.5%), 無効3例.治癒した症例についての投与回数は, 小水庖型で1クール50例, 2クール16例, 趾間型では1クール38例, 2クール5例であり, いずれも3クール以上を要した例はなかった.再発は小水庖型で1年目4/51例 (8%), 2年目4/25例, 3年目2/9例.趾間型はそれぞれ4/13例 (13%), 0/14例, 0/6例であった.
    本治療法は短期間で終了し, 有効率が高く, 再発率の低い治療であった.短期間で治療可能なため, コンプライアンスの向上と, 副作用の軽減が望めるが, テルビナフィンの内服は, 白癬以外の真菌に効果が弱いため, 診断を確定させることがきわめて重要で, 少なくともKOH直接検 : 鏡による診断は必須で, できる限り培養による診断も併用すべきものと考える.再発予防のためには生活指導も必要である.
  • 福田 知雄
    2002 年 43 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    爪白癬の治療法はこの10年間で非常に変わってきた, あるいは, 多彩になってきたという印象がある.実際, この10年間で内服薬にイトラコナゾール, テルビナフィン, フルコナゾールが加わり, また, その投与方法についてもパルス療法, 短期内服療法など様々な工夫がなされてきた.内服だけではなく, 外用療法についても多くの工夫した治療法が報告されている.これら新しい治療法の多くは総じて有効率が高い.しかし, それぞれに短所も有しており, 必ずしも患者のコンプライアンスを十分に得られているとは言い難い.爪白癬の治療におけるドロップアウトも未だに多い.治療法の選択肢が増えてきた現在, 我々としては新しい治療法の長所と短所を十分に理解し, 患者の要望に則した治療法を選択することが今後は重要になると考えられる.
  • 坪井 良治, Charles N Okeke, 井上 明美, 山崎 正視, 比留間 政太郎, 小川 秀興
    2002 年 43 巻 2 号 p. 91-93
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    本稿は第45回口本医真菌学会の「シンポジウムI皮膚真菌症, 新世紀に向けて」で発表した内容をまとめたものである.従来の真菌培養と異なり, 爪白癬の病変爪甲の一部から直接RNAを抽出し, この試料を用いて白癬菌由来のアクチン (ACT) mRNAをrealtimePCR ( : LightCyclersystem) で定量的に増幅し, 菌の同定と菌量を推定した.この方法は4時間以内に完了でき, 特異性と感度に優れ, しかも比較的廉価な方法として爪白癬の診断と治癒判定に有用であると考えられる.
  • Taizo Hamaguchi, Machiko Nagase, Ryota Higuchi, Iwao Takiuchi
    2002 年 43 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    We described here a case of a 43-year-old male who developed confluent and reticulated papillomatosis (CRP). The patient was found to be slightly obese and had no family history of such eruption. Numerous small red-brown erythemas were scattered over a wide area of the back and, in many areas, the erythemas coalesced and formed a reticular pattern. The eruptions appeared 10 days prior to the initial visit to our outpatient clinic. The Parker-KOH preparation of scraped scales revealed numerous round and budding non-clustering cells and no mycelial elements. Histological examination showed subtle papillomatosis and sparse perivascular lymphohistiocytic infiltrations. Periodic acid schiff stain showed a few spores in the stratum corneum. Topical application of 2 % ketoconazole cream produced complete resolution of the eruption in 7 days.
    The course and histological findings of our patient suggest the eruptions were developing CRP lesions. Application of topical antifungal agents appears to be a beneficial initial treatment for early CRP lesions.
  • 小菅 旬子, 後藤 義孝, 新城 敏晴, 李 憲俊, 高鳥 浩介
    2002 年 43 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    牛の皮膚病巣部および牛飼育環境より分離したTrichaphyt・nverruc・sum6株は, いずれもウレアーゼ試験陽性であったが, 尿素および硝酸塩を利用して発育することはできなかった.さらに, 多量の尿素, アンモニアおよび硝酸塩を添加した培地では, 全ての菌株が死滅した.これらの窒素化合物を多量に含むウシ飼育環境の土壌は, T.verrucosumの発育および生存に適しておらず, 土壌が本菌のレゼルボアとなる可能性は低いと思われた.
  • Masako Kawasaki, Tadanori Inoue, Tokuya Ohsawa, Sakae Ishioka, Takashi ...
    2002 年 43 巻 2 号 p. 103-106
    発行日: 2002/04/30
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    Two Trichophyton mentagrophytes isolates from skin lesions on a girl and her rabbit, which were identified as Arthroderma benhamiae by mating tests, were studied by mtDNA (mitochondrial DNA) analysis and sequencing of ITS (internal transcribed spacer) regions of nuclear ribosomal RNA genes.
    The mtDNA-RFLP (restriction fragment length polymorphism) patterns showed the two isolates to be T. verrucosum rather than A. benhamiae. The ITS sequence showed the isolates to be closer to A. benhamiae Americana-European race than to T. verrucosum and closer to T, verrucosum than to their mating partner A. benhamiae African race.
    These results suggest that there are three genetic types of A. benhamiae - an Americano-European type, an African type and a T. verrucosum type - and that T, verrucosum is an anamorph of A. benhamiae.
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