日本線虫学会誌
Online ISSN : 1882-3408
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46 巻, 1 号
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原著論文
  • 関本 茂行, 植原 健人, 水久保 隆之
    2016 年 46 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    東日本においてクローバシストセンチュウの分布調査を行った。シロクローバ根圏土壌195 サンプルおよび施設栽培カーネーション根圏土壌8 サンプルからそれぞれベルマン法を用いて線虫を分離した結果、シロクローバ根圏土壌57 サンプルおよび施設栽培カーネーション根圏土壌5 サンプルからシストセンチュウの2 期幼虫が検出された。さらに、分離された線虫を3 種の制限酵素(AluI、MseI、RsaI)を用いたPCR-RFLP 法を用いて種同定した結果、シロクローバ根圏土壌56 サンプルおよび施設栽培カーネーション根圏土壌5 サンプルからクローバシストセンチュウが検出された。本調査の結果、クローバシストセンチュウが北海道から中部地方にかけての東日本に広く分布することが明らかとなった。

  • 河野辺 雅徳, 宮丸 直子, 吉田 晃一, 川中 岳志, 豊田 剛己
    2016 年 46 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    沖縄県のサトウキビ単収は過去20 年で約17%減少している。本研究では世界的にサトウキビ収量減の主要な要因として挙げられる植物寄生性線虫について、沖縄県のサトウキビ栽培への影響を明らかにする。沖縄県北大東島のサトウキビ圃場に殺線虫剤処理区(ホスチアゼート 3 kg/haと7.5 kg/ha)及び無処理区を各5 反復で設定した。苗植え付け3 か月後、5 か月後において、北大東島で優占的な植物寄生性線虫であるモロコシネグサレセンチュウが7.5 kg処理区で無処理区より有意に低密度となった。12 か月後の収量は3 kg と7.5 kg 処理区(55 t/ha)は無処理区(48 t/ha)を15%有意に上回り、モロコシネグサレセンチュウが苗の初期生育に与える影響を通じて、サトウキビ収量減を引き起こしていることが示唆された。

研究資料
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