超音波医学
Online ISSN : 1881-9311
Print ISSN : 1346-1176
ISSN-L : 1346-1176
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
総説
  • 古澤 之裕, 工藤 信樹, 近藤 隆
    2019 年 47 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/01/15
    [早期公開] 公開日: 2019/12/23
    ジャーナル 認証あり

    超音波の生物作用は熱的作用と非熱的作用に分類され,超音波によるDNA損傷は主として非熱的作用によるものと考えられている.胎児診断の安全性の観点から多くのin vitro研究がなされてきた.DNAに生じる変化の検出技術の進歩とも相まって,水溶液内のDNAへの影響および細胞内DNAへの影響とその作用機序が急速に解明されつつある.一方でDNA損傷はその生成のみならず,修復を経た後に残存する損傷が重要であることが判明してきた.本稿では,歴史的背景を踏まえて,超音波照射により水溶液中のDNAに生じる損傷とその生成機序,細胞内に存在するDNAに生じる損傷の生成機序,および細胞応答ついて概説する.また,これらの基礎的な知見から超音波の生体影響研究における課題についても述べるとともに,超音波診断の安全性との関連についても考察する.

原著
  • 安福 智子, 光本 保英, 奥田 佳一郎, 大矢 寛久, 片山 貴之, 山口 寛二, 水野 雅之, 島 俊英, 岡上 武
    2020 年 47 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/15
    [早期公開] 公開日: 2019/11/22
    ジャーナル 認証あり

    目的:肝癌治療でFusion image技術は必要不可欠となっている.Fusion marker機能はプローブの方向や走査部位を計算し,画像上に標識した印を表示する機能である.この機能を応用し,我々はBモードで描出困難な肝癌を同定可能にしたFusion markers two point methodを確立し治療に応用してきた.今回この方法を応用し,ラジオ波焼灼療法(RFA)やマイクロ波アブレーション(MWA)で術中にablative marginが確保されているかを,Fusion markerを用いて簡便に視覚的に判断可能かどうか検討した.方法:肝癌の両側にFusion markerを2点セットし,リファレンス画像とエコー画像断面を同期させる(Fusion markers two point method).次に腫瘍腹側の肝癌と非癌部の境界の非癌部側にFusion markerをセットする.背側も同様操作を行う.治療後凝固域は高エコー化し,その領域内にFusion markerが位置すれば,ablative marginの確保が術中に評価可能となる(Fusion markers margin method).結果:肝癌症例にRFA/MWAを行い,治療後にFusion markers margin methodを用い,腫瘍が凝固域内に位置するのを確認した.結語:Fusion marker機能を用い,RFA/MWAのablative marginが確保されているかを術中に視覚的に判断可能であった.

症例報告
  • 南 貴子, 河野 浩章, 恒任 章, 吉牟田 剛, 前村 浩二
    2020 年 47 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/15
    [早期公開] 公開日: 2019/12/12
    ジャーナル 認証あり

    近年,肺癌に対する手術は,完全胸腔鏡下(video-assisted thoracoscopic surgery:VATS)での肺葉切除手術が増加しているが,これに伴い,肺静脈の切離ラインが末梢側となり,静脈断端が長くなり血栓ができやすい危険性が報告されている.特に,左上葉切除時に左上肺静脈の切離断端から左房内に血栓を生じやすいことが報告されているが,今回われわれは,右上葉切除後,左上葉切除後,左下葉切除後に左房内血栓を生じた心房細動の3例を経験した.1例目は右上葉腺癌の術後に,好酸球性肺炎を発症してステロイド治療を行い,治療経過を見るための造影CTで左房内血栓が検出された.2例目は,左上葉扁平上皮癌の術後,気管支・肺動脈形成後で,術後確認のための造影CTで左房内血栓が検出された.いずれも経胸壁および経食道心エコー図で観察を行った.3例目は左下葉腺癌術後の化学療法中に間質性肺炎を発症してステロイド治療中に心窩部不快感の出現があり,心機能評価の目的で経胸壁心エコー図を行った.その際,先の2例の経験をもとに左房の肺静脈流入部位を丁寧に検索して血栓を検出することができた.肺癌に対するVATS術後で,心房細動,左房拡大,ステロイド使用などの血栓形成リスクが高い症例において,経胸壁心エコー図検査で注意深く肺静脈流入部位を観察し左房内の肺静脈断端の血栓を検出できることがわかった.また,肺静脈断端部に形成された血栓は,直接抗凝固薬の使用にて3例とも消失したので報告する.

今月の超音波像
feedback
Top