日本鳥学会誌
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48 巻 , 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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  • 江口 和洋
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 1-3
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    This issue is the proceeding of a symposium held at the 1998 Annual Meeting of the Ornithological Society of Japan, Kitakyushu City. Biochemical techniques have made remarkable progress and become a powerful tool in ornithology as well as in other fields of life science.An aim of the symposium is to review current situation of biochemical analysis in the fields of ornithology, such as systematics, population genetics, behavioral ecology, population ecology and conservation ecology.
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  • 梶田 学
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 5-45
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    DNAを用いた鳥類の系統解析は近年急速に発達し,現在では多くの研究例が知られている.DNAの中でもmtDNAは近縁な分類群の系統解析に適した性質を多く持つ.ただし,mtDNAのみを解析に使用した場合には,異種間浸透などによって誤った系統を推定する可能性も知られている.DNAを採取するためのサンプルとしては血液,組織,羽毛などが利用可能で,標本からのDNA採取も可能である.分析はDNA抽出,増幅,塩基配列決定の順で行われる.得られた塩基配列データから,系統推定法によって分類群の系統関係が推定される.得られた系統樹についてはその信頼性を統計的処理によって判断することが可能である.日本周辺には,鳥類の系統や進化に関する研究課題が山積されており,これらの課題を解明するには分子系統学的側面からの研究が不可欠である.今のところDNAの塩基配列データのみを利用して種•亜種の境界を決めることは困難であるが,鳥類の分類を再検討する上での非常に重要な情報となる可能性が高い.DNAの塩基配列データを用いた系統解析が,鳥類の進化を明らかにする上で大きな役割を担う手法となることは間違いなく,この分野の国内での早期の発展が望まれる.
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  • 馬場 芳之, 藤巻 裕蔵, 小池 裕子
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 47-60
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    日本産エゾライチョウの遺伝的多様性と系統関係を調べるためにミドコンドリアDNAコントロール領域レフトドメイン428bpの塩基配列を決定した.塩基配列の決定に用いた試料は北海道産126試料,ヨーロッパ-ボヘミア産2試料,ロシア-マガダン産11試料の計139試料であった.塩基配列の比較の結果32ヵ所の塩基置換部位が検出され47個のハプロタイプに分別された.
    エゾライチョウの47のハプロタイプにミヤマライチョウをアウターグループとして加え,近隣接合法による系統樹を作成したところ,種内の差異の検定値が低く,エゾライチョウが全体に連続した大きなクラスターを形成していることが示された.さらに実際の塩基置換部位を介してつなぐネットワーク分析を行ったところ,北海道内のハプロタイプはそのほとんどが1塩基置換で他のハプロタイプとつながっており,ハプロタイプのつながりがよく保存され,最終氷期中から安定した個体群を維持していることが示された.
    系統樹から推測されるエゾライチョウの分岐時期は,約4万年前と推測され,北海道のエゾライチョウは系統樹で示され,系統が地域間で重複して分布していた.北海道内のエゾライチョウの地域間での遺伝的交流を調べるために,北海道を12地域に分画してそのハプロタイプの共有率を計算したところ,日高山脈と阿寒から知床半島にある1,000m以上の山地が続いている地域がエゾライチョウの移動を妨げていることが示唆された.また12地域のうち試料数が10以上の地域のハプロタイプ多様度を計算したところその全てが0.8以上の高い値を示し,遺伝的多様性が高かった.しかし近年人間活動の広がりとともに生息地の分断や減少が続いており,今後個体群の遺伝的な多様性を保持できるような個体群管理が求められる.
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  • 高木 昌興
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 61-81
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    野生鳥獣の生息地の減少や分断化は個体の移動分散を妨げ,近親交配が起きる確率を高くする.小さな個体群では遺伝的浮動が強く働き,配偶相手が近縁である可能性が必然的に高くなる.個体数が激減し,近親交配によって地域的な個体群の絶滅が加速されると危惧される一方で,近親交配の回避が困難と思われる少数個体から個体数が回復した個体群,また近年になって確立した大洋島の個体群が存在する.実際,近親交配が繁殖能力や生存に関係する代謝能力などの形質値の平均を低下させることは実験動物や家畜の研究から古くから指摘されている.野外鳥類でも個体識別した個体群を用いて,長期的に家系が明らかされ,近親交配が検出されてきた.その結果,野外鳥類の近親交配は孵化率を低下させることがわかった.また,DNAを用いた研究では近親交配の指標として利用することができるヘテロ接合度と繁殖や生存に関係する変数との間に負の相関関係が認められている.しかし,近交弱勢を伴わない場合や近親交配によってできた子供が高い生産性を持つ場合があることもわかった.さらに,個体群のおかれている地理的状況や人口統計学的要因によっては,近親交配を回避するよりも近親交配を選択した方が適応的な場合もあり得ることが示唆された.今後は,人為的に個体群を創設するか,定着の歴史が異なる同種個体群を見つけだし,人口統計学的データ,個体,および個体群の両方のレベルで対立遺伝子数やヘテロ接合度などの遺伝的構造に関する変数,さらに繁殖成績に関する変数をモニターすることが必要である.そして,それらの関係を詳細に解析することで,近親交配が個体群の遺伝的構造や生活史形質に与える影響を明らかにできるであろう.
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  • 西海 功
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 83-100
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    近年DNAを使った性判定がいくつか開発され,鳥類における性配分の研究が急速に発展している.鳥類における性配分の研究に関して個体群の一次性比の研究,条件的性比操作の研究,性に偏った給餌の研究の3点に分けて紹介した.個体群性比と性に偏った給餌の研究はまだあまり進んでいないが,最近の性比操作の研究は性比操作がこれまで考えられてきた以上に鳥類に広く見られることを示唆している.性比操作のメカニズムの解明はこれからの課題で,特に性比操作のコストの評価は性配分の量的な予測に不可欠である.また,上記3点の相互関係の研究はあまり進んではいないが,性比を操作する性と割り増しの投資をする性の分離がセキセイインコとオオヨシキリで見られ,このことが個体群の性比に影響を与える可能性を示唆した.
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  • 永田 尚志
    48 巻 (1999 - 2000) 1 号 p. 101-121
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    Human activities resulting from habitat loss and fragmentation have seriously threatened many birds and other fauna to the point of extinction. Almost 20% of bird species were categorized as either endangered or 'nearly threatened' species in 1996 IUCN Red data list.Recent advances in molecular techniques provide us with many tools appropriate to conservation in addition to the field of population biology.Allozyme analysis, DNA sequencing, minisatellite, microsatellite, and random amplified polymorphic DNA (RAPD) procedures enable us to identify parentage, pedigree, founder and bottleneck effects, population structure, effective population size, phylogenetic relationships among populations, as wll as gene flow within and between populations. Polymerase chain reaction (PCR) amplification of small amounts of DNA (nanogram), enable us to analyse genetic profiles without harming endangered birds. They also provide us with sophiscated techniques for analysis of metapopulation structure, hybridization, phylogenetic relationship within and between populations. All information regarding genetic population structure is important for the conservation of endagered bird species. In this review, I highlight the role of molecular techniques for studying bird population structures and for the effective planning of bird conservation strategies. Detailed knowledge of the relationship between genetic variation, environmental factors and fitness are all necessary if bird populations are to be successfully conserved.
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