超音波医学
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34 巻, 5 号
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原著
  • 三輪 邦弘, 湯浅 賢治, 岡村 和彦, 前田 顕之
    2007 年 34 巻 5 号 p. 509-520
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/27
    ジャーナル 認証あり
    目的:複雑度から算出した数値(modified complexity value: MCV)を利用して口腔癌における頸部腫脹リンパ節の内部エコー性状評価を行い,MCVがリンパ節転移と非転移とを区別する定量的な指標となるかを検討する.対象および方法:卵形超音波診断ファントムと病理学的に診断された頸部転移リンパ節27個,非転移リンパ節23個の計50個を対象として超音波画像を取得した.画像は256階調のグレイスケールであり,それを16階調像に再構成した.MCVは関心領域内の同一濃度の画素域周囲長の平方値をその画素面積で割って算出した.病変の確定診断は頸部廓清術後の病理組織で行った.結果および考察:MCVはファントム画像の描出条件を変化させてもほぼ同値を示した.リンパ節のMCVの合計値は非転移リンパ節よりも転移リンパ節で高値を示した.結語:MCVは口腔癌における頸部腫脹リンパ節の転移と非転移の鑑別に有用な指標であると考えられた.
技術報告
  • 亀田 徹, 高橋 功, 森下 由香, 吉田 哲, 大西 新介, 内藤 祐貴, 清水 隆文, 真鍋 春子, 岩崎 浩司, 本間 多恵子
    2007 年 34 巻 5 号 p. 521-531
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/27
    ジャーナル 認証あり
    目的:携帯型超音波装置の普及により,救急外来や一般診察室で超音波検査が手軽に利用出来るようになった.救急外来における携帯型装置を用いた腹部超音波検査の有用性について検討した.対象と方法:事前に診断されていない非外傷患者で,救急外来にて病歴・身体所見を取得された後,著者により2種類の携帯型装置のいずれかを用いて腹部超音波検査を施行され,さらに単純X線検査を除く画像診断,内視鏡,手術いずれかが施行された144例を抽出し,病変部位の特定に関し携帯型超音波装置の精度をretrospectiveに検討した.結果:116例(81%)の超音波所見は,原発・主病変の部位について最終診断と一致したが,28例(19%)は一致しなかった.28例中25例では原発・主病変を描出出来なかったが,そのうち4例は治療方針決定に寄与する重要な間接所見が得られた.一方,主病変の部位を誤って判断したのは28例中3例とわずかであった.結論:救急外来にて病歴と身体所見を取得後に施行した携帯型装置による腹部超音波検査は,病変部位を特定するのに有用である.
今月の超音波像
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