日本鳥学会誌
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36 巻 , 4 号
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  • 中村 浩志, 田畑 孝宏
    36 巻 (1987 - 1988) 4 号 p. 137-152
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1) ブッポウソウEurystomus orientalisの巣の中,巣の下,巣の近くから,貝殻,ガラス,プラスチック,瀬戸物,アルミニュウム片など,さまざまな「奇妙な物」が見つかった.それらは,光沢があり,固く,栄養価がないといった共通性を持っていた.
    2) これらがいつ,どこから巣に運ばれているのかを,アルミ片を使った実験により調査した.その結果,多くのものは,巣から200m以内から集められていることがわかった.
    3) 「奇妙な物」が巣に運ばれる時期は,給餌回数のいちばん多い育雛期後半と交尾期であった.交尾期に運ばれたアルミ片は,巣の下や巣の近く,育雛期に運ばれたものは主として巣の中より発見された.
    4) 巣の中で見つかったものの80.6%,巣の下から見つかったものの41.8%には,昆虫のキチン質のかけらを多数含むよごれがついていた.よごれがついていないものは,ついているものより,形が大きいものを多く含む傾向があった.
    5) 実験に使われたアルミ片の多くは,ブッポウソウにより折り曲げられ,変形された状態で見つかった.変形されたものには,すべてよごれがついていた.
    6) よごれがついたアルミ片の多くこは,表面に掻き傷が多数つけられていた.折り曲げられたアルミ片には,外側に掻き傷がついていても,内側にはついていなかった.
    7) 以上のことから,よごれのついたものは,雛によりいったん呑み込まれていること,アルミ片の表面につけられた傷は,胃の中で「奇妙な物」どうしがこすり合わされた時についたものであることがわかった.したがって,「奇妙な物」は,ブッポウソウの主な餌である甲虫類の固くて大きなキチン質の外骨格をすりつぶす「曝き臼」として使われており,その後ペリットと共に吐き出されたものであることがわかった.
    8) 交尾期に運ばれたものは,巣のまわりや巣の下から見つかっており,目立ちやすいものが多く,よごれ,傷,変形がほとんどないことから,求愛の道具として使われている可能性が高いことを論じた.
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  • 川路 則友
    36 巻 (1987 - 1988) 4 号 p. 153-158
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1) 南九州低山帯の常緑広葉樹林と植栽林め混在する環境における繁殖鳥類群集の特徴を調べるために,1985年から1987年のそれぞれ5月から7月にかけて,鹿児島市近郊の鳥帽子岳(標高522m)でライントランセクト法によってセンサスを行った.
    2)調査区はアカガシ,タブの優占する広葉樹林,ヒノキやスギの植栽林,およびそれらの混交林がモザイク状に存在するA区と,農耕地に植栽林の混じるB区であった.
    3)調査期間中,A区で28種, B区で24種の鳥類が確認され,両地域で共通なのは20種であった.しかし,コゲラ,エナガ,ヤマガラおよびシジュウカラの4種はA区で,コジュケイ,キジバト,アカショウビン,ツバメ,ヒヨドリ,ウグイス,ホオジ店スズメおよびハシブトガラスの9種はB区でそれぞれ高い相対密度(羽/ha)を示した.
    4)A区における上位4優占種の組み合わせは,ヒヨドリ-シジュウカラ-エナガ-ヤマガラであり,B区のヒヨドリ-スズメ-ウグイス-ホオジロ群集や水俣の照葉樹林帯(KUBO 1978)と異なるが,霧島山の荒襲•狭野地域のそれと類似する(黒田ほか1972).
    5)水俣で見られた鳥類のうち,コサメビタキ,イカル,ツツドリ,アオバズク,オオアカゲラなどは鳥帽子岳では見られず,キビタキ,オオルリなどの密度は後者で非常に低かった.一方,ヒヨドリの優占度が高く,林縁棲鳥類であるウグイスやホオジロ,都市部でも見られるスズメ,ツバメ,カワラビワなどが混じるなど,植栽林とそれに広葉樹林が混在する環境を反映した鳥相構成を顕著に示していると思われた
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  • 石川 俊浩, 中村 登流
    36 巻 (1987 - 1988) 4 号 p. 159-171
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1985年の春と秋の渡り期に,新潟県上越地方のいわゆる頸城平野に渡来したシギ•チドリ類の採食行動を調査した.採食行動については歩く歩数とつつく回数を記録し,これを種別,環擁別に比較した.
    1)シギ科はほとんど停止することなく歩きながら採食していくが,チドリ科はつい球み回数と同じくらい停止をしている.
    2)シギ科,.チ.ドリ科ともに科内では体の小さいもの翠ど単位時間あたり高頻度についぼんでいる傾向がみられた.
    3)チドリ科は春,秋ともにシギ科よりついばみ回数が少ない傾向があり,ついばみ回数種間差より歩数の種間差が大きかった.
    4)一方,シギ科は春,秋とおして一般にチドリ科よりもついばみ回数が多く,かつその変異は非常に大きかった.
    5) シギ科のハマシギとキリアイは,水の中に入るとつつき採食からさぐり採食になり,その分嘱の使用時間が増えるため歩数が減る.
    6)以上より,シギ科の生態的分離は嘱の使い方に重点がおかれているが,チドリ科のそれは歩幅を変えることに重点がおかれていると考えられる.
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