本邦各地で採集した土壌試料から,
Qudsianematidae科に属する未記載の線虫4種および2種の本邦未記録種が検出されたので記載を行った。新種
Eudorylaimus intermediusは, 体長が0.76-0.84mm, 口唇部が胴部からはっきりと区別され, 双器が大きく, 歯針長10-11μm, 陰門は体の中央からやや後よりに体を横断するように開口し, 陰門環 (
pars refrlingens vaginae) は強く骨化すること, 尾部が腹側に曲ること, 雄では, 前腹部補助器 (ventromedian supplement) が3~4個である。新種
E. niaesiは, 体長が1.85-236mmで細長い体を持ち, 口唇部が胴部からわずかに区別され, 双器は小さくあぶみ型, 歯針は長さ19-20μmで, 食道腺背側の核が著しく大きく, 陰門の開口は横断型で, 膣は球形, 陰門環はよく骨化すること, 前後の生殖巣の発達がともに悪く小型であること, 尾部が円錐状で腹側に曲ることが特徴である。新種
E. hyotoensidは, 体長が1.90-1.96mmと細長い線虫で, 唇乳頭が突出して口唇部が胴部から顕著に区別され・双器は大型, 歯針は長さ22.5-23.5μm, 陰門は横断型で開口し, 陰門環は小型で, 前後の生殖巣は発達がよく, 円錐状の尾部は腹側にカーブする。新種
Paramnchium japonicumは, 体長が0.66-0.80mmの線虫としてはずんぐりした体形で, 口唇部は丸く顕著で, 双器は大きく, 非対称な歯針は長さ20-21μmで, 先端の開口は短い。食道腸間弁には大きな3つの腺細胞が付属し, 陰門は体の中央から後よりに体を横断するように開口, 陰門環は強く骨化し, 卵巣は両卵巣型, 尾部は短く円錐状, ほとんど曲らない。
Ecumenicus monohysteraと
Mylodiscus nanusもわが国で初めて見出されたので計測値を報告した。
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