日本鳥学会誌
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57 巻 , 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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原著論文
  • 渡辺 朝一, 渡辺 央, 山本 明, 清水 幸男
    原稿種別: 原著論文
    57 巻 (2008) 2 号 p. 97-107
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    1997年11月から1998年2月にかけ,日本国内の12の池沼でガン・ハクチョウ類の食物内容を調査した.オオヒシクイ,オオハクチョウ,コハクチョウは,複数の池沼で水草を採食しているところが多く記録された.この三種類とも,マコモの地下茎が池沼における食物内容の50%以上を占めていた.ヨシやヒメガマ,沈水植物に対する採食行動はごくわずかであり,これらの種のガン・ハクチョウ類に対する食物資源としての重要性は低いものと思われた.オオヒシクイ,オオハクチョウは頻繁に池沼で採食する種であり,マガンはあまり池沼で採食しないものと考えられた.コハクチョウも複数の池沼で採食が記録されたが,越冬個体数の多い越後平野での記録が比較的少なく,多くの個体群は池沼であまり採食しないようであった.マコモの地下茎に対する採食方法では,オオハクチョウでは水面での採食が,コハクチョウでは地上での採食が多く記録され,マコモの生育条件により利用者が異なる可能性が示された.
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  • 堀江 玲子, 遠藤 孝一, 山浦 悠一, 尾崎 研一
    原稿種別: 原著論文
    57 巻 (2008) 2 号 p. 108-121
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    栃木県において,ラジオテレメトリー法を用いてオオタカAccipiter gentilisの雄成鳥の繁殖期(6月,8月)と非繁殖期(10月,12月)における行動圏内の環境選択を調べた.各個体の95%固定カーネル法による行動圏内からランダムに選んだ1,000地点をランダム点とし,ランダム点と観察点を応答変数とするロジスティック回帰分析により環境選択を解析した.ロジスティック回帰分析の説明変数に,ランダム点と観察点から巣までの距離を含めた結果,雄成鳥は,非繁殖期には巣の近くをよく利用する傾向があったが,繁殖期にはこの傾向はなかった.繁殖期,非繁殖期ともに雄成鳥は森林を強く選択する一方,市街地を強く忌避していた.しかし,市街地の近くを忌避する傾向はなかった.繁殖期には水田よりも畑地・草地を選択していたが,非繁殖期には逆に水田を選択する個体が多かった.森林を利用する場合には,繁殖期には林縁部(林縁から50 m以内)を選択したが,非繁殖期には林縁選択性が低下し,森林内部をより多く利用した.以上の結果より,森林と農耕地が混在する地域でオオタカの採食環境を保全する場合には,行動圏内の森林と隣接する畑地・草地等の開放地を維持・管理し,それらの地域内に市街地が大幅に増えないようにすることが重要だと考えられる.また,繁殖期には巣の近くを選択的に利用する傾向はなかったが,営巣域周辺は一定の範囲を保全すべきであろう.
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  • 嶋田 哲郎, 溝田 智俊
    原稿種別: 原著論文
    57 巻 (2008) 2 号 p. 122-132
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    宮城県北部地域の低地は,日本列島で越冬するマガンの80%以上がみられ,東アジア地域で越冬するガン類の主要な越冬地となっている.ここでは1971年の狩猟禁止以降,個体数の指数関数的な増加がみられ,また,近年米価の低迷に誘起された大豆の作付面積が増加している.伊豆沼・内沼周辺地域において1997/98,1998/99年と現在の餌資源利用の時間空間的な分布の違いを比較することで,個体数および大豆作付面積の増加がマガンの採食行動にどのように影響したのかを明らかにした.餌資源量をみると,落ち籾現存量は9月下旬以降の収穫直後には平均65 kg/ha(N=6,範囲52~78)であった.落ち籾は沼に近い水田から減少が始まり,順次遠距離にある地点 (10~12 km) の水田でも12月上旬までにほぼなくなった.減少率は95%であった.落ち大豆現存量は平均355 kg/ha (N=9,範囲120~940) で,収穫後11月中旬,1月中旬にかけて増加し,現存量計測後2~23日,平均して10日以内に採食された.2007/08年では,11月にはほとんどの群れが水田を利用したが,12月以降,落ち籾が減少するか,あるいは地域的に枯渇する時期になると大豆圃場群に集中した.一方,1997/98,1998/99年の採食分布をみると,マガンは水田のみを利用し,11月にはマガンは沼周辺の水田で採食し,季節の進行とともに採食範囲を拡大し,1月には遠距離の水田で採食した.10年前は現在と比較して大規模な大豆圃場はなく,加えて個体数が少なかったため,籾資源量の減少に対応して沼の近くから遠くへと採食する水田を移動することで越冬に必要なエネルギーを確保できた.しかし現在,マガンは個体数増加にともなう落ち籾の消費速度の増加と大豆圃場の増加に対応して越冬期前半は落ち籾,次いで後半は落ち大豆へと餌資源を転換していると考えられる.
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  • 越智 大介, 綿貫 豊
    原稿種別: 原著論文
    57 巻 (2008) 2 号 p. 133-139
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    海鳥類は,一般に採食域に個体変異が存在し,それに応じて採餌トリップ長にも個体変異がある.採食域の個体変異が繁殖成績に与える影響を検証するために,ウミウPhalacrocorax filamentosus親個体について異なる採食域に分布する二つの餌タイプ間(表層魚,中・底層魚)で持ち帰った餌量を比較し,帰巣パターンを記載した.その結果,ウミウが持ち帰る餌量には餌タイプ間で差が見られなかった.また,採餌トリップ長には有意な個体変異が見られ,短いトリップを繰り返す個体は長いトリップを繰り返す個体に比べ給餌頻度が多く,結果として高いヒナ巣立ち率を達成できることが明らかとなった.
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  • 伊藤 元裕, 綿貫 豊
    原稿種別: 原著論文
    57 巻 (2008) 2 号 p. 140-147
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    秋季の北太平洋の北海道東部海域は様々な種の海鳥の重要な採餌海域である.この海域の大陸棚,大陸棚斜面および深海域において海鳥の分布を明らかにするために,2003年9月27~29日の3日間,北海道大学水産科学院練習船おしょろ丸によって目視観測を行った.襟裳岬西方は津軽暖流域 (>19℃) であり,東方は親潮域 (<14℃) であった.海鳥の採餌個体数密度は,一次生産が高く餌が豊富であると予測される親潮海域の大陸棚域(フロント域を含む)及び大陸棚斜面域で高かった.これらの海域の中でも,潜水採食種(ウトウ,Puffinus spp.)はフロント域や大陸棚で密度が高く,表面採食種(オオミズナギドリ,コアホウドリ)は大陸棚斜面域で密度が高かった.
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短報
  • 田中 遊山, 本田 聡, 磯田 豊, 伊藤 元裕, 綿貫 豊
    原稿種別: 短報
    57 巻 (2008) 2 号 p. 148-153
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    ウトウの海上での分布に影響する海洋環境要因を明らかにするために,本種の繁殖期にあたる2005年5月下旬から6月上旬にかけて,北海道西岸沖日本海において目視観測を行った餌生物の密度指数,表面水温,水深,海底斜度といった海洋環境要因は,0.3~10 kmいずれの空間スケールにおいてもウトウの密度指数に影響しなかった.ウトウ密度指数は,天売島および礼文島付近の海域,石狩海盆および武蔵堆とその付近の海域で予想よりも高く,これらの場所では,統計的には有意ではなかったが,海表面の流れが弱い傾向があった.
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観察記録
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