真菌と真菌症
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20 巻, 1 号
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  • 佐野 勉
    1979 年 20 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1979/05/06
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Trichophyton rubrum においてチトクローム酸化酵素・カタラーゼ・チトクロームcペルオキシダーゼの活性部位を, また Aspergillus niger において酸性フォスファターゼとグルコース-6-フォスファターゼの活性部位をみるため電顕的細胞化学的に検索した. 成績: (1) T. rubrum においてチトクローム酸化酵素活性はミトコンドリアの, 特に櫛内腔にみられた. (2) T. rubrum においてカタラーゼ活性はペルオキシソームにみられ, septal granule にはみられなかつた. (3) T. rubrum においてチトクロームcペルオキシダーゼ活性はミトコンドリアの膜系にみられた. (4) A. niger において酸性フォスファターゼ活性は細胞壁の外側・形質膜の辺り・空胞の内側にみられた. (5) A.niger においてグルコース-6-フォスファターゼ活性は小胞体と核膜の一部にみられた.
  • 江川 朝生, 岩田 和夫
    1979 年 20 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 1979/05/06
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    T. mentagrophytes によるモルモット皮膚の実験的感染に対するMCZの治療効果についてCTZとの比較において症状の改善と菌の陰性化の点から研究し, 以下の成績を得た. 1) 胞子をモルモットの皮膚に接種し, その5日後より2%MCZクリームを1日1回, 1週間, 2週間または3週間連続塗布したとき, いずれも投与4日後より症状の消退が認められ, 2週間投与後には組織内の菌は陰性化した. 1週間投与ではこの効果は不完全であつたが, 再発および再感染は認められなかつた. 2) 1%MCZクリームを連続2週間塗布したとき, 投与6日後より症状の消退が認められ, 投与終了2日後には組織内の菌は陰性化した. 3) MCZとCTZの治療効果の間には有意な差は認められなかつた. 4) 基剤のこれら薬剤治療効果に及ぼす影響については,両薬剤ともにクリーム剤が良好で, polyethylene glycol は効果を若干低下させる傾向を示した.
  • 第3報 抗真菌作用に関する研究補遺
    江川 朝生, 山口 英世, 岩田 和夫
    1979 年 20 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 1979/05/06
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    MCZおよびCTZの C. albicans MTU 12003および T. mentagrophytes MTU 19031に対する抗菌作用を比較検討し, 以下の成績を得た. 1) MCZは C. albicans に対し, 静菌的のみならず殺菌的にも作用するが, CTZの作用は静菌的傾向が強い. 2) MCZの C. albicans に対する抗菌力は, 培養初期の細胞よりも対数増殖期のそれに対してより強い殺菌効果を発揮するのに対し, CTZの抗菌活性は細胞の発育時期に影響されなかつた. 3) T. mentagrophytes の休止期胞子に対する作用は, 低濃度においてはCTZの方が強く, 高濃度 (5.0μg/ml以上) においては同等であつた. 4) T. mentagrophytes の発芽胞子に対するMCZの作用は休止期胞子よりも強く現われ, 高濃度 (5.0μg/ml以上) ではCTZよりも強かつた. 5) MCZの C. albicans MTU 12003に対する発育阻止作用は血清によつて著しく阻害されるが, MCZの抗菌活性は完全に失われず, 不活化の主因はアルブミンではなかつた.
  • 第1報 Candida albicans の諸種細胞機能に及ぼす解影響
    山口 英世, 岩田 和夫
    1979 年 20 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 1979/05/06
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Phenethylimidazole 系抗真菌剤 econazole の作用機作を明らかにする目的で, Candida albicans 細胞の諸種の主要細胞機能に対する影響を比較検討した. 本剤は最小発育阻止濃度またはそれ以下の濃度で2-デオキシグルコース, ロイシン, アデニンのとり込み (influx) を速やかに阻害した. その阻害度は薬剤濃度とともに上昇し, 殺菌的濃度では極めて強い阻害を示した. また本剤は予め2-デオシグルコースまたはアデニンを蓄積した細胞に対してこれら化合物の強い遊出促進効果を示した. 細胞の自家呼吸は殺菌的濃度の薬剤によつてもほとんど阻害されなかつたが, グルコースを基質とする外部呼吸はより高い感受性を示した. タンパク, RNA, DNAおよび細胞壁多糖であるマンナン, グルカンの合成はいずれも influx の場合に匹敵する強い阻害を受け, とくにDNA合成阻害が顕著であつた. Econazole は殺菌的濃度で細胞RNAの分解を著明に促進したが, DNA分解促進は中等度, タンパク分解促進は最も軽度であつた. 以上の成績から, econazole の一次作用点は細胞膜にあり, 物質輸送と透過性障壁を障害する結果, 高分子物質合成阻害と呼吸阻害が二次的に誘起され, さらに高濃度薬剤存在下ではRNA分解が促進されて細胞発育阻止または細胞死に至ると推論される.
  • 1979 年 20 巻 1 号 p. 40-80
    発行日: 1979/05/06
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
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