日本線虫学会誌
Online ISSN : 1882-3408
Print ISSN : 0919-6765
ISSN-L : 0919-6765
36 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
本報 (英文)
  • 鍬田 龍星, 重松 学, 吉賀 豊司, 吉田 睦浩, 近藤 栄造
    2006 年 36 巻 2 号 p. 75-85
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2007/11/22
    ジャーナル フリー
    未記載種5種を含む10種の日本産Steinernema 属線虫と、これらの線虫から単離したXenorhabdus 属共生細菌について分子系統解析を行った。ITS領域の塩基配列に基づく系統解析の結果、日本産Steinernema 属線虫は3つのクレード “affine-intermedium”、“karii-glaseri”、“monticolum-kushidai-feltiae-kraussei” に分けられた。16Sリボソーム遺伝子の塩基配列に基づく系統解析の結果、日本産Steinernema 属線虫から単離されたXenorhabdus 属細菌10株中6分離株はXenorhabdus bovienii と同じクラスターを形成し、同一種であることが支持されたが、残り4分離株は別のクラスターに属した。線虫と共生細菌の分子系統樹を比較したところ、両者の間には部分的な共進化が推察された。
  • スリワティ リナ, 竹本 周平, 二井 一禎
    2006 年 36 巻 2 号 p. 87-100
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2007/11/22
    ジャーナル フリー
    マツ材線虫病により枯死した15年生クロマツにおけるマツノザイセンチュウ (PWN) および自由生活性線虫類の個体群の経時変化を調査した。研究期間中に、計15線虫種を検出した。それらの内訳は、PWNを含むBursaphelenchus 属線虫3種、Rhabditida目線虫2種、Plectidae科線虫1種、Diplogasterida目線虫4種、Tylenchida目線虫2種、Mononchida目線虫1、Monhisterida目線虫2種である。このうちPWNおよびDiplogasterida目線虫の1種が優占していた。PWNの個体数は2004年8月から12月にかけて減少したが、2005年2月には回復傾向を示し、以降2005年6月にかけて再び減少した。優占種であったDiplogasterida目線虫の個体数とPWNの個体数との間の相関は季節間あるいはマツ樹個体間で著しく異なっていたものの、両者の個体群の変動は実験期間を通じ同調していた。また、媒介昆虫であるマツノマダラカミキリの蛹室周辺では、そのほかの部分に比べ、PWNのみならずこのDiplogasterida目線虫の個体数もより多くなっていた。
日本線虫学会第14回大会講演要旨 (一般講演)
feedback
Top