日本評価研究
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3 巻 , 2 号
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  • Joseph S. Wholey
    2003 年 3 巻 2 号 p. 6-22
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    Evaluators can and should help policymakers and managers to overcome the challenges in use ofperformance information to improve policy decisionmaking and program performance. Results-orientedmanagement is likely to increase the demand for and supply of evaluation studies.
  • 津富 宏
    2003 年 3 巻 2 号 p. 23-39
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    系統的レビューは、「リサーチクエッションの確定→文献の探索→文献のスクリーニング→文献のコーディング→統計分析→定型的な報告」という、一定の科学的手続きに従うレビューである。医学分野においては、この系統的レビューに基づく「エビデンス」を生み出し、伝え、絶えず更新しようという国際ネットワークである、コクラン共同計画が発展した。コクラン共同計画の成功に学び、社会政策決定への情報提供を行うことを目指して、キャンベル共同計画が設立された。キャンベル共同計画の生み出したエビデンスはデータベース化されて、電子媒体によって配布され、政策決定、サービス供給の両面にわたって、利用されることが期待される。キャンベル共同計画は、その時点における最善の「What works」を提供する社会インフラとして、Experimenting Societyを支えることになろう。
  • 三好 皓一, 森田 智, 藍澤 淑雄
    2003 年 3 巻 2 号 p. 40-56
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、「プログラム・セオリー評価」の視点に基づき、わが国の国際協力評価と政策評価についてプログラム・セオリーに焦点を当て考察を試みる。わが国の国際協力評価及び政策評価は実務経験を踏まえ実践的な手法として発展してきた経緯があり、プログラム・セオリーを必ずしも明確に提示しえていない。その結果として評価の有効性はそがれることになる。こうした状況を考慮すれば、国際協力評価及び政策評価の効果をあげていくために、より明確な、より適切なプログラム・セオリーの構築方法に注力することは重要かつ不可欠な課題である。
  • 長尾 眞文
    2003 年 3 巻 2 号 p. 57-69
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    事業評価の理論的関心は手法の選択に係わるもので、「定量的」対「定性的」手法のパラダイム論争がその中核を占めてきた。そこでの中心的課題は評価結果の科学性、客観性、一般化可能性であったが、評価の有用性の視点から両者の実践的な統合を提起したのがMichael Q.Pattonの実用重視評価理論である。この理論は、評価の有用性を結果の活用で測るものとし、評価者の基本的な役割として結果の活用に強い関心を持つ利害関係者の特定化と、評価プロセスへの参加を通じる当事者意識の向上を掲げる。本論文では、はじめに実用重視評価誕生の背景となる論争について概説した後で、実用重視評価の基本的な考え方の紹介、その実践の例示および問題点の指摘をする。最後に実用重視評価の日本における活用に関する課題に触れる。
  • 源 由理子
    2003 年 3 巻 2 号 p. 70-86
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    Fettermanによるエンパワメント評価は、評価の概念と技術を使い「自己決定能力」を身につけるプロセスを提供し、変革を支援するものである。それは受益者を含む当事者グループが、自らが継続的に評価を行うことを通して、エンパワメントしていくプロセスである。そこでは、評価専門家は査定者ではなく、ファシリテーター、評価手法のトレーナー、人々の代弁者などの役割を担う。エンパワメント評価は変革とエンパワメントのアジェンダがある事業に適していると考えられ、開発援助の社会開発プロジェクトや国内のNPOによる公益事業に適用可能である。従来型の評価と併用することにより、社会の多元的な視点を取り入れた評価が可能になり、地縁、血縁を越えた自発的なコミュニティの発展を考えるひとつの契機となり得る。今後は我が国においても事例を積み重ねることにより、理論、方法論の更なる検証が必要になるであろう。
  • 田中 弥生, 伊永 大輔
    2003 年 3 巻 2 号 p. 87-107
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿は、P.F.ドラッカーの提唱する成果重視の自己評価手法のフレームワークと特徴を紹介するものである。ドラッカーの発想には、時々刻々と変化する環境へ対応することによって組織のイノベーションが可能になるという思想が根底にある。そのため、本評価手法は、マネジメントの改善のみならず、組織の使命やガバナンスの見直しを促すことを主目的としている。すなわち、自己評価手法はイノベーションとマネジメント改善のための手段として明確に位置付けられているのである。これらの特徴を浮き彫りにするために、成果重視を特徴とした評価手法として代表的なResult Based Management (RBM) と評価手法の比較検討を行う。RBMはPerformance Measurementによる業績情報の利用を取り入れた評価枠組みであり、事業効果の仮説と検証に基づく評価と捉えることができる。しかし、ドラッカーの評価手法は仮説の検証に執着せず、環境変化を察し仮説そのものを改変することを促している。この点はRBMのみならず従来型の評価と異なる特徴であり、そのため既存の評価領域を拡大する可能性を示唆しているといえる。
