日本鳥学会誌
検索
OR
閲覧
検索
49 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 藤田 薫
    49 巻 (2000) 3 号 p. 107-111
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1991年から1996年,神奈川県横浜市の二次林で巣箱の利用鳥種を調査し,1994年1~2月と1995年5~6月に,巣箱の設置場所を中心とした半径12m以内の植被度を調査した.その結果,シジュウカラは低木の被度が低い場所に設置した巣箱を選好しており,ヤマガラは低木の被度が高い場所に設置した巣箱を選好していた.以上の結果から,ヤマガラが繁殖するためには低木の茂った環境が必要であり,両種が共に繁殖する林を維持するためには,低木の全面刈りという管理方法は適さないことが示唆された
    抄録全体を表示
  • 高木 昌興, 樋口 広芳
    49 巻 (2000) 3 号 p. 113-117,157
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1991年5月と6月に伊豆諸島の三宅島でイイジマムシクイ Phylloscopus ijimaeの個体数と生息環境の調査を行なった.本研究の目的はイイジマムシクイが繁殖期に選択する環境を明らかにすることである.まず,島内に設定した景観が異なる3地域におけるさえずり個体密度を比較した.樹冠が連続した照葉樹林からなる大路池地区で最も多くのイイジマムシクイが記録された(Mean±SD/km/mapping=28.5±12.0個体).次に多かったのは落葉広葉樹の二次林からなる伊豆岬地区であった(19.9±5.5個体).この地域の森林は農地によって分断されてはいるが,連続した大きな森林も含んでいた.農耕地によって細かく分断された落葉広葉樹の二次林と照葉樹林で構成される姉川地区の個体数は最も少なかった(12.1±3.6個体).景観の違う3地域の比較から,イイジマムシクイは樹冠の連続した樹林で密度が高くなることが示唆された,次に約50m×50mの方形区を単位にして,イイジマムシクイの密度と植生に関する5つの変数,すなわち,低木層の被度,高木層の被度,森林面積,森林分断の度合い,構成樹種の関係をステップワイズ重回帰分析を用いて分析した.その結果,方形区単位の密度は高木層の被度が高く,分断の度合いが低く,照葉樹林で高くなることがわかった.これらの結果から,繁殖期のイイジマムシクイの生息環境には,樹冠がよく茂り連続した林が適しており,照葉樹林ではさらに高密度で生息する事が可能であることが示された.
    抄録全体を表示
  • 早矢仕 有子, 梅原 千鶴子
    49 巻 (2000) 3 号 p. 119-129,158
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    性染色体における雌雄の形態差,およびCHD遺伝子を利用した性判定によって,シマフクロウ Ketupa blakistoni 137個体(91巣)の巣立ち時性比を調べた(1985~99年).その結果,北海道個体群において,雄への有意な偏りが検出された(雄81個体,雌56個体,二項検定P=0.04).しかし,一腹雛数(1または2)ごとの性比には統計的に有意な偏りは検出されなかった(両側二項検定:一腹雛数=1:P=0.17;一腹雛数=2:P=0.10).また,巣立ち時性比が一腹雛数に応じて異なる,という仮説は支持されなかった(ロジスティック尤度比検定:X2=0.280,P=0.597).さらに,各繁殖つがい間および地域間で巣立ち雛性比を比較したが,有意な違いは認められなかった.
    巣立ち後,分散開始前までの死亡率は,雄が雌より高い傾向にあり,巣立ち時の雄に偏った性比は,分散開始までの期間に緩和されている可能性が示唆された.
    巣立ち時に性比の偏りが生じている原因として,まず性的二型が考えられた.すなわち,シマフクロウにおいては,雌の体サイズが雄より大きい性的二型を示すため,雄への巣立ち時性比の偏りはFisher理論からの予測を支持していた.しかし,巣立ち時の雌雄の体重差から得られた性比の期待値は,観測された性比を下回っており,両者の間には有意差が認められた(P=0.04,両側二項検定).したがって,巣立ち時の性比の偏りは,量的にはFisher理論のみでは説明ができなかった.そこで,巣立ち時の性比の偏りに影響を与える他の要因として,局所的資源競争•個体群サイズが小さいことに起因する人口学的確率性が考えられた.前者は,シマフクロウにおいて,雌が雄よりも出生地にとどまる傾向が強いという観察結果によって支持され,娘と親の間に局所的資源競争が生じ,親が子の性比を雄に偏らせている可能性も示唆された.さらに,北海道におけるシマフクロウ個体群が絶滅の危機に瀕していることから後者の要因が予測された.
