日本鳥学会誌
検索
OR
閲覧
検索
46 巻 , 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 藤巻 裕蔵, 宮沢 由香子, 笹岡 久美子
    46 巻 (1997 - 1998) 1 号 p. 1-6,57
    公開日: 2008/09/11
    ジャーナル フリー
    エゾライチョウによるシラカンバ Betula platyphylla の冬芽と尾状花序の摂食を,1978年12月~1988年3月,1991年3月,1991年11月~1992年3月,1992年11月~1993年3月に飼育下で調べた.冬芽は粗蛋白15.3%,粗脂肪32.9%,粗繊維14,1%,還元糖4.1%を含んでいた.尾状花序ではこれらの値は,それぞれ14.1, 20.7, 22.6, 5.8%であった.つがいのエゾライチョウが摂食した冬芽と尾状花序は,1月の8.3±2.7g/日(乾重)から11月の11.8±3.2g/日の範囲であった.雄単独の場合の摂食量は,11月の6.2±1.7g/日から1月の7.0±1.5g/日の範囲,雌単独の場合には,3月の5.7±1.2g/日から11月の6.6±1.9g/日であった.冬芽と尾状花序の成分組成が異なるので,年,月,性別による摂食量を比較するため,摂取エネルギーとして比較した.平均摂取エネルギーには月間差は認められず,つがいでは232.94±102.92kJ/日であった.単独の場合には性差は認められず,154.69±38.08kJ/日であった.つがいの摂取エネルギーは,単独の場合の摂食量を2倍した値より少なかった.つがいで飼育中,雌雄間に攻撃行動など食物摂取に影響を与えるようなことが観察されなかったので,この理由については不明である.飼育下で冬芽と尾状花序の摂食による摂取ネルギーは,野外において推測される代謝量410kJ/日より少なかった.代謝量は摂取エネルギーより少ないので,飼育下における摂取エネルギーは野外における摂取エネルギーより少ないといえる.この理由として,飼育個体はペットフードを主体とする人工飼料になれており,自然の食物に対する嗜好性が低くなっていたこと,飼育下では野外におけるよりエネルギー要求量が少ないことが考えられる.
    抄録全体を表示
  • 嶋田 哲郎
    46 巻 (1997 - 1998) 1 号 p. 7-22
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1996年2月に,宮城県によって計画されている県北高速幹線道路の建設予定地である伊豆沼北東部の水田地域において,マガンの水田利用状況の実態を明らかにするたあの調査を行い,マガンの朝夕,の移動と日中の活動について調べた.
    1.調査期間中,朝ねぐらから飛び立ったマガンはすべて調査地域上空を通過し,調査地域の水田に直接飛来することはなかった.
    2.朝,マガンが調査地域の上空を移動する際に使用する経路は5つあった.このうち,調査地域の西よりの経路を通過するのは沼中央部のねぐらから飛び立った群れ,その他4つの経路を使用するのは沼東部のねぐらから飛び立った群れであると考えられた.マガンはこの朝の移動で調査地域よりも奥に位置する水田に一時降り立ち,その後昼間活動する水田へ分散移動をすると考えられた.
    3.朝の移動でもっとも多くの個体が移動したのは,沼東部のねぐらから北西へ向かう経路と沼中央部のねぐらから北へ向かう経路であった.これは北へ帰る方向が北西であるため,この時期にマガンが沼の北西に位置する水田を採食場として利用することと関連していることが考えられる.
    4.夕方になるとマガンは朝の移動と同様な5つの経路をたどってねぐらへ帰った.これは昼間の活動後,朝香降り立った,調査地域よりも奥に位置する水田に再び集合する可能性を示唆した.しかし5つの経路を通過する個体数には対応関係が認められず,すべての個体が再び集合するのではないと考えられた.
    5.夕方,マガンが調査地域の上空を移動する経路は5つあり,1つは調査地域の西よりを北から沼中央部のねぐらへ向かう経路であった.その他4つの経路は沼東部のねぐらへ向かうと考えられた.
    6.調査期間中の朝と夕方の移動個体数を全体で比較すると,朝の移動個体数の方が多かった.これは調査時期がマガンの北帰時期にあたり,伊豆沼•内沼から次の滞在地への移動が始まっていることと関連していると考えられた.
    7.朝,調査地域上空を通過したマガンは,9時から11時ごろに調査地域に飛来して活動をはじめた.その飛来経路でもっとも多くの個体が認められたのは,調査地域の北東方向に位置する奥地の水田からの経路であった.これは,朝の移動後,調査地域よりも奥の水田に降り立ったマガンが分散移動してきた群れの一部であると考えられた.
    8.昼間,マガンは南風や南東風のときは採食し,北風や北西風のときは飛来しても休息したことから,マガンの活動と気象条件との関係が示唆された.
