生物防除に供しうる土着の
Steinernema属昆虫病原性線虫を選定するために、ヤガ類幼虫に対する病原性を調査した。最初に、土着種10種17アイソレートの病原性をニセタマナヤガ中齢幼虫を使って比較した結果、
S. feltiaeと
S. litoraleが選定された。次いで、前者2、後者8アイソレートの病原性をカブラヤガ中齢幼虫を使って比較した結果、えりもアイソレートと北茨城アイソレートがそれぞれ選定された。両種とも25℃以下で高い病原性を示したが、30℃では低下した。そこで
S. abbasi西表島アイソレートを加えて、3アイソレートのカブラヤガ・ハスモンヨトウ老齢幼虫に対する病原性を導入種
S. carpocapsae Allと比較した。
S. litorale北茨城は7~25℃で両ヤガ類に対し高い病原性を示し、
S. carpocapsae Allと比較して7・10・15℃でカブラヤガ、7・10℃でハスモンヨトウに対し有意に高い病原性を示した。
S. abbasi西表島は
S. carpocapsae Allと比較して30・35℃でカブラヤガ、35℃でハスモンヨトウに対し有意に高い病原性を示した。
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