    シマフクロウの巣立ち雛における性比には,これら,あるいはさらに複数の要因が複合的に影響を与えていることが推測されるが,現段階で主要因を特定することはできなかった.しかし,性比の偏りは,種の保全にとって重大な関心事であるため,個体群への今後の注意深いモニタリングが引き続き必要であると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 新妻 靖章, 高橋 晃周, 時田 昇臣, 羽山 伸一
    49 巻 (2000) 3 号 p. 131-137,159
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    コシジロウミツバメ(Oceanodroma leucorhoa)を用いて,翼長,最大尾長,最小尾長,フショ長,嘴高,嘴長の外部計測値と体重から,栄養状態の推定する指標を作成した.6個所の外部計測値から主成分分析によって抽出された第一主成分得点を計算することによって,全体の体サイズを表す指標とした.第一主成分得点を独立変数,体重の3乗根を従属変数とし,単回帰分析を行い,回帰直線から残差を栄養状態の指標とした.本研究では,この指標を余剰栄養指標(residual body condition index)と呼ぶ,コシジロウミツバメを用いて,余剰栄養指標の有効性を実測された脂肪蓄積量と比較することで検討した,コシジロウミツバメを全身麻酔下で殺した後,死体からエチルエーテルによって蓄積脂肪を抽出した.余剰栄養指標は,脂肪量の3乗根の57.4%を説明することが可能であった.したがった,体重と外部形態の測定を行うだけで,野外で繁殖するコシジロウミツバメについて,鳥を犠牲にすることなくまた容易に,栄養状態を推定することが可能となった.
    抄録全体を表示
  • Aleem Ahmed KHAN, 山口 恭弘
    49 巻 (2000) 3 号 p. 139-144
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1999年5月20日,奄美大島住用村神屋地区にてオオトラツグミの巣を一巣発見したので報告する.行動に関してはデジタルビデオを用いて5月21,23-26日の5日間,計1,348分の観察を行った.巣は住用ダムの東方約100mの渓谷林にあり,胸高直径0,63mのスダジイの枝に11.5mの高さに作られていた.巣はカップ状のほぼ円形で外径200mm,内径127mm,産座の深さ51•61mm,巣の厚さは58-75mmであった.巣の表面は大部分がコケで覆われており,小枝や小根が混じっていた.土台は小枝,泥,石で作られていた.観察調査中,オスは巣でメスに給餌しており,その間隔は平均61.27分であった.観察できた給餌物の95.45%はミミズであり,オスは一日に13-14匹のミミズを給餌していると推定された.メスの巣への滞在は総観察時間の82.27%であり,その間は常に抱卵していた,一方,オスの滞在は総観察時間の12,88%で,抱卵することはなかった.メスが巣にいない間,オスは巣の近くで警戒行動が見られた.オスメスともに巣にいなかったのは総観察時間の4.86%であった.
    抄録全体を表示
  • 中村 雅彦, 西海 功
    49 巻 (2000) 3 号 p. 145-150
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    イワヒバリは,夏季は高山帯でグループ繁殖し,冬季は低山に移動して群れで越冬する漂鳥である.本種の雌雄は繁殖期には総排泄腔突起の形態で容易に判定できるが,非繁殖期は突起を形成しないため正確な性判定は困難であった.本研究は,CHD遺伝子を用いた分子性判定法により越冬個体の性を判定し,越冬群の性比を明らかにすることを目的とした.調査は6ヵ所の越冬地(栃木県上都賀郡足尾町,山梨県南都留郡河口湖町御坂峠,山梨県塩山市一之瀬,長野県上伊那郡中川村小渋,長野県上伊那郡長谷村戸草,長野県駒ケ根市大久保)における8越冬群(経年調査による計18群)を対象に行なった.CHD遺伝子を用いた性判定法により,1996年から2000年までに捕獲した71個体の性を判定できた(35雄,36雌),越冬群の群れサイズは2羽から12羽までの変異があった.各群れの性比は,雄だけの群れ(性比を雄の個体数/総個体数とすると1.00,2群),雄に偏る群れ(0,99-0,66,2群),ほぼ1対1の群れ(0.65-0.35,6群),雌に偏る群れ(0.34-0.01,5群)から雌だけの群れ(0.00,3群)と各越冬群ごとに大きく異なった.
    抄録全体を表示
  • 松岡 茂
    49 巻 (2000) 3 号 p. 151-155
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    キツツキ類の営巣木の特徴を明らかにするために,木を切り倒したりほとんど傷つけることなく,樹幹内部の硬さの変異を測定する方法を開発した.今同開発した方法の特徴は,生長錐(木材試料採取具)をねじ込むトルクを指標として,木材組織を変形させる力を測定する点にある.また,生長錐をねじ込む前に,ドリルで小径の穴をあけることで,生長錐のビットの外側だけで木材を変形させるようにした.木材の硬さと関係が強い密度を基準にして,生長錐のどの部分が木材を変形させるみかけの基点となるかを調べ,生長錐の最大径部分より1cm先端よりにみかけの測定点があることを明らかにした.ただし,生長錐最大径部分もねじ込みトルク発生に関係している可能性があるため,測定は最大径部分までねじ込んだところから開始した.したがって,トルクの測定データは,表面より1cm以上深いところから得られた.生長錐をねじ込むときのトルクと木材の密度の間には強い関係が認められ,測定したトルクによって木材の密度(つまり硬さ)の推定が可能なことを明らかにした.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top