MCZおよびCTZの
C. albicans MTU 12003および
T. mentagrophytes MTU 19031に対する抗菌作用を比較検討し, 以下の成績を得た. 1) MCZは
C. albicans に対し, 静菌的のみならず殺菌的にも作用するが, CTZの作用は静菌的傾向が強い. 2) MCZの
C. albicans に対する抗菌力は, 培養初期の細胞よりも対数増殖期のそれに対してより強い殺菌効果を発揮するのに対し, CTZの抗菌活性は細胞の発育時期に影響されなかつた. 3)
T. mentagrophytes の休止期胞子に対する作用は, 低濃度においてはCTZの方が強く, 高濃度 (5.0μg/ml以上) においては同等であつた. 4)
T. mentagrophytes の発芽胞子に対するMCZの作用は休止期胞子よりも強く現われ, 高濃度 (5.0μg/ml以上) ではCTZよりも強かつた. 5) MCZの
C. albicans MTU 12003に対する発育阻止作用は血清によつて著しく阻害されるが, MCZの抗菌活性は完全に失われず, 不活化の主因はアルブミンではなかつた.
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