  • 龍 慶昭, 佐々木 亮
    2003 年 3 巻 2 号 p. 108-125
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    日本における政策評価の導入と定着の過程の中で、アメリカでは実績評価 (業績測定) と一対のものとして用いられることが多い「戦略計画」(Strategic Planning) の導入はあまり省みられて来なかった。そのことが逆に、日本において政策評価がスムーズに導入され定着することにつながったと言える一方で、一連の行政改革が目指した理念や目的を達成することに大きな貢献をして来なかったことにつながったと言えるだろう。今後行われる政策評価法の見直し作業においては、事業評価、実績評価、総合評価の3つの手法の横並びを見直し、戦略計画の策定と実績評価のセットでの実施を全省庁で全省的に導入することを求める一方、戦略計画の策定を通じて特定された個別施策の事前の検討と事後の検証のために、事業評価と総合評価が道具として補足的に用いられるという仕組みに変更することが検討されるべきであろう。
  • 森田 智, 高松 香奈, 三好 皓一
    2003 年 3 巻 2 号 p. 126-143
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿は、日本の公益事業の中でもJICAプロジェクトを事例に、国民が行政活動に参画する手段としての「市民参加型」二次評価の新たな枠組みを提示した。本手法の手順は、1) インターネット等を利用した主に評価報告書からなる一次資料収集、2) 情報公開法等に基づいた二次資料収集、3) PTMの策定、4) DAC評価5項目による二次評価の実施からなる。
    本手法では、国内にいたまま既存資料を用いた低コストでの事業評価実施が可能となり、また評価者が自由な立場や視点から主体的に評価を実施することを可能にする。さらに、二次評価結果の公表により当該事業の評価内容が深められる。
    こうした二次評価の概念は「評価」の歴史においても新しく、評価のもつ可能性が広がるという点でその意義は大きい。さらに、NPO等が公益事業を対象とした二次評価を積極的に行うことで、行政の政策形成における市民の発言力の拡大、および行政事業の透明性の向上と効率化が期待される。
  • Takako Yuki
    2003 年 3 巻 2 号 p. 144-158
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    This paper quantitatively analyzes the incidence of public education spending on the poor in developing countries by using the results of standard benefit-incidence studies and additional national data. Although there is considerable variation across studies, it is found that public education spending generally does not favor the poor, but it does favor them at a lower level of education. The poorest quintile (20% of the population), on average, receives 16.3% of total public education spending while the richest quintile receives 25.9%. In primary education, the poorest quintile receives 22.4% of public spending but only 5.5% in higher education. The cross-country analysis of variations in the incidence of public education spending implies that increased spending on education will be associated with increased share for the poor given that it is not devoted to spending on higher education.
  • Craig Russon
    2003 年 3 巻 2 号 p. 159-168
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    In his treatise on strategy entitled, A Book of Five Rings, famed samurai, Miyamoto Musashi, puts forward a nine-step method for learning Kendo or “the Way of the sword.” Musashi's words also speak to those of us who practice the evaluation profession. The same nine-step method can be applied for learning “the Way of evaluation.”
