超音波医学
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40 巻, 6 号
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総説
  • 田中 幸子, 岡庭 信司, 熊田 卓, 中島 美智子, 平井 都始子
    2013 年 40 巻 6 号 p. 549-565
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/25
    [早期公開] 公開日: 2013/07/26
    ジャーナル 認証あり
    腹部超音波スクリーニング検査は任意型検診に広く用いられ,肝・胆道・膵・腎などの腹部臓器のがんの早期診断に寄与していると考えられている.しかし,その実施方法や所見の記載方法が標準化されていないため,がん検診としての精度や有効性の評価が困難であった.2011年7月に日本消化器がん検診学会から,超音波スクリーニングの精度保持のための条件を示す実施基準とがんに対するカテゴリー判定基準からなる腹部超音波がん検診基準が発行された.現在,微修正および事後指導区分などの追加を行ったうえで,日本超音波医学会,日本人間ドック学会など関連する学会に諮り共通のガイドラインとして普及させる方向で検討が進められている.将来的には腹部超音波スクリーニング検査のがん検診としての有効性評価に結び付けることを目指している.
  • 中島 祐子, 砂川 融, 越智 光夫
    原稿種別: 第11回教育セッション(整形外科)
    2013 年 40 巻 6 号 p. 567-575
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/25
    [早期公開] 公開日: 2013/08/19
    ジャーナル 認証あり
    手の画像診断には,従来単純レントゲン,CT,MRIが多く用いられているが,これらの検査には「全て静止画である」という弱点がある.そもそも整形外科は運動器を扱う科であり,動きに伴う病態を知ることは非常に大切と考える.近年の超音波診断装置や画像構築技術の進歩には目覚ましいものがあり,高周波プローブの出現とともに高分解能画像が得られるようになった.リアルタイムに得られる鮮明な運動器の超音波画像は,整形外科診療を変えるといっても過言ではなく,現在,整形外科領域でも急速に超音波診療が広まりつつある.整形外科における手領域疾患は,その関心領域のほとんどが皮下3 cm以内にあり,高周波プローブが1本あれば観察できる.本稿では,外来で比較的よく遭遇する整形外科の手・肘領域疾患について,その超音波画像所見を紹介し,解説する.具体的には,腱鞘炎,腱損傷,靭帯損傷,ガングリオン,腫瘍,骨折,関節リウマチ,肘部管症候群,手根管症候群を紹介する.超音波検査は診断のみならず,術前術後の評価などの経過観察,麻酔や注射,穿刺といった治療にも有用であり,また患者とのコミュニケーションツールとしても役立ち,今後ますます発展していくものと考える.
症例報告
  • 南 雅人, 桑口 愛, 竹中 清悟, 落合 健, 前倉 俊治, 能勢 和宏, 西岡 伯
    2013 年 40 巻 6 号 p. 577-581
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/25
    [早期公開] 公開日: 2013/07/26
    ジャーナル 認証あり
    Sonazoid®造影超音波検査により,微小血流診断が可能であった乏血性腎腫瘍の1例を報告する.症例は75歳男性.近医に腎機能障害で通院中,腹部超音波検査・MRI検査にて左腎腫瘤を指摘された.当院で単純CT検査でも同部位に腫瘤を認めた.腎機能障害があるため造影CT検査を施行できず,Sonazoid®造影超音波検査を施行したところ腫瘍辺縁部から内部への染影を認めた.悪性を疑い経腰的左腎部分切除術を施行したところ,病理組織検査で乳頭状腎細胞癌と診断された.本例の様に,造影CT検査が禁忌になる症例において,腎腫瘤の微小血流診断に,Sonazoid®造影超音波検査が有用となり得ると考えられた.
今月の超音波像
LETTER TO THE EDITOR
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