日本鳥学会誌
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58 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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原著論文
  • 三上 修
    原稿種別: 原著論文
    58 巻 (2009) 2 号 p. 161-170
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    スズメPasser montanusの数が減っているのではないか,という声を,近年,各所で耳にする.そこで本研究では,スズメの個体数に関する記述および数値データを集め,スズメの個体数が本当に減少しているかどうか,減っているとしたらどれくらい減っているのかを議論した.その結果,現在のスズメの個体数は1990年ごろの個体数の20%から50%程度に減少したと推定された.1960年代と比べると減少の度合いはさらに大きく,現在の個体数は当時の1/10程度になった可能性がある.今後,個体数をモニタリングするとともに,個体数を適切に管理するような方策をとる必要があるだろう.
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  • 坪井 潤一, 福田 道雄, 加藤 七枝, 斉藤 成人, 石田 朗, 須藤 明子
    原稿種別: 原著論文
    58 巻 (2009) 2 号 p. 171-178
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,広域的に移動するカワウPhalacrocorax carboにおいて,山梨県で発見された標識個体の記録から,沿岸域を中心とする大規模コロニーから内陸部への移入および飛来の傾向を調査した.2003年から2008年までの間に,銃器による捕獲で8個体,釣り針による捕獲で2個体,観察により3個体,計13個体の標識されたカワウが発見された.発見された水系別にみると,駿河湾に注ぐ富士川水系では,5個体全てが愛知県以西で標識された個体であった.一方,上流域が山梨県東部にあり相模湾,東京湾へと注ぐ相模川および多摩川では,8個体の標識されたカワウは,全て関東地方沿岸域で標識された個体であった.富士川と相模川,多摩川とで,カワウの標識された地域には明瞭な差異がみられ,富士川水系へは中部,近畿地方から,相模川,多摩川水系へは,関東地方から移入または飛来することが示唆された.本研究のように,カワウへの標識の装着が実施されていないエリアでも,既存の捕獲個体データからの標識個体情報の抽出や,観察による標識個体の発見は十分に可能であると考えられる.各地域での発見記録が集約されれば,広域的な移動経路が解明されるであろう.
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  • 山口 恭弘, 斎藤 昌幸
    原稿種別: 原著論文
    58 巻 (2009) 2 号 p. 179-186
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    ヒヨドリHypsipetes amaurotisの営巣密度を推定するために,茨城県南部において南北36 km,東西18 kmの地域を調査範囲とし,ヒヨドリのさえずり場所を調査した.なお,ヒヨドリは明確にさえずりと区別できる音声を持たないが,繁殖期の早朝,梢など見晴らしのよいところで,大きく高い音声を長く出しており,そのような音声をこの論文中ではさえずりとし,その地点をさえずり地点とした.調査範囲内に設定した32の1 km四方の調査グリッドにおいて,540のさえずり地点を確認した.ポアソン回帰分析を用いてヒヨドリの生息密度に及ぼす環境要因を調べると「森林」,「畑地・草地」,「市街地」が選択され,「水田」は選択されなかった.構築されたモデルよりヒヨドリのさえずり個体数は,調査範囲で12,317個体,密度は19個体/km2と推定された.ヒヨドリは一夫一妻で主にオスのみがさえずることから,これらを2倍した繁殖個体数は24,634個体,密度は38個体/km2と推定された.土地利用割合に基づくクラスター分析により調査範囲を5つに類型化すると,ヒヨドリの推定営巣密度が最も高くなったのは,(1) 森林が優占するクラスターのグリッド(65.4個体/km2)であった.以下ヒヨドリの推定生息密度が低くなる順に,(2) 市街地が優占するグリッド,(3) 畑地・草地が優占するグリッド,(4) 水田が優占するグリッド,(5) 水域が優占するグリッドとなった.対象地内の市街地や畑地・草地にも樹木が見られることから,ヒヨドリの営巣場所選択においては,樹林地の面積割合と樹木の存在が重要であることが示唆された.
