日本鳥学会誌
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59 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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原著論文
  • 濱尾 章二, 宮下 友美, 萩原 信介, 森 貴久
    原稿種別: 原著論文
    59 巻 (2010) 2 号 p. 139-147
    公開日: 2010/11/08
    ジャーナル フリー
    東京都心の隔離された緑地である国立科学博物館附属自然教育園において,冬季に捕獲した鳥の糞に含まれる種子を分析した.また,種子を排泄した鳥種の口角幅と採食されていた果実の直径を計測し,比較した.8種の鳥の糞から9種の植物種子が見出された.特に,ヒヨドリHypsipetes amaurotis,ツグミTurdus naumanni,メジロZosterops japonicusが93%の種子を排泄していた.これら3種は生息個体数も多かったことから,重要な種子散布者になっていると考えられた.種子は1種を除き,調査地内に見られる植物のものであったことから,調査地内外での種子の移動は少ないものと考えられた.鳥は口角幅より小さな果実を採食している場合もあれば,大きな果実を採食している場合もあった.ルリビタキ Tarsiger cyanurus,メジロ,アオジEmberiza spodocephalaでは,口角幅の最大値よりも果実直径の最小値の方が大きなイイギリIdesia polycarpaを採食していた.口角幅を超える大きさの果実を採食していたのは,結実期を過ぎていたことや都市緑地であることから,果実の選択が制約を受けていたためである可能性がある.
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  • 布野 隆之, 関島 恒夫, 阿部 學
    原稿種別: 原著論文
    59 巻 (2010) 2 号 p. 148-160
    公開日: 2010/11/08
    ジャーナル フリー
    イヌワシAquila chrysaetosの生息環境は,一般的に,ステップあるいは森林限界を越えた山岳地帯などの樹木の少ない環境とされるが,その亜種ニホンイヌワシAquila chrysaetos japonicaは,例外的に,ブナFagus crenataに代表される落葉広葉樹林帯に分布している.落葉広葉樹の展葉および落葉による森林空間構造の変化は,ニホンイヌワシの餌選択に大きく影響する可能性があり,それは本亜種の繁殖成功にも影響を与える可能性がある.そこで,本研究では展葉の完了前後におけるニホンイヌワシの給餌様式を明らかにし,それがヒナの成長に与える影響を検討するために,イヌワシ営巣地の対岸にカメラを設置し,給餌動物の種構成,搬入頻度,搬入量を評価した.その結果,ニホンイヌワシの主要な給餌動物はノウサギLepus brachyurusとヘビ類であり,両種を合わせて,全給餌動物の98.3%を占めていた.ノウサギおよびヘビ類の搬入頻度は落葉広葉樹の展葉前後で逆転し,展葉の完了を境に,ヘビ類の値がノウサギを上回った.給餌動物の総搬入量は,ノウサギからヘビ類に切り替わることで減少する傾向があった.観察したつがいの中で,給餌動物の切り替わりが育雛期間中に生じたヒナの全長は,餌の切り替わりが生じなかったヒナに比べ小さかった.以上の結果より,ニホンイヌワシは展葉の進行に伴ってヘビ類に特化した餌利用に切り替わるが,総給餌量が減少することにより,それがヒナの成長に影響を及ぼしたことが示唆された.
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  • 岡 奈理子
    原稿種別: 原著論文
    59 巻 (2010) 2 号 p. 161-167
    公開日: 2010/11/08
    ジャーナル フリー
    表層採食ガモのマガモAnas platyrhynchosは,湖沼や河川,湿地などの好適な生息地のほとんどが氷雪で覆われる寒冷な地域においても越冬する.彼らは厳冬期にオホーツク沿岸の藻琴湖の水深1 mの汽水河川で繰り返し潜水し,二枚貝を8割の高い成功率で採食していた.潜水時間は平均6秒・回−1で最長12秒,飲み込み時間は平均10秒・回−1,最長21秒であった.潜水と飲み込みに要した採食時間は平均16秒,最長31秒であった.彼らは小型な貝を採ることで採食速度を早められたが,実際には嘴幅サイズ(20 mm)もしくはやや大きめなサイズを多く採食し,その結果,採食速度を大幅に落としていた.秋に優占し,小型サイズの貝を好む潜水ガモの捕食圧フィルターを経て,厳冬期には大きめのサイズの相対資源量が多かったためと判断された.マガモが1日のエネルギー要求量を,藻琴湖汽水域のベントス資源のなかから貝の採食だけで満たすならば,性状が異なる貝の種類によって,1日あたり体重の1.1倍~3.5倍の採食量が必要であった.厳冬期のマガモは,採食方法を本来の水面採食から潜水に変化させることで,氷雪で覆われる北方で,汽水域の豊富なベントス資源を利用し,越冬を可能にしていたと考えられた.
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短報
  • 鈴木 弘之, 味岡 祐希, 高橋 清, 黒沢 高秀
    原稿種別: 短報
    59 巻 (2010) 2 号 p. 168-173
    公開日: 2010/11/08
    ジャーナル フリー
    ほぼ毎年サンコウチョウの営巣が確認されている福島市小鳥の森において,2006年および2007年に繁殖行動および営巣環境について調査を行った.多くのサンコウチョウは6月初旬に造巣を始め,繁殖成功した3巣ではヒナが7月下旬前に巣立った.なわばり(平均;4.25 ha)は既存の報告(平均;2.1 ha)よりも広く,立地は大部分が一つの谷の中にあった.雄の抱卵時間と雌の抱卵時間はほぼ同じであった.雌の給餌頻度はヒナの成長に伴って増加した.営巣木はホオノキの生木が最も多かった.営巣木周辺の立木密度の平均は0.17 m2と低かったが,樹冠被度は比較的高く,すべて75%以上であった.層別では低木層の被度が低い傾向が見られ,巣の下に広い空間が見られた.繁殖に失敗した6巣中1巣の原因はカラスによる卵の捕食で,3巣でも親鳥が訪巣しなくなった日にカラスが巣や巣の上方で観察された.
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  • 鈴木 弘之
    原稿種別: 短報
    59 巻 (2010) 2 号 p. 174-180
    公開日: 2010/11/08
    ジャーナル フリー
    河川における冬期の水鳥種の分布と自然要素および人為攪乱がどのような関連があるかについて分析した.重回帰分析により,調査対象とした17種のうち14種と,4つに分類したいくつかの説明変数との間で有意な正の相関が見られた.それぞれの種の分布のうち,イカルチドリCharadrius placidusとコサギEgretta garzettaは瀬に正の,カルガモAnas poecilorhynchaは淵に正の相関がみられた.カワアイサMergus merganserやカワウPhalacrocorax carbo,マガモAn. platyrhynchosは各支流との合流区域に多く,オオハクチョウCygnus cygnus,コハクチョウCy. columbianus,オナガガモAn. acuta,ヒドリガモAn. penelope,ホシハジロAythya ferina,キンクロハジロAy. fuligulaの分布は給餌区域に有意に偏っていた.アオサギArdea cinerea,ダイサギE. alba は人・車の侵入がない場所に多く,種毎に有意な傾向がみられた.また,コガモAn. creccaは全域に分布していた.種によって人間による攪乱がないことや少ないことが分布の重要な要素になっている種と,人間による「給餌」という人為攪乱に有意な集中が見られる種もあり,人間活動が分布の大きな要因となっている.冬期の河川において多様な水鳥類の生息のために,土地被覆として植生の推移帯などの景観要素を残すこと,人や車による攪乱が生じないようにすることが重要であると考えられる.
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観察記録
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