  • 小野 達也
    2003 年 3 巻 2 号 p. 169-178
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    時系列の社会指標を互いに直接比較するためには、何らかの方法により個々の指標を共通の尺度に変換することが必要となる。近年の業績測定・プログラム評価においては社会指標が多く用いられており、時系列の評価指標の推移を解釈しまた比較することは重要な意味を持つ。
    旧経済企画庁の社会指標の系譜に連なるものであり、「構造改革の成果を評価する」という踏み込んだ目標を掲げて試算された内閣府の「暮らしの改革指数」における変換の方法の問題点を明らかにした上で、業績測定・政策評価においても活用できる変換の方法を提案する。
  • 西出 順郎
    2003 年 3 巻 2 号 p. 179-187
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、行政評価の現状を基に行政評価における新しい評価者モデルを構築し、その養成の必要性を問うことにある。地方自治体において、行政評価は行政改革の切り札として導入された。行政改革には三つのステージとして、制度改革、マネジメント改革、行動規範改革がある。後者二つの改革において、行政評価はその力を発揮する。しかしながら、現実には著しい成果は上がっていない。マネジメント改革と行動規範改革、そのいずれのステージにおいても障壁は立ちはだかっている。その克服のためには、行政評価を牽引し、組織力を向上させる評価者、すなわちエンパワメント型の行政評価者モデルを構築し、そして、そのような新型評価者養成の必要性を地方自治体間に浸透させなければならない。エンパワメント型行政評価者は、(狭義の) エバリュエーターだけでなく、メンター、ファシリテーター、そしてプロデューサーとしての役割を駆使し、マネジメント改革、行動規範改革を実現させる。すなわち、行政評価はエンパワメント型行政評価者によって再生されるのである。今、エンパワメント型行政評価者モデルの構築とその養成は、喫緊の課題である。
  • 陸路 正昭
    2003 年 3 巻 2 号 p. 188-201
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    治水の時代、利水の時代を経て水環境の時代になった (高橋1988) といわれており、健全な水循環のあり方を考えることが急務である。経済的な観点だけでなく、環境に配慮した行政のあり方が模索されている。また、地方自治体の行政においては、地方分権や行政改革の流れと共に、住民とのパートナーシップも求められている。
    岐阜県では、水循環健全化大綱を作成するとともに、アンケートを実施して、住民の水循環に対する意識を確認しようとしている。水循環への施策を行政が一方的に決めるのでなく、住民の意向を十分に反映し、さらにその評価を受けていこうとする試みである。
    この研究では、このアンケート結果を活用して、設問同士の関係や自由記述の分析を通じて、水循環への住民意識を掘り下げていく中で、問題解決の展開を組み立てながら、施策の評価について考察していく。
  • 浜野 敏子
    2003 年 3 巻 2 号 p. 202-216
    発行日: 2003/09/29
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    ジェンダー統計は、ジェンダー視点に立った政策策定、計画立案の基礎として欠かせないものである。
    インドネシアでは、ジェンダー統計の不整備がジェンダー視点に立った政策策定の促進を妨げていることが認識された。そこで、国際協力事業団 (JICA) はインドネシア政府に対するジェンダー統計システム整備の協力 (以下ジェンダー統計プロジェクト) を2000年2月から2002年3月に実施した。
    ジェンダー統計プロジェクトの上位目標は、ジェンダー統計が政策策定や計画立案に活用されることであり、直接の目標は、1) ジェンダー統計利用者と生産者の連携促進2) 利用者の能力向上3) 生産者の能力向上4) ジェンダー統計の入手可能性の改善とした。実際の協力は、ニーズアセスメント、ジェンダー統計研修、ジェンダー統計集の生産・出版、ジェンダー統計集の普及、ジェンダー統計集のレビュウを通じて行われた。
    本稿では、まず直接目標にそってその成果と実施プロセスを確認し、さらに提示された統計の政策策定への活用可能性を検討した。そして、このプロジェクトがジェンダー統計を活用した政策策定の促進に貢献したかどうかについての評価を行った。その結果、プラスの外部要因の上に政策策定に必要なジェンダー統計生産の具体的体制あるいはモデルを形成したことが認められた。
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