口蓋扁桃腺窩内に“いわゆる放線菌々塊”の見られることは知られているが, 本邦における報告は極めて少ない. 今回137剖検例の両側口蓋扁桃について病理組織学的に精査し82例 (59.9%) に“菌塊”を見出し得た. これら“菌塊”. 構成菌々要素は放線菌のみならず
Candida, Filamentous fungi その他の細菌等によりなり単一な微生物の増殖せる集塊であることはむしろ少なく, 2種以上の微生物の集塊が多いことを確認した. また“菌塊”を構成する微生物の種属判断は螢光抗体法 (上塚) を適用し, 病理組織学的種属診断の信頼度が高いことを確認した. さらに48例についてPGC培地を用い酵母および糸状菌の培養検査を行い
Candida,
Rhodotorula,
Aspergillus,
Mucor その他の多種類の真菌を検出し, 扁桃腺窩内に腐生的に存在する“菌塊”構成菌の種属判定の参考とした.
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