日本鳥学会誌
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61 巻 , 1 号
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巻頭言
特集:日本におけるカワウの保全管理:生態学的研究と他地域に応用するためのケーススタディ
序文
原著論文
  • 井上 裕紀子, 藤井 英紀, 黒木 博文, 土屋 健児, 新妻 靖章, 綿貫 豊
    61 巻 (2012) 1 号 p. 6-16
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    カワウPhalacrocorax carboは北海道から九州まで様々な環境(沿岸と内陸)で繁殖し,多様な魚種を採食する.産卵開始時期と一腹卵数に影響する要因を調べるため,中部地域の4~6カ所のカワウコロニーで,繁殖生態を2~3年間調べた.平均産卵日はコロニーや年によって2ヶ月の差があった.内陸のコロニーでは,1週間のうちに全体の20%以上の個体が繁殖を始めることはほとんどなく,同調度が低い一方で,沿岸のコロニーのほとんどが,1~2週間のうちに全体の20%以上の個体が繁殖を始めており,40%以上の個体が繁殖を始めることもあるなど,同調する傾向が認められた.産卵開始時期は気象に影響されなかった.また,一腹卵数は,年,地域に影響を受けなかった.各コロニーにおける産卵開始時期とその同調度合いは,コロニー周辺の餌環境に影響を受けている可能性がある.
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  • 日野 輝明, 石田 朗
    61 巻 (2012) 1 号 p. 17-28
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    愛知・岐阜県内の4コロニー(鵜の山,愛知県森林公園,弥富野鳥園,船附鳥獣保護区)で捕獲した8個体のカワウにGPSアルゴスシステムの送受信機を装着して追跡を行った.コロニーやねぐらから採食地(昼間の活動場所)の距離は,どの個体においても,平均で2-11kmであることが分かった.その結果を反映して,沿岸のコロニー・ねぐらを利用する個体は海上と河口を,内陸のコロニー・ねぐらを利用する個体は河川を主要な餌場として利用していた.ほとんどの個体がねぐらの変更を行い,そのねぐら間の距離は,ほとんどの場合で20km以上,最長で50kmであった.また,アユの放流時期に合わせてねぐらを移動させる個体がいること,非繁殖期に数カ所のねぐらの移動を行ったあとに繁殖期にはもとのコロニーに戻ってくること,繁殖中にもコロニー以外の場所にねぐらをとる個体がいることなどが明らかになった.
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  • 山本 麻希, 桑山 大実, 鈴木 誠治, 高橋 晃周, 加藤 明子
    61 巻 (2012) 1 号 p. 29-37
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    近年,カワウの個体数が急増し,捕食による内水面漁業被害が深刻化している.カワウによる食害を減じる手段として,河川にカワウを着水させないよう様々な忌避刺激が使われている.既存の忌避刺激の中で,どのような刺激が高い忌避効果を持つかを調べるため,心拍数をストレスの指標として,カワウに効果的な忌避刺激の評価を行った.忌避刺激を与えない時のカワウの安静時の1分間の心拍数は77 bpmであった.花火による刺激を与えた後には,257-310 bpmという高い心拍数が見られたが,連続して複数回刺激を与えると心拍数の上昇幅は低下し,カワウが刺激に対して馴化することが示唆された.250-10,000 Hzまでの周波数の純音を聞かせても,心拍数は安静時に比べ有意に上昇しなかったが,猛禽類の声やラジオ(262-264 bpm),ヒトに類似した視覚的刺激を与えた際(260-328 bpm)には有意な心拍数の上昇が見られた.本研究の結果から,一般的にカワウの対策に用いられている刺激は,カワウに一定の心理的ストレスを与えるが,同じ刺激を連続的に与えると刺激への馴化が生じることが示唆された.そのため,刺激の忌避効果が持続している間に刺激を交換する,忌避刺激と連動して恐怖の条件付けを行い刺激効果の持続時間を伸ばすなどの工夫が必要だと考えられた.
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  • 坪井 潤一, 芦澤 晃彦
    61 巻 (2012) 1 号 p. 38-45
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    魚類への食害など人間との軋轢が顕在化しているカワウPhalacrocorax carboの個体数管理を目的とし,新規コロニー除去と繁殖抑制を行った.2006年から2011年にかけて関東地域のねぐらおよび繁殖コロニーの箇所数は有意に増加したが,山梨県では,新規コロニーの早期発見と除去により,ねぐらおよび繁殖コロニーの箇所数を1箇所に抑えることができた.下曽根コロニー(山梨県甲府市)では,2006年から2011年まで,ほとんど全ての巣で繁殖抑制を行った結果,個体数が減少に転じ2011年現在も,個体数,営巣数ともにピーク時の2005年よりも低い水準を保っていた.2006年から2011年にかけて関東地域のカワウ個体数に大きな変動はみられなかったため,繁殖抑制は個体数を低位安定させる対策であると結論づけられた.他地域からの移入がみられたが,新規コロニー除去と繁殖抑制による巣立ち雛の加入の抑制で,個体数を最大で3割程度(2005~2007年)減少させることができた.
