真菌と真菌症
Online ISSN : 1884-6971
Print ISSN : 0583-0516
ISSN-L : 0583-0516
13 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 三浦 修
    1972 年 13 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 益子, 大川 喜男
    1972 年 13 巻 2 号 p. 61-66_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    先に S. cerevisiae グルカンを希酢酸加水分解後, 水溶性画分を DEAE-cellulose カラムにより水溶出画分 (Fr. IG)と, 0.05M食塩溶出画分(Fr. IIG)を得, 自己融解菌抗血清との反応性をみた結果, Fr. IIGのみが反応することを報告したが, 今回両画分について次のことを報告した. 即ち, 両画分の比施光度, 過ヨウ素酸酸化, スミス分解, メチル化分析を行い, 両者ともグルコース残基の3位と6位で分岐し, β1→3結合の側鎖を有し, その鎖長はFr. IG 5, Fr. IIG 8~9, S値は Fr. IG 1.8, Fr. IIG 6.3であつた. concanavalin A に対しては両者ほゞ同程度の反応性があることから,自己融解菌抗血清の combining site の平均のsizeはグルコース残基5コまでは反応せず, より長い鎖長を要求することを討論した.
  • 玉村 富, 宮路 圭介, 磯田 輝生, 正古 良夫
    1972 年 13 巻 2 号 p. 67-70_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    鉛, 錫, 水銀, カドミウム, ストロンチウム, バリウム, ニッケルの7種の塩が Cr. neof. の莢膜形成に及ぼす影響について検討した.
    その主な結果として, 塩化鉛 (10-2M) が最も莢膜形成を抑制し, 次いで塩化錫 (10-2M), 硫酸カドミウム (10-4M), 硫酸ニッケル (10-3M) の順であつた. これらの塩が莢膜形成に影響を及ぼさなかつた最高濃度としてはカドミウム塩が10-5Mで最も低く, 次いでニッケル塩の10-4M, 鉛塩の10-3M, 錫塩の2×10-3Mであつた.
  • 原田 敬之, 西川 武二, 籏野 倫, 原田 鍾造, 深沢 義村
    1972 年 13 巻 2 号 p. 71-74_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    皮膚病変部より得た59株の C. albicans と口腔, 糞便, 腟, 喀痰などの身体各部より分離した117株の C. albicans を血清学的に二大別し, 皮膚カンジダ症の C. albicans の由来を考察した. その結果として, 皮膚病変部及び身体各部の C. albicans は共に圧倒的に Type A が多く, Type A: Type B の比率はほぼ同じ傾向を示した. 血清学的見地のみから言えば, 皮膚カンジダ症の病原 C. albicans の由来としては, 口腔, 腟, 糞便など身体各部のいづれもその source となりうることを推論した.
  • Aspergillus fumigatus, その他の Aspergillus species, および他の真菌の各抗原 (培養濾液抽出物) 間の交叉反応について
    池本 秀雄, 柴田 貞子
    1972 年 13 巻 2 号 p. 75-76_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Aspergillus fumigatus 抗原 (培養濾液抽出物) に対し血中沈降素を有する肺アスペルギローム9例について, A. flavus, A. candidus, A. niger, Penicillium capsulatum, Allescheria boydii, Cladosprium werneckii から同様に作製した抗原を用いて寒天ゲル内沈降反応を行なつたところ, 少なくとも鮮明な沈降線はみられなかつた.
  • 森 健
    1972 年 13 巻 2 号 p. 77-87_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Aspergillus fumigatus より作られた特定の抗原 (培養濾液抽出物) を用いて, 肺アスペルギルス症の血中沈降素 (寒天ゲル内沈降反応による) に関する臨床的ならびに基礎的研究を行ない, 次の結論が得られた.
    1) 肺アスペルギロームでは, 診断的価値が極めて高く, 本沈降線の消長をみることは, 菌球の生死や, 化学療法の効果判定に有用であると思われた.
    アレルギー型の気管支アスペルギルス症と思われる1例では, 肺アスペルギロームの際とは異なつたpatternの沈降線がみられた.
    2) 組織浸襲型のアスペルギルス肺炎ないし肺膿瘍において, ウサギの感染実験では, 沈降線がみられたが, 臨床例では, 本抗原に対する特殊な抗体は認められなかつた. 動物と人間におけるこのdiscrepancyは, 今後の重要な研究課題である.
    なお, 肺アスペルギルス症の免疫学的診断 (寒天ゲル内沈降反応) には, Ouchterlony 法及び免疫電気泳動法の両者を併せ行なう必要がある.
  • 荒川 秀夫
    1972 年 13 巻 2 号 p. 88-92_1
    発行日: 1972/10/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    皮膚病原糸状菌種, Trichophyton 5種, Microsporum 2種, Epidermophyton 1種の染色体につき検討を試みた. 供試菌株は Sabouraud ブドウ糖寒天培地でスライドカルチャーし, 数日後, 寒天を除去して, カバーグラスとオベクトグラスを純アルコール: 酢酸 (3:1) で30分間室温固定, 水洗して0.5-1%Giemsa溶液で37℃, 30-60分染色する. その結果各菌種ともに染色体と解される核物質を観察しえた. 休止期の核はほゞ円形で, 菌糸や胞子の中央に位置して認められた. 分裂が進行するに従い環状, 次いで索状に変ずる. これらを染色体分裂の前期, 中期と解した. 更に明らかな紡錘糸で結ばれて相対したものを後期, 紡錘糸を有せず相対したものを終期と解した. しかしながら菌種固有の染色体数の規則性はみいだせなかつた. 更に今後の研究にまたねばならないと思われる.
feedback
Top