    9.マガンの分布をみると,特定の地区に集中分布した.この理由として,高圧送電線の影響,マガンの土地執着性の問題が考えられた.またマガンは耕起されていない水田で採食したので,食物現存量の問題も考慮する必要があること,越冬期を通した生態を明らかにする必要があることなどが 示唆された.
    抄録全体を表示
  • 中村 浩志, 宮沢 良友
    46 巻 (1997 - 1998) 1 号 p. 23-54,57
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    長野市郊外の千曲川で1984年から1993年にかけ計333個体のカッコウを捕獲し,うち81羽に発信機を装着することにより,個体の動き,空間利用,社会組織等について調査を行なった.性別不明の個体(8.7%)を除いた捕獲個体の性比は,雌1.00に対し雄1.25であった.個体追跡調査の結果,それぞれのカッコウは,それぞれ異なる繁殖域と採食域をもち,両地域の間を毎日通う生活をしていることが明らかになった.午前中は,千曲川などの宿主の豊富な地域で過ごし,その後は採食のため近くの山地や郊外を訪れた.繁殖地に留まっている時間は,一日平均雄で9.0±0.8(SE)時間,雌で8.7±0.7時間であった.これは,日中の時間のそれぞれ58.2%,56,3%にあたった.すべての雄は,夜明け直後に繁殖地を訪れたが,雌の出現時間帯のピークは雄より約1時間遅れていた.両性ともに,早朝の出現ピーク後から午後にかけて除々に出現する個体の割合が減少し,夕方の6時前後に再び増加した.繁殖地での雄の主な行動はさえずりで,出現時間の19.8%~40.2%の時間をさえずりについやしていた.各雄は,それぞれ限られた地域でさえずっており,雄のさえずり域の平均の大きさは40.9±4.9haであった.しかし,各雄のさえずり域は互いに大きく重なっていた.特に,まわりに多くの宿主が繁殖しているハリエンジュ林で最も重なりが顕著であった,雄は時折,さえずり域の外に出で繁殖行動をすることもあったが,これらの行動も含めた雄の平均繁殖域の面積は,67.5±8.9haであった.
    調査地には,オオヨシキリ,モズ,オナガ3種類の宿主が生息し,この3宿主に対応して3タイプのカッコウ雌が存在した.今回調査した各雌は,それぞれ1種類の宿主のみに特殊化していた.各雌の繁殖活動が観察された地域(繁殖域)は,それぞれの異なったタイプの雌間及び同じタイプの雌間ともに重なりが見られた.雌の平均繁殖域の大きさは,63.6±8.5haであったが,オナガに托卵する雌の繁殖域はオオヨシキリに托卵する雌のものより有意に大きかった.カッコウは,繁殖地ではめったに採食はしなかった.繁殖地にいない間,多くの個体は近くにある山地に採食のため訪れていた.また,山地から離れた場所で繁殖する一部の個体は,郊外の住宅地を訪れていた.各個体の山地における採食域の大きさの平均は,雄で23.7±5.7ha,雌で27.6±6.8haであった.これに対し,郊外で採食する個体は,327.0haと広い採食域をもっていた.一日あたりの繁殖地を訪れる回数は,繁殖地と採食地間の距離と密接に関係していた.すなわち,距離が遠い場合には,一日に一回繁殖地を訪れたのみであったのに対し、,近い場合にはより多く訪れた.採食地までの距離は,一回あたり滞在する時間とは正の相関が見られたが,一日あたりの合計採食時間とは負の相関が見られた.
    カッコウは,繁殖地と採食地の双方に単独でねぐらをとった.山地のねぐら場所は,ほぼ毎日変化したが,河川敷きや郊外にねぐらをとる場合にはしばしば同じ場所にとられた.繁殖地にねぐらをとることは,雌よりも雄で多く見られた.しかし,繁殖地にねぐらをとる割合は,雌雄ともに季節の進行とともに減少した.繁殖域と採食域を合わせた行動圏の大きさの平均は,雄が3.02±0.28km2,雌が3.26±0.40km2であった.
    この論文では,以下の3点について論じた.(1)カッコウでは,繁殖域と採食域が分離しているのか一般的であり,このことはこの鳥の托卵性と特殊な食性と密接にかかわっている,(2)採食域を訪れるため繁殖域を去ることには,コストが伴なう.そのため,繁殖域と採食域間の距離は,一日あたり繁殖域を訪れる回数,一回あたりの滞在時間の長さ,一日あたりの採食時間の合計に影響をあたえている.(3)カッコウの社会組織は,宿主の巣(資源)と密接に関係しており,その密度と分布に大きく影響される.そのため,カッコウの普遍的な婚姻形態は,雄による資源の分割またはそれらへの接近,それに対する雌による選択に基ずくと考えられる.
    抄録全体を表示
  • 曽良 寛武
    46 巻 (1997 - 1998) 1 号 p. 55
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    A nest was found on a rotten fir on 13 April 1995 at 1170m asl. of Mt. Takamaru, Tokushima Prefecture. Four nestlings were seen in the nest hole on 21 April. One of them was extremely small.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top