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総説
  • 齋藤 武馬, 西海 功, 茂田 良光, 上田 恵介
    61 巻 (2012) 1 号 p. 46-59
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    メボソムシクイPhylloscopus borealis (Blasius) は,旧北区北部と新北区最北西部のスカンジナビアからアラスカまで,南端は日本まで繁殖する渡り鳥である.僅かな形態形質の違いから,これまで7の亜種が記載されてきたが,その分類には統一した見解がなく,分類学的混乱がみられる.この問題を解決するため,著者らはこれまでに繁殖分布域の全域において,分子系統学,形態学,音声学的手法を用いた解析を行い,メボソムシクイの地域個体群間の差異を明らかにしてきた.さらに,著者らは利用可能な学名の正しい適用を決めるため,渡り中継地及び越冬地から採集されたタイプ標本のミトコンドリアDNAを解読した.その結果,ミトコンドリアDNAの配列,外部形態,音声の変異の一致から,従来認識されてきたメボソムシクイには3つの独立種を含むことを明らかにした.それは,Arctic Warbler Phylloscopus borealis(ユーラシア北部~アラスカ西部),Kamchatka Leaf Warbler P. examinandus(カムチャツカ・千島列島・サハリン・北海道知床半島),Japanese Leaf Warbler P. xanthodryas(本州・四国・九州)である.さらに,これらの種について種和名を提唱し,Arctic Warblerをコムシクイ,Kamchatka Leaf Warblerをオオムシクイ,Japanese Leaf Warblerをメボソムシクイとすることを提案した.
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  • 田中 啓太
    61 巻 (2012) 1 号 p. 60-76
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    自身で子育てをしない托卵鳥は宿主に適応度上の損失を課すため,宿主においては寄生者を検知し排除する識別能が自然選択において有利になる.その結果,宿主と区別のつかない寄生者の個体が有利となり,擬態が進化するが,そのことは宿主においてさらに高い識別能を選択することになる.このような共進化のプロセスは軍拡競争と形容され,古くから進化生物学の主題となってきた.中でもカッコウCuculus canorusを中心とする托卵鳥の卵擬態は研究が非常に進んでおり,宿主となる鳥がどのような環境で,どのような卵の特徴を手がかりに托卵を識別しており,寄生卵を排除する上でいかにその認知能力を駆使しているかが解明されている.一方,精巧な擬態が進化している卵に比べ,托卵鳥の雛が宿主の雛に似ていることは稀である.これは,宿主が雛の容姿を学習するプロセスにおいて強い制約が存在し,学習が阻害されているためであると考えられている.そのため長らく宿主による寄生雛の識別は不可能と考えられてきた.しかし,近年,宿主による寄生雛の排除や寄生雛による宿主雛への擬態の存在が発見された.これは従来のパラダイムでは説明できない現象である.本稿では,従来の研究や理論をまとめた上で,上述の托卵研究が経験したパラダイムシフトや,近年開発され,托卵研究にも適用されつつある新たな解析技法を紹介し,とくに熱帯性カッコウ類とその宿主の特性に焦点をあて,今後の托卵研究の発展的な方向性を示す.
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原著論文
  • 刘 利, 鎌田 直樹, 杉田 昭栄
    61 巻 (2012) 1 号 p. 77-83
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    本研究においては光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡を用いて,ハシブトガラスCorvus macrorhynchos舌の表面微細構造を観察した.本種の舌は舌尖,舌体,舌根の3つの部位から構成され,舌先の先端は左右に2分されており,左右共に上下二層構造を持っていた.舌体は扁平状で円形の舌隆起を有し,その尾側縁には円錐乳頭が連なっており,外側にはより大型の乳頭が見られた.さらに,粘膜下層には2種類の結合織芯が存在し,その境界は明瞭であった.舌根の表面および舌体の側面には大型の唾液腺の開口部が観察され,それらの周辺には味孔が分布していた.このように,ハシブトガラスの舌の形態・構造には動物食性鳥類のものと類似した点が多く,わずかに植物食性の鳥類の特徴も合せ持つことが明かとなった.また,形態に基づいた機能的類型に照らし,本種の舌は採集型と嚥下型の両方の特徴を合わせ持つと考えられた.
