日本線虫学会誌
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最新号
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原著論文
  • 林 宜蓁, 内川 史子, 吉賀 豊司
    2020 年 50 巻 2 号 p. 21-26
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    イモグサレセンチュウは日本ではニンニクに寄生し、被害を及ぼす。本種は植物細胞だけでなくカビも摂食するため、ニンニクへのカビの感染も線虫の増殖に影響を与える可能性がある。本研究では、本種が無菌のニンニクりん片で増殖し、組織の崩壊を引き起こすかどうかを調査した。日本国内の主要な品種である「福地ホワイト」の貯蔵葉を表面殺菌し、無菌線虫を接種して4週間後、線虫の増殖が確認された。さらに、16 品種で調査したところ接種8週間後にすべての品種で線虫の増殖が確認されたが、「平戸」や「壱岐」といった西南日本の品種において増殖は「石川六片」や「福地ホワイト」と比べ有意に低かった。線虫の増殖が良好な貯蔵葉は組織の一部が崩壊した。これらの結果は、イモグサレセンチュウはニンニク貯蔵葉で増殖し、カビの影響なしに組織の崩壊を引き起こすことが示唆された。

短報
  • 浜口 昂大, 澤之向 大希, 佐藤 一輝, 小澤 壮太, Kalaiselvi Duraisamy, 長谷川 浩一
    2020 年 50 巻 2 号 p. 27-33
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    昆虫病原性線虫を使ったゴキブリ防除の可能性を広げるため、共生細菌Photorhabdus luminescensを有する線虫Heterorhabditis bacteriophoraおよび共生細菌単独での殺虫活性を調査した。クロゴキブリとワモンゴキブリは、それぞれ20,000頭と100,000頭のH. bacteriophoraを混ぜた0.3gの餌を5頭の中齢幼虫に食べさせた場合に、対照区と比較して死亡率が上昇し、ヤマトゴキブリに対しては、実験したどの線虫頭数でも殺虫性を有さなかった。チャバネゴキブリの死亡率は調べたゴキブリの中で最も高かった。つぎに、細菌をPeriplaneta属ゴキブリ3 種の血体腔内に注射したところ、いずれの種においても4日以内に全個体が死亡した。Periplaneta属ゴキブリ3種は細菌に対して感受性であるものの、細菌を持つH. bacteriophoraによる効果的な殺虫活性が見られないことが明らかになった。チャバネゴキブリを殺虫するために必要なH. bacteriophoraの頭数はPeriplaneta属ゴキブリ3種よりも少ないことが分かった。線虫の感染と細菌による殺虫活性とを分けて検討する必要性も示唆された。

  • 岡田 浩明, 植原 健人, 北林 聡
    2020 年 50 巻 2 号 p. 35-38
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    Heterodera schachtii (HS) の植物における寄生程度(雌成虫の出現数)を効率的に調べるための根箱を考案した。透明のポリスチレン製トレイを2枚張りあわせて作成した。根箱の外側から観察した際の植物根上の若い雌成虫の個体数が、後に根箱内の土壌に出現する成熟雌成虫(シスト)の個体数の予測に利用できるか検討した。根箱に定植したハクサイ苗にHSの第2期幼虫を20~10,000匹接種した。25˚Cで20日経過後に植物根上に出現した若い雌成虫の、58日後に土壌中に形成されたシストの個体数を各々調査した結果、両者の間に高い相関が認められ、植物根上の個体数が土壌中のそれの良い予測値を与えると考えられた。ただし、根箱に入れる土壌の種類の選択と湿度調整が、予測の信頼性に影響しうると考えられた。

研究資料
  • 田場 聡, 伊藤 勝仁, 伊藤 創, 永松 ゆきこ, 青山 理絵, 冨高 保弘
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 50 巻 2 号 p. 39-44
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/04/13
    ジャーナル フリー

    The control effects of applying a solid-type material (carrier: PVA and agar) B. pilosa var. radiata extract onto root-knot formations of M. incognita and M. hapla were evaluated. It was clear, in particular, that the highest controlled effect of the planting hole treatment (bottom side) of the cube-type material, occurred where the rates of agar and plant extract dry matter were 1:3. Furthermore, the control effect of cube-type materials (1:3) on M. hapla was high when the amount of sprinkling water was increased, compared with that used regularly, and no influence on the growth of tomatoes was observed. As a result, the B. pilosa var. radiata extract materials could be used as an environmentally-friendly control agent for M. incognita and M. hapla.

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