1992及び1993年の晩秋に鳥取県下の数地域で採集されたヒダに瘤のあるヒラタケから本邦未記録属線虫の1種の菌食態雌成虫、雄成虫及び感染態雌成虫を検出した。それらを既記載の7種と比較し、新種Iotonchium ungulatum (ヒラタケヒダコブセンチュウ) と命名し、ここに記載した。本種の雄成虫の交接刺はL字形で、その先端部分が動物の脚に似た独特な形状をしていることから (種小名は、この特徴に由来する)、I. bifurcatum、I. califomicum、I. cephalostricum、I. fungorum、I. imperfectum及びI. macrospiculatumと明確に識別される。また、雄成虫が発見されていないI. mycophilumとは、本種の感染態雌成虫の体長が短く、尾の先端が尖っていることによって識別される。

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温度感受性胚発生変異体emb-1 (hc 57) とemb-3 (hc 59) における減数分裂を解析した。emb-1変異胚では第一減数分裂紡錘体は正常に形成された。しかし紡錘体と染色体はその後分解し、極体の形成は見られなかった。emb-3変異胚では第一減数分裂紡錘体の構造が崩れ、染色体の配置も異常であった。全ての染色体が一個の大きな極体として放出されるのがしばしば見られた。これらの結果から、emb-3は第一減数分裂紡錘体の形成に必要であるが、極体の形成には必要でないこと、またemb-1は極体の形成に必要だが、第一減数分裂紡錘体の形成には必要でないことが推測できる。さらに発生過程を考慮すると、遺伝子機能の発現はemb-3がemb-1に先行するであろうと予測される。

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スリランカでサツマイモの重要害虫、アリモドキゾウムシ (Cylas formicarius) の昆虫病原性線虫に依る防除効果を調べた。サツマイモの芋で飼育したアリモドキゾウムシ (以下、ゾウムシという) の幼虫・蛹および成虫に市販の昆虫病原性線虫、Hetmrhabditis megidisおよびSteinemema feltiaeの幼虫をそれぞれ接種した。接種試験は室内のプラスチックシャーレ内、小規模ほ場 (0.5×2m) およびほ場で実施した。線虫接種後、ゾウムシ各ステージの死虫率と芋の被害を調べ、無接種区およびカルボフラン施用区のそれと比較した。シャーレ内ではH. megidis接種ゾウムシは幼虫、蛹、成虫とも80-90%の、またS. feltiae接種のゾウムシは70-80%の死虫率をそれぞれ示した。小規模ほ場およびほ場での試験でもスリランカ育成サツマイモ2品種、CARI-426とCARI-426-13栽植の線虫接種区ではゾウムシ個体数と芋の被害が無接種区、薬剤両区に比べ、明らかに少なかった。

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Heterorhabditis bacteriophora, Steinernema glaseriおよびS. carpocapsaeにおける卵巣内幼虫発育 (Endotokia matricida: EM) の生起と、EMによって生じた感染態幼虫の母体外への脱出を、in vivoおよびin vitroの条件下で比較調査した。ハチミツガ (Galleria mellonella) の幼虫体内において、第1～第3世代の成虫とも、Steinernema属線虫2種よりH. bacteriophoraの方が、EMは早く起こり、EM誘起率は高かった。宿主昆虫当たりの線虫接種数が25頭から1,600頭へと段階的に多くなると、EMを起こした雌成虫の割合は高くなった。EMを経て生じた感染態幼虫の母体外への主な脱出は、Steinernema属線虫2種では自然開口部、H. bacteriophoraでは角皮であった。共生細菌を添加あるいは無添加の栄養寒天培地上またはリンゲル液中に雌成虫を置くと、EM誘起率はリンゲル液の方が有意に高かった。

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To determine host suitability of sweet potato to major Meloidogyne species, penetration of second stage juveniles (J2) and their early development, and production of egg-masses were examined. Cuttings of four sweet potato cultivars, Norin No.1, Norin No.2, Kokei No.14 and Beniazuma, rooted in 200g of sterilized potted soil were inoculated with approximately 500 newly hatched J2 and grown in a green house at an average temperature of 27°C. Five days after inoculation penetration and development of J2 were examined, and after 35 days numbers of egg-masses on root systems were counted. Numbers of egg-masses produced by M. incognita markedly varied according to cultivars. M. arenaria laid some eggmasses on cultivars except Norin No.1 on which no egg-mass was observed. A few eggmasses were produced by M. hapla on all four cultivars, but none by M. javanica. J2 of M. arenaria, M. incognita and M. javanica penetrated roots of all cultivars well and more than 50% of penetrated J2 enlarged as early as five days after inoculation on cultivars with eggmasses, though only a few J2 enlarged on those cultivars with no egg-masses. J2 of M. hapla penetrated roots of all 4 cultivars but only a few J2 penetrated and developed.

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異なる温度条件下の水中で保存したPasteuria penetrans胞子の超音波処理がネコブセンチュウの第2期幼虫に対する付着性に及ぼす影響を明らかにした。Meloidogyne incognita、M. arenaria、およびM. haplaから分離したそれぞれのP. penemns MIP、MAP、およびMHPの3系統の摘出直後の胞子を供試し、保存温度 (-20、5、25℃) と保存期間 (摘出直後、20、40日) のそれぞれの保存条件を組合わせた実験を行った。それぞれの組合わせにおける30分間の超音波処理胞子および無処理胞子の第2期幼虫に対する付着性を比較した。その結果、MIP、MAP、およびMHPの3系統とも5℃ または25℃ で20日または40日保存後超音波処理したとき、摘出直後あるいは-20℃ 保存後に超音波処理するよりも付着性が増進した。

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