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  • 鎌田 直樹, 遠藤 沙綾香, 杉田 昭栄
    61 巻 (2012) 1 号 p. 84-90
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    ハシブトガラスCorvus macrorhynchosとハシボソガラスC. coroneの最大咬合力と最大咬合圧について圧力測定フィルムを用いて測定し,体重や顎筋質量との関係を調べた.ハシブトガラスの顎筋質量,最大咬合力および最大咬合圧はハシボソガラスのそれに比べ有意に大きく,これらの値が体重に正の相関をすることが明らかになった.また,閉口筋質量1単位あたりの最大咬合力はハシブトガラスよりもハシボソガラスの方が大きいことがわかった.
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  • 岡久 雄二, 森本 元, 高木 憲太郎
    61 巻 (2012) 1 号 p. 91-99
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    スズメ目鳥類の採餌行動に対する性差と植生の影響を調べるために,山梨県富士山原始林の落葉広葉樹林と常緑針葉樹林においてキビタキFicedula narcissinaを対象に,採餌高と採餌方法を調査した.採餌高の性差は植生間で傾向が異なり,広葉樹林では雄は雌より高い場所で採餌を行ったが,針葉樹林では雌が雄より高い場所で採餌を行った.雄の採餌高はソングポストの高さに影響されており,雌の採餌高は巣の高さと植生に影響されていた.これらより,キビタキの雌雄の採餌高に性差が見られるのは,雌雄がそれぞれ異なる繁殖分担によって採餌高を制限されているが,雄のなわばり防衛と雌の抱卵・抱雛という繁殖分担は,それぞれの性に対する制約の強さが違う可能性が示唆された.また,2009年には両方の植生で,雌はホバリングを多く行った.ホバリングは5月下旬から6月にかけての抱卵・育雛期に多く観察された.キビタキは,雌のみが造巣や抱卵を行なうため,雌は巣の周囲で採餌を行う制約を負い,短い時間で餌を探索し採餌する必要が生じる.これは雌が狭い範囲で採餌をすることができるホバリングによる採餌を多用する可能性を示唆する.一方,2010年には採餌方法の性差が認められなかった.このため,採餌方法の性差には植生でなく気候や餌量の年変化が大きく影響すると考えられた.
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  • 金子 尚樹, 中田 誠, 千葉 晃, 伊藤 泰夫
    61 巻 (2012) 1 号 p. 100-111
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    新潟市の海岸林において,秋季2シーズンにわたる標識調査で捕獲された鳥類の糞分析により,鳥類の果実利用を評価した.メジロは糞から得られた種子数,種子含有率とも最も高く,12種の比較的小型の果実を利用していた.ウグイスの糞の種子含有率は低かったが,捕獲個体数が多く,林内の下層に生育する9種の植物を利用していた.鳥類が利用していた果実は口角幅よりも有意に小さいか,または口角幅と統計的な有意差が認められない場合が多かった.果実サイズが口角幅より有意に大きい場合でも,両者の測定値の範囲には重複があった.ヒヨドリと大型ツグミ類の口角幅は,本研究で種子を得られたすべての植物の果実サイズよりも有意に大きく,海岸林内に多数生育し,比較的大型の果実を着けるタブノキ,シロダモ,モチノキなどの常緑広葉樹の果実を利用していた.しかし,口角幅の大きな鳥種が大きな果実を選好して利用する傾向は見られなかった.本調査地では,秋季には鳥種ごとの生息・採食場所において,十分な種数と量の果実資源が存在していると推測された.糞から種子が得られた植物のほとんどは,海岸林内で果実が見られるものだった.とくに,エノキのように調査地付近に多数生育し,比較的小型の果実を着ける植物が多くの鳥類により利用されていた.しかし,今後,周辺の住宅地の庭木などから新しい植物種が侵入する可能性も示唆された.
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  • 三上 かつら, 高木 憲太郎, 神山 和夫, 守屋 年史, 植田 睦之
    61 巻 (2012) 1 号 p. 112-123
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    本研究では,渡り性の水鳥類の全国的な渡来地について,規模の大きな渡来地や希少種の渡来地が保護区域に指定されているか,日本に渡来するガンカモ類やシギ・チドリ類の生息に各渡来地がどのように寄与しているのかを解析し,重要な渡来地でありながら保護区域に指定されていない場所の抽出を行なった.河川湖沼の鳥の調査サイト84カ所のうち,35.7%が特別地域,22.6%が普通地域,41.7%が未指定であった.干潟の鳥の調査サイト152カ所のうち,10.0%が特別地域,24.7%が普通地域,66.7%が未指定地域であった.個体数,ラムサール基準値(一部フライウェイ基準値)を超えた種数に着目すると,河川湖沼の鳥が多数訪れるサイトは比較的保護されているが,干潟の鳥が多数訪れる場所については保護指定が遅れている状況が示された.また全ての渡来地を希少種の渡来数に対する寄与率で順位づけしたところ,希少種が多数渡来するサイトは限定的であり,全体的に渡来数数の多いサイトが少数あり,渡来数の少ないサイトが残り多数を占めるという傾向がみられた.したがって,ガンカモ類,シギ・チドリ類といった渡り性の水鳥が集団で生息する特性も考慮すると,保護区による保護が効果的であるといえる.今回検出された寄与率の高かったサイト(大授搦,曽根干潟,泡瀬干潟,宇佐海岸,大阪北港南地区,白川河口など)は優先的に保護区域に指定される必要があるだろう.