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短報
  • 平田 令子, 畑 邦彦, 曽根 晃一
    原稿種別: 短報
    58 巻 (2009) 2 号 p. 187-191
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    針葉樹人工林への広葉樹や草本植物の侵入に種子散布者として関わる鳥類を明らかにするために,スギ人工林内とその周辺で鳥類を捕獲し糞を採取した.秋~冬季には5種9個体の糞から無傷の種子が出現し,ルリビタキErithacus cyanurusの糞からイズセンリョウMaesa japonicaとフユイチゴRubus buergeriの種子,シロハラTurudus pallidusからヒサカキEurya japonicaとムラサキシキブCallicarpa japonica, ハダカホオズキTubocapsicum anomalum,ソウシチョウLeiothrix luteaからヒサカキ,ウグイスCettia diphoneからフユイチゴ,メジロZosterops japonicusからツルウメモドキCelastrus orbiculatusの種子が出現した.春~夏季にはカケスGarrulus glandariusからナガバモミジイチゴRubus palmatus var. palmatusの種子が出現した.これらのことから,これら6種は針葉樹人工林において種子散布者としての役割を持つと考えられた.
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  • 水谷 友一, 富田 直樹, 風間 健太郎, 高橋 弘樹, 長谷川 理, 新妻 靖章
    原稿種別: 短報
    58 巻 (2009) 2 号 p. 192-195
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    近年,個体の老化や寿命との関係を示唆されているテロメアを用い, 長寿の鳥ウミネコLarus crassirostrisのテロメア齢推定の可能性を調べるために,雛時すなわち初期のテロメア長と成鳥におけるテロメア長を調査した.捕獲した成鳥(青森県蕪島個体)より採血しDNA抽出しテロメアを検出,計測した.同様に捕獲した雛(北海道利尻島個体)も行った.全年齢での回帰分析の結果,減少傾向にあることが分かった.しかし,雛においても成鳥においてもテロメア長の個体差が大きく,齢推定は困難であることが示唆された.
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  • 佐藤 真衣, 井上 裕紀子, 石垣 麻美子, 山脇 諒子, 中川 靖大, 新妻 靖章
    原稿種別: 短報
    58 巻 (2009) 2 号 p. 196-200
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    カワウPhalacrocorax carboの漁業被害が問題視される一方で,科学的に根拠のある漁業被害評価はほとんど行われていない.本研究では,愛知県知多半島鵜の山の雛の吐き戻しサンプルと,矢作川有害鳥獣捕獲個体の胃内容物をそれぞれ同定し,カワウの食性が地域によって異なるか調べた.さらに,アユPlecoglossus altivelis altivelisの漁業被害が報告され有害鳥獣捕獲が行われている矢作川のカワウの胃内容物組成から,アユの食害について検討した.カワウの食性は地域によって異なり,沿岸に近い鵜の山では,カワウは沿岸・汽水域の魚類を捕食し,河川に近い矢作川では,カワウは河川性の魚類を捕食していた.また,アユは矢作川で有害鳥獣捕獲されたカワウの胃内容物の重要度ランクは6番目で,湿重量は5.18%だった.以上から,漁業被害を検討するときカワウの食性調査は地域的に検討する必要があることが示唆された.
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  • 嶋田 哲郎, 溝田 智俊
    原稿種別: 短報
    58 巻 (2009) 2 号 p. 201-205
    公開日: 2009/11/01
    ジャーナル フリー
    2008年4~5月に河川敷で牧草を採食するマガンAnser albifronsを材料に,採食にともなう牧草の現存量,窒素含量の変化,および土壌窒素の動態を解析した.健全区におけるネズミホソムギLolium hybridumの地上部現存量は平均4,500 kg/haと採食区に比較して高かった.一方で,窒素含量では,採食区が健全区の2.5 倍の高さ(3.5%),根圏土壌に含まれる無機態窒素含量は採食区が健全区の8~11倍の高さ(183~240 mg-N/kg)を示した.糞由来の有機態窒素のアンモニア化が進行し,多量のアンモニア態窒素が土壌中に遊離し,それを植物体が吸収利用したものと考えられる.一方,マガン渡去後では,窒素含量は低下したものの現存量は急速に回復した.
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観察記録
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