超音波医学
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39 巻, 6 号
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特集「心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現状」
  • 水重 克文
    原稿種別: 心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現況
    2012 年 39 巻 6 号 p. 569-570
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
  • 柴山 謙太郎, 林 将之, 渡辺 弘之
    原稿種別: 心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現況
    2012 年 39 巻 6 号 p. 571-579
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    現在の心エコー図検査において,検査自体の進歩とともに周囲を取り巻く社会的環境も着実に変化してきている.それに伴い,各施設では心エコー図の情報を有効かつ安全に管理する必然性からファイリング・リポーティングシステムの構築を徐々に進めている.今回,我々はフィリップス“Xcelera”を用いたシステム環境の構築について自分たちの経験を含めて述べる.
  • 高野 真澄
    原稿種別: 心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現況
    2012 年 39 巻 6 号 p. 581-587
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    心エコー図検査における動画のデジタルファイリングは,コストが高いことや画像の容量が大きいことが難点として挙げられてきた.現在では,これらの問題点は克服されつつあり,心エコー画像はDICOM画像としてファイリングされ,電子カルテから閲覧するシステムが構築されている.さらに,超音波装置から出力されるDICOM-SRの標準化により,装置やメーカーに左右されることなく数値データをレポーティングシステムが受け取ることが可能となってきている.GE社製Xi2によるエコーファイリングシステムの構築では,院内の様々な部門におけるエコーデータのファイリングを行い,全ての電子カルテから動画を含むエコー画像およびレポートを閲覧することが可能となっている.さらに,本システム導入の利点として,検査時間の短縮,急性期データも含めたエコーデータの保存が可能,医療チームにおける情報の共有,患者に対する説明が容易であることなどが挙げられる.本システムの構築は臨床上非常に有用である.
  • 坂田 好美
    原稿種別: 心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現況
    2012 年 39 巻 6 号 p. 589-596
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    以前は,心エコー検査の画像記録はビデオテープにアナログデータとして記録され,レポートは手書きで書かれ,カルテの中に保管されてきた.しかし,CD,DVD,DICOMサーバーなどのデジタル媒体が普及し,高画質画像の大容量保存が簡易にできるようになり,また近年,電子カルテの普及とともに,診療末端で閲覧できる心エコー画像とレポートのデジタルファイリングシステムが必要となってきている.当院で使用している心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムは,Feigenbaum教授の監修のもとで開発されたProSolv CardioVascularシステムである.現在,ProSolvは,富士フイルムの傘下に入り,他の循環器画像検査(心臓カテーテル,CT,MRI,核医学など)の画像・レポートとともにファイリングおよび電子カルテでの表示閲覧が可能である複合循環器画像ファイリング・リポーティングシステムSYNAPSE CardioVascularとなった.このSYNAPSE CardioVascularは,循環器に特化した高品質画質の静止画・動画画像・画像に連携したレポート・計測データを 一元管理し,一つのサーバーで膨大な患者データをより効率的に,より高速に処理することが可能な心エコー画像・レポート管理システムである.このシステムを使用する事により,web配信により院内のどこからでも心エコー画像およびレポートの閲覧が可能となり,迅速な診断・医療情報の提供が行われている.
  • 岡野 智子, 竹中 克
    原稿種別: 心エコー画像ファイリング・リポーティングシステムの現況
    2012 年 39 巻 6 号 p. 597-606
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    2006年に東大病院では,これまで検査部で施行していた心臓・血管超音波検査に加えて,新たに腹部,泌尿器,甲状腺超音波検査を検査部に中央化,同時にオンライン超音波検査レポートシステムとして,東芝メディカルシステムズ社製“EchoAgent”を導入し,完全電子カルテ化に向けて運用を開始した.これにより主治医による検査依頼から,検査部での検査実施・データ保存・レポート作成・レポート配信,主治医による結果閲覧までの一連の動作全てがオンライン化され,院内どこからでもレポートはもちろん,動画を含む全ての画像が閲覧可能となった.また,本システムにより検査結果集計や症例検索などが容易となり,症例検討や臨床研究に活用している.【有用性】1) 検査業務の合理化により,検査件数が年々着実に増加した.2) 超音波レポートおよび画像データの検索と閲覧が容易になり,診療時の症例検討が円滑かつ容易になった.3) ビデオおよび紙データを廃止できた.4) 超音波検査データの解析と統計処理が円滑かつ容易になり臨床研究が推進されたことが好ましい効果である.【問題点】導入当初は1) 処理速度の遅さ,2) 検索・統計機能がない,3) 動画が電子カルテで閲覧できないことが問題点であったが,現在までに2) 3)は解決された.1) 処理速度の遅さは,当初より改善されたものの,依然として大きな問題である.さらに,4) システム更新やシステム維持に要するコストが今後の大きな課題である.
