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30 巻, 1 号
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  • 高橋 守, 伊藤 正道
    1981 年 30 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    尾瀬の秋期の鳥相を,1974年から1980年にかけて延24日間にわたり,ライントランセクト法により調査し,植生環境別鳥類群集,カラ類グループの環境選択について分析した.得られた結果は次のとおりである.
    (1)記録された鳥類は76種であった.
    (2)秋期の森林における主要構成種はヒガラ,コガラ,エナガ,ウグイス,ツグミ,メボソムシクイの6種とみなされた.なかでもヒガラ,コガラ,エナガの個体数はたいへん多かった.
    (3)各種林相ともカラ類が優占度の上位を占め,その合計は記録されたすべての鳥類個体数の31.2%であった.
    (4)調査地域全体で留鳥は48種(優占度70.0%),それ以外の種は28種(優占度30.0%)であった.
    (5)コガラとエナガは落葉広葉樹林を,ヒガラは常緑針葉樹林を選択していた.
  • 宗近 功, 渡辺 誠喜
    1981 年 30 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    ツル科鳥類の卵白の特性を明らかにするために,電気泳動的ならびに血清学的関係について分析した.供試したツル類の卵白は,タンチョウ(Grus japonensis),マナヅル(G.vipio),およびクロヅル(G.grus)である.分析法は,ポリアクリルアミドゲルによるスラブ電気泳動法,ならびに各卵白を家兎に免疫して得られた抗血清を用いた沈降反応重層法および免疫電気泳動法である.その結果は次のように要約される.
    (1)ツル類卵白質はポリアクリルアミドゲルによるスラブ電気泳動法により7つの泳動域に分離された.
    (2)このうち,タンチョウの ovomucoid,conalbumin および x-protein は他2種より易動度が大であり,またマナヅルの卵白の conalbumin は他2種のものより易動度が大であった.しかし,これらの差異は種内における変異の可能性もある.
    (3)卵白に対する抗血清を作製し,沈降反応重層法により検討した結果,クロヅルの卵白の抗血清の抗体価は128倍,またこれに対する抗原価は92,000倍であり,他2種の抗血清間も同程度の反応を示し,これらの間の差異は認められなかった.
    (4)各抗血清を用いた免疫電気泳動法により検討したところ,各抗血清間および3種卵白間に差異は認められなかった.また,各抗血清の吸収試験の結果も,3種のツル卵白内に抗原性の差異は認められなかった.
  • 平野 敏明
    1981 年 30 巻 1 号 p. 23-36
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    栃木県宇都宮市の鬼怒川の河原で,1978年10月から1981年3月まで,セグロセキレイの社会行動,テリトリー,つがいの相手について調査を行った.個体識別には,色脚環を用いた.得られた結果は次のとおりである.
    (1)セグロセキレイのテリトリー行動は,追いはらい,儀式的争い,とっ組合いの3つに大別された.つがい内の行動としては,雌のなだめの行動,雄の嘴あけ行動がみられた.
    (2)セグロセキレイの多くは,秋冬期にもつがいで明確なテリトリーを持っていた.10月から1月の間は,テリトリーの位置,つがいの相手に大きな変化はなかった.
    (3)2月にテリトリーの位置,つがいの相手に変化がみられた.11例中9例でつがいの相手を交換した.一般に,どの年も繁殖期になるとつがい数が減少した.2月上旬から3月上旬は,セグロセキレイのつがい形成時期だった.
    (4)冬期,一時的に流れが干上り,川底が現われた所には,10-20羽のセグロセキレイが採食のために集まった.このような所では,テリトリー行動はみられなかった.これらの中には,他の地域でテリトリーを持っている個体も加わっていた.また,テリトリーを持たず,このような環境を渡り歩いている個体もいることがわかった.
  • 金子 与止男
    1981 年 30 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1977年1月から12月まで,1年間を通して新潟県の低山帯で鳥類のセンサスを行い,全部で70種の鳥類を記録した.種数はとくに4月と11月が多く,一方個体数は春と夏に多かった.多様度は, 春に高く夏に低かったが,種数や個体数とは異なり,冬にも高い値を示した.各月の最優占種は,1-2月がシジュウカラ,3月がアトリ,4-11月がホオジロ,12月がカシラダカであった.各月間の鳥類群集の類似性を調べた結果,時期的に近い月の群集どうしが似ていることがわかった.また,連続する2つの月の群集間の類似性は春と秋に低く,その時期に鳥類群集の組成が大きく変化していることが推察された.
  • 渡辺 央
    1981 年 30 巻 1 号 p. 45-46
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    An adult male of Red-footed Falcon Falco vespertinus was observed and photographed on a 8mm cine film at Nagaoka, Niigata Prefecture, on 27 May 1979. During my observation the bird was perching on an electric wire and appeared to be on the lookout of his preys. I once saw it caught a frog in the paddy fields nearby. It was a rainy day and the bird stayed in the same place from 16:00 to 17:30 hrs, but I did not see it again next day. This was the first record of the species for Japan. The details of my observation were as follows: upper-parts, chin, throat and breast all dark slate-grey; lower belly, thighs and under tail-coverts rufous; cere bright yellow; legs red; under wing-coverts silver-grey.
  • 工藤 勝四郎
    1981 年 30 巻 1 号 p. 47
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    An individual of the Black-capped Kingfisher Halcyor pileata was observed and photographed at Tokizawa, Iwate Pref., on 12 June 1981. The bird was flying around trees surrounding a small pond and found there all day long, but it disappeared next day. The weather condition of the day was fine and no wind.
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