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短報
  • 山口 恭弘, 吉田 保志子, 斎藤 昌幸, 佐伯 緑
    61 巻 (2012) 1 号 p. 124-129
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    ヒマワリは近年,バイオマスエネルギーを得るための油糧作物として注目されており,今後栽培面積の増加が予想される.しかし,栽培において大きな問題となるのが鳥害であると考えられる.つくば市の中央農業総合研究センターのヒマワリ圃場4ヶ所,計100aにおいて,キジバトStreptopelia orientalis,カワラヒワCarduelis sinica,スズメPasser montanusがヒマワリを採食しているのを確認した.27回の調査で延べ飛来個体数はそれぞれ,70羽,5,277羽,318羽,調査日あたりの出現頻度はそれぞれ,44.4%,100%,37.0%で,延べ飛来個体数,出現頻度ともカワラヒワが最も多く,最大300羽の群れで採食していた.ヒマワリの食害は花弁がまだ残っている時期から収穫時まで続き,食害を調査した2つの圃場(50aと30a)において,食害されたヒマワリの割合はそれぞれ30.8%と72.1%となり,播種日が早かった圃場で食害が大きかった.ヒマワリを栽培する際には鳥害対策を行わないと収量の大幅な低下につながる可能性が示唆された.
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  • 平野 敏明
    61 巻 (2012) 1 号 p. 130-136
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    渡良瀬遊水地および近隣地域の2か所の隣接する塒で,冬期のトラフズクの食性を明らかにするために,2004年から2010年の冬期間のペレット分析を行った.渡良瀬遊水地では7年間に合計142個のペレットから236個体の餌動物を,猿島郡の調査地では3年間に108個のペレットから154個体の餌動物が得られた.どちらの調査地もネズミ類が主要な餌動物であったが,ペレットの割合は,渡良瀬遊水地では猿島郡より鳥類の割合が有意に多く,年によってその割合は著しく変動した.渡良瀬遊水地では冬期に多くの鳥類が就塒するために,両調査地における餌動物に含まれる鳥類と哺乳類の割合の違いは,採餌環境の違いによるものと考えられた.
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  • 倉沢 康大, 板橋 豊, 山本 麻希, 綿貫 豊
    61 巻 (2012) 1 号 p. 137-141
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    繁殖地を離れて1週間にもおよぶロングトリップ中にミズナギドリ類は餌の大部分を消化・吸収し,吸収しづらいトリアシルグリセロール(TAG)やワックスエステルを胃油として胃に蓄積する.胃油のもととなる餌生物を特定するため,胃油中のTAGの脂肪酸組成を新潟県粟島で育雛中のオオミズナギドリにおいて分析し,潜在的な餌の脂肪酸組成と比較した.胃油の脂肪酸組成は,カタクチイワシあるいはサンマに似ていたが,他の外洋性の生物を食べた可能性も完全には否定できない.この2種だけを食べたと仮定すると,その比率はオイルベースでカタクチイワシが77%,サンマが24%と推定された.
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  • 平井 克亥, 柳川 久
    61 巻 (2012) 1 号 p. 142-147
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    北海道十勝平野の農耕地景観に営巣するハイタカAccipiter nisusの営巣木および営巣林分の特徴を調べた.調査は2007年~2010年の間に確認した31の営巣木および営巣林分(営巣木を中心とした0.1 haプロット)と営巣に利用されなかった37の林分(非営巣林分)を比較した.その結果,ハイタカが営巣木および営巣林分の樹種にもっとも多く利用したのはカラマツLarix kaempferiであった.しかし,営巣林分と非営巣林分との比較では,常緑針葉樹への選好性が示された.営巣した林分と非営巣林分の植生構造の比較の結果,ハイタカの林分は胸高直径および樹高ともにより小さく,低い下枝高,胸高断面積および立木密度は高い値を示し,ハイタカは構造的に林内空間の閉じた若齢林を選択していた.この常緑樹の若齢林へ選好性は,同所的に生息する捕食者のオオタカA. gentilisによる捕食リスクを低減するための選択の可能性,または採餌環境として適しているためかもしれない.
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観察記録
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