原著
  • 陶山 芳一
    2012 年 39 巻 6 号 p. 607-613
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    目的:死因診断においてCTによるautopsy imaging が注目されているが,より簡便な検死時超音波検査autopsy ultrasonographyの有用性について急性大動脈解離(acute aortic dissection: AAD)の診断を通して検討した.対象と方法:2007‐2010年の間,検死378件中,34例がAADと診断され,26例に携帯超音波装置を用いてautopsy ultrasonographyを施行した.超音波所見とともに,経過および診断過程をも検討した.結果と考察:AAD件数は急増傾向にあり,年齢は70歳以上が77%と高齢者に多い.発症は失神・意識消失が18例,胸・背・肩・腹部の痛みが8例で,1例に嘔吐を伴った.23例が救急搬送され,22例が搬入時心肺停止,1例が救急室で死亡して検死となった.3例は搬送されずに直接検死された.2007‐2010年2月までの9例では,穿刺にて血性胸水と血性心膜液を確認した.2010年3月より胸骨上縁や胸骨右縁左縁からの観察を試み,上行大動脈・弓部の拡張,遊離した動脈壁など解離の直接所見を17例で確認できた.3例では経過とautopsy ultrasonographyの所見のみでAADと診断した.結論:autopsy ultrasonographyはAADの死因診断に有用である.
  • 竹島 昇吾, 桝田 晃司, Antoine BOSSARD, 渡辺 弘之
    2012 年 39 巻 6 号 p. 615-626
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    超音波断層像における心機能の計測手法では,現状では内腔形状を手動によって数点クリックするなどの初期設定が必要である.この操作を省略可能な方法として,我々は運動ベクトルの交点検出アルゴリズムによる短軸断面における左室腔形状の自動認識手法を開発してきたが,今回は新たな処理を追加し,同様の認識を四腔断面にも適用可能とした.まず,心臓が描出された四腔断面像に対して複数方向からの輝度走査により左室の概形を取得し,左室以外の処理対象から除外した.そして運動ベクトルの交点領域から導かれる関心領域を展開し,断層像の輝度分布から僧帽弁輪部を特定し,得られた左室腔の特徴点にB-Spline補間を適用し,左室腔形状を決定した.この手法では,断層像中に左室が含まれていれば操作者側での初期設定が一切不要である.実際の臨床で得られた50例の疾患心の超音波断層像に対して適用し評価を行った結果,画質が悪い14例を除いて89%の認識率を得ることができた.さらに,抽出された左室腔形状の時間変化からEjection Fractionを自動的に計測したところ,従来の計測方法との相関係数は0.82となった.これらの結果は,本システムが再現性や時間効率を向上させるために臨床上有用であると推測された.
技術報告
  • 宮本 倫聡, 小谷 和彦, Shuumarjav UURTUYA, 大竹 章文, 曹 景文, 紺野 啓, 谷口 信行
    2012 年 39 巻 6 号 p. 627-630
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/28
    ジャーナル 認証あり
    目的:超音波ドプラ法による最大流速測定における計測誤差を回避するため,プローブの補正角度は60度以内に設定する必要があるとされている.しかし,たとえ60度以下の角度補正でも測定値は実際の流速よりも過大評価になってしまうことが指摘されている.今回,我々は角度補正に伴う最大流速測定値の過大評価について追試を行った.方法:糸ファントム駆動装置を水中に設置し,糸ファントムを100cm/sの一定した移動速度で駆動させた.糸ファントムを超音波装置のリニア型プローブを用いて補正角度を45度,50度,60度になるようにした.角度設定の不正確さによる計測誤差が出現しないようにプローブを固定した状態で,各々の補正角度で糸ファントムの移動速度を3回ずつ測定した.結果:各最大移動速度の平均値は補正角度45度で120.1cm/s,50度で124.2cm/s,60度で135.2cm/sであった.補正角度が45度でも約20%の過大評価となり,補正角度が大きくなるにつれて過大評価となった.結語:角度補正が60度以下でも,最大流速の測定値は過大評価になっていると考えられる.
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