看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
14 巻, 1 号
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資料
  • - 訪問看護師のインタビューから -
    長谷川 健美, 高野 政子, 市瀬 孝道
    2016 年 14 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、訪問看護師の語りから在宅における終末期患者の死亡確認までの現状を明らかにし、特定看護師の役割を検討することである。対象者は5 ヶ所の訪問看護ステーションに勤務する、終末期の死亡確認の経験のある訪問看護師10名であった。研究は質的記述的研究デザインを用いて、在宅における死亡確認の現状について半構成的面接を行った。語りを類似の文節ごとにコード化して、カテゴリーを抽出した。訪問看護師が在宅での終末期患者の受け持ちの困難について、《訪問看護師の業務調整》 《終末期の家族への対応》 《在宅で看取れない》 の3つのカテゴリーが抽出された。また、在宅における死亡確認時の困難については《タイムリーな死亡確認の困難》 《医師・看護師間の統一した方針(困難なし)》 といったカテゴリーが抽出された。終末期医療では、医師や看護師の連携を強化する必要がある。一方、訪問看護師は死亡確認時の対応に困難があることが明らかになった。現状より死亡確認時の特定看護師による新たな役割が期待できる。
企画
大分県立看護科学大学 第16回看護国際フォーラム
  • 藤内 美保
    2016 年 14 巻 1 号 p. 11-13
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー
    大分県立看護科学大学では、2008年4月に大学院修士課程においてNurse Practitioner(以下、NP)の教育を日本で初めて開始して8年目となる。本学のNP教育が1つの契機となり、2014年6月に保健師助産師看護師法が改正され「特定行為に係る看護師の研修制度」が制度化し、2015年10月1日から施行となった。この制度化を節目とし、第16回看護国際フォーラムでNPをテーマに話題提供する機会をいただいた。本報では、NP教育を開始した理由、NP教育を開始するまでに議論を積み重ねた「NPの活動と役割」「NPに必要な能力」「NPカリキュラムの開発」などの考え方や取り組みについて紹介する。また現在までのカリキュラムの経緯や大学院教育として強化していること、「特定行為に係る看護師の研修制度」に至るまでに厚生労働省が実施した養成調査試行事業に参加した本学の取り組みについて報告する。
  • 小野 美喜
    2016 年 14 巻 1 号 p. 14-16
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー
    2008年に日本で初めて大分県立看護科学大学の看護系大学院修士課程でNPコースが開講された。NPとは米国等で活動するNurse Practitioner の略であり高度な実践力をもつ診療看護師である。日本では2014年に「特定行為に係る看護師の研修制度」が制度化され、特定行為研修を含むNP教育を受けた修了生が増えると予想される。日本でのNP教育の歴史は浅く、その成果は明らかでないが、あらたな役割を担う活動に期待がもたれている。今回の報告は、介護老人保健施設に勤務するNP教育修了生に着目した調査結果をはじめ、病院や訪問看護ステーションでの修了生の活動によって見えてきた成果について述べる。修了生の活動は、患者のQOLの向上、満足度の向上等に効果がみられるほか、医療現場も効率的効果的となり、医療の質の向上につながることが期待される。
  • - 「特定行為に係る看護師の研修制度」創設を踏まえて -
    村嶋 幸代
    2016 年 14 巻 1 号 p. 17-19
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/31
    ジャーナル フリー
    2015年10月1日から、「特定行為に係る看護師の指定研修制度」が創設された。大分県立看護科学大学大学院修士課程NPコースは、本研修制度を全面的に取り入れ、学生定員も増やす。一般社団法人日本NP教育大学院協議会の加入校は、大部分がこの制度を取り入れている。一方で、本制度は、当初、我々が望んだ「修士課程におけるNP教育」とは大きく異なっている。今後、真の意味でNPを日本に根付かせるためには、「育成する像」「教育カリキュラム」「試験による質保証」が一致して推進されることが重要である。本学としても、専任教員の確保と院生の増加、実習施設の確保等々が課題であるが、「質の高い修了生を確実に世に出し続ける」ことが最重要と考えて、全学を挙げて前に進みたい。そして、NPが、チーム医療推進のキーパーソンとして、より自律的に幅広い分野で活動できるようになることを目指したい。
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