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29 巻, 4 号
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  • 真鍋 昇, 佐藤 英明, 石橋 武彦
    1981 年 29 巻 4 号 p. 109-120
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    ヤマドリの骨格筋(外腹斜筋,内腹斜筋,僧帽筋,広背筋,浅胸筋,深胸筋,上腕三頭筋,長橈側 手根伸筋,縫工筋,半腱様筋,半膜様筋,大腿直筋,腓腹筋外側頭,腓腹筋内側頭,ヒラメ筋)における筋線維型構成,筋線維の太さ,ミオシン ATPase 活性の pH 安定性について検討した.得られた結果は次の通りである.
    (1)ヤマドリの骨格筋線維は,SDH,phosphoryase,ミオシン ATPase 活性により FG 型,FOG 型,SO 型の3種類のメインタイプに,さらに βHBD,aldolase,αGPD などの活性により,合計9種のサブタイプに分類することができた.
    (2)各筋における各筋線維型の構成比率をみると,大部分の筋では FG 型が高率であるが,僧帽筋,半膜様筋,ヒラメ筋では FOG 型や SO 型筋線維が相対的に高率に分布していた.
    (3)筋線維の太さは筋線維型によって異なり,腓腹筋とヒラメ筋を除いて FG 型筋線維が最も太く,ついで FOG 型であり,SO 型が最も細い傾向にあった.
    (4)ミオシン ATPase 活性の pH 安定性と筋線維型の相関を調べた結果,活性の安定域の変異はFOG型やSO型では非常に小さいが,FG 型でやや大きくなる傾向があった.また,FG型のミオシン ATPase の安定域は,酸領域で狭く,アルカリ領域で広かったが,SO 型では反対に酸領域で広く,アルカリ領域で狭かった.さらに FOG 型では両者の中間的な特微を示す傾向がみられた.
  • 樋口 広芳, 平野 敏明
    1981 年 29 巻 4 号 p. 121-128
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    栃木県におけるハクセキレイの繁殖記録の収集と繁殖環境についての調査を行った.前者は,筆者らのもっている資料に,文献調査および聞きこみ調査の結果を加えて行った.後者は,異なる環境4か所でのセンサス結果などに基づいて調査した.得られた主な結果は,以下のとおりである.
    (1) 栃木県におけるハクセキレイの繁殖記録は,鹿沼市の1965年の1例を除けば,すべて1976年以降に得られている.宇都宮市では,1979年以降繁殖の観察記録がふえている.
    (2) ハクセキレイの繁殖環境は,砂礫地のない河川,水路のある工業団地,市街地などであった.これらの環境には,近縁のセグロセキレイは低密度でしか生息していなかった.
    (3) セグロセキレイの多い砂礫地の発達した河川には,ハクセキレイは繁殖していなかった.この環境には,秋冬期には2種とも生息しているので,繁殖期にはハクセキレイは,そこでセグロセキレイによる干渉をより強く受けていることが予想される.
    (4) ハクセキレイの繁殖時期は,セグロセキレイのそれより1-2か月も遅かった.この繁殖時期の遅れは,ハクセキレイがセグロセキレイのいる地域に入りこんで繁殖するのに,役立っていると思われる.
  • 森岡 弘之, 坂根 隆治
    1981 年 29 巻 4 号 p. 129-146
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    ネパールの鳥類の研究は第2次大戦後急速に進み,とくにカトマンズ盆地の周辺,クーンブ地方,ならびにインドとの国境沿いのテライの鳥相は,現在までにかなりよく調査されている.しかし,ネパールのごく東北部の山地,ムスタン高原,ならびに西北部の高地の鳥類については,まだほとんど報告がない.筆者らは,1979年11月22日-26日と同年12月5日-26日の期間,Dhankuta 地区のアルン川以北にあるシェドワ(Sheduwa)およびナバゴン(Navagaon)の地に滞在し,同地の鳥類について調査することができたので,その結果を報告した.筆者らの調査は,もとより冬期の比較的短期間の調査であり,不満足な点が少なくないが,今回の調査地はすでに探検の行なわれたクーンブ地方(DIESSELHORST,1968),Okhaldhunga 地区(RAND & FLEMING,1957),およびタプレジュン以南の東部ネパール(RIPLEY,1950)の諸地域とシッキムとの間に位置し,東部ネパールにおける鳥類研究上の空白地の一部を埋めることができた.
  • 呉地 正行, 平泉 秀樹
    1981 年 29 巻 4 号 p. 147-148
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    宮城県北部に位置する伊豆沼湖沼群で1979年10月21日に,1羽のシジュウカラガン Branta canadensis をマガン群中に発見した.この鳥は,形態的特徴がその1亜種ヒメシジュウカラガン B.c.minima と一致し,分布資料なども検討した結果,同亜種であることに間違いないと推定した.この個体は翌年3月2日まで同地に滞在した.この亜種の記録は本邦では2度目のものである.
  • 井上 元則
    1981 年 29 巻 4 号 p. 148-149
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    An individual of the Red-throated Thrush Turdus ruficollis ruficollis was seen and color photographed at the bait staion of the author's garden, Moto Nopporo, Ebetsu, Hokkaido, on April 12-15, 1980. Although the Black-throated Thrush T. r. atrogularis was recorded several times from Japan (Ishigaki, 1920; Sapporo, 1979, 1980), my observation is the first report of the present subspecies for our country.
  • 柳澤 紀夫, 佐藤 悦子
    1981 年 29 巻 4 号 p. 149-151
    発行日: 1981/03/30
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    The Grey Thruth Turdus cardis is a common species breeding in the forests on hillsides and mountains.However, its breeding in the urban areas of central Kanto Plain has not been reported previously.We have found this species nesting at Kamifujisawa, Iruma City, Saitama Pref., in June 1980. The locality is only 111 m above sea level.
    It is likely that the Grey Thrush is expanding its range from the mountain areas into the plains, as a result of the recent recovery of favorable environment in urban areas.
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