看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
15 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究報告
  • 吉良 いずみ
    2017 年 15 巻 2 号 p. 25-35
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/16
    ジャーナル フリー
    本研究は、便秘症状を有し便秘薬を使用する女子大学生5 名を対象に,便秘薬の選択過程から選択後の排便状況及び排便管理について明らかにすることを目的とした。インタビュー調査の結果、便秘薬を選択するまでに《排便困難感と関連症状の出現》や《排便に影響する健康パターンの認識》といった過程を経て、《便秘薬の効果に関する広告や宣伝》《便秘薬の使用を勧める親の存在》 などをきっかけとし便秘薬を開始していた。便秘薬選択後の排便状態は《副作用症状のない排便コントロールの成功》がある一方で、《正常な排便状況からの逸脱》や《副作用症状による身体的・精神的苦痛》を経験し、《排便状況に応じた便秘薬の決定》をしていた。また、便秘薬の使用による《排便状況への満足感や安心感》がある一方で《過剰な排池効果と副作用への不安》もあった。便秘薬の使用を効果的で安全な保健行動とするためには、対象者の背景や排便状況、副作用症状を丁寧に聴取しより良い排便状態をともに考え支援する必要性がある。
企画
大分県立看護科学大学 第18回看護国際フォーラム
  • Nursing care approaches that work across the continuum of care
    Carol O Long
    2017 年 15 巻 2 号 p. 36-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/16
    ジャーナル フリー
    Dementia is a progressive terminal condition for which there is no cure. Alzheimer's disease is prevalent in 60–80% of all dementias. Those with Alzheimer's disease may suffer from well-intentioned, albeit uncomfortable treatments and nursing interventions, particularly as the person encounters increasing physical and mental decline and approaches the end-of-life. As the progression of dementia robs a person of their memory, ability to speak, and care for themselves, nursing professionals and family caregivers may not know the best practices in caring for these individuals. This paper incorporates a case study with an interdisciplinary team approach to illustrate the possibilities in providing positive caring interventions for the person with advanced dementia.
  • 適確にアセスメントをし、せん妄を予防する
    小川 朝生
    2017 年 15 巻 2 号 p. 45-49
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/16
    ジャーナル フリー
    せん妄は、急性に生じる注意障害を主体とした精神神経症状の総称である。せん妄は、精神的苦痛やコミュニケーションの阻害による苦痛に加え、身体症状のコントロールの悪化を招くこと、転倒やルートトラブルなど医療安全上の問題とも関連するため、その対策は緊急の課題である。せん妄に対して、増悪因子や直接原因を可能な限り管理・制御することにより、せん妄の発症を予防する試みが様々行われてきた。近年、看護師を中心とする多職種による複合的な介入は、せん妄の発症率ならびに重症化を防ぐうえで有効性が示されつつある。超高齢社会を迎えたわが国でも、せん妄に対する認識が深まるとともに、今後、わが国の医療体制においても実施可能な簡便なせん妄への対応方法が確立し、普及することが望まれる。
feedback
Top