日本評価研究
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6 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 竹内 憲司
    2006 年 6 巻 2 号 p. 3-10
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    環境の経済評価とは、環境の改善や悪化に対する人々の支払い意志額や受け取り意志額を、実際の行動データや仮想的なアンケートへの回答データを用いて、推計することを指す。本報告では、環境の経済評価に関する研究トピックと政策利用の現状を紹介し、今後の展望を示す。
  • 中越 信和, 渡邉 園子
    2006 年 6 巻 2 号 p. 11-17
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    現在、環境の評価は多くの科学的資料をもとに行われている。物理学的方法、化学的方法、生物学的方法と様々である。さらに、これらを組み合わせた評価も行われている。ここでは、最初に閣議アセスを概観し、その問題点を特に生物に関して議論した。次いで、現行アセスメント法 (法アセス) における特徴を無生物と生物等に分けて分析した。生態学的評価は比較的新しい評価法であるが、法的に整備されたのは環境アセスメント法の中での生態系評価である。本論では、この生態系評価の概略を示し、諸案件にも適用して、生態学での評価の一案として示す。
  • 渡辺 泰介
    2006 年 6 巻 2 号 p. 19-30
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    環境アセスメントは、開発事業の実施前に、事業のもたらす環境社会面の影響の調査・予測・評価・(必要な場合に) 評価に基づく見直しを行う、という点で、事業の事前評価の性格を持っている。開発途上国における環境アセスメントの問題を考察することにより、事業評価と環境社会配慮の関わりを考える。我が国の政府開発援助における環境社会配慮を、JICA環境社会配慮ガイドラインの基本方針、手続を中心に概観するとともに、他の援助機関における環境社会配慮を紹介する。また、開発途上国における環境アセスメントの問題点に関して、環境アセスメントの法的根拠、戦略的環境アセスメント、環境アセスメント手続、代替案、社会影響、公衆参加などを取り上げて分析する。さらに、今後の課題として、問題点に対する取組みと途上国の環境アセスメント実施能力向上を論じる。
  • 特に農林業開発事業事例にみる実務的課題と提言
    長谷川 弘
    2006 年 6 巻 2 号 p. 31-42
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    現在、持続可能な発展や経済的効率性の観点から、開発援助案件における環境配慮や客観的なプロジェクト評価が強く求められている。2004年度に実施した国際協力機構客員研究「開発途上国における農林業プロジェクトの環境経済評価手法と事例」での成果を中心に、開発プロジェクト評価システムでのより定量的な環境価値の内部化の必要性を踏まえ、従来の環境影響評価 (環境アセスメント) と経済評価を統合する「環境経済評価」の導入について考察する。対象とした事例の分析から、多様な環境経済評価手法が活用されている反面、援助国側、被援助国側それぞれの社会的あるいは評価制度上の阻害要因が存在することが確認された。今後の現実的・効率的導入に向け、分野間の協力体制、情報・データ収集、開発調査での位置付け、評価テクニック等について、取り組むべき課題や実務上の重要事項を提案する。
  • 都市大気汚染対策を事例として
    村上 一真, 松岡 俊二
    2006 年 6 巻 2 号 p. 43-58
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究は、行政、企業、市民の環境管理能力により表される社会的環境管理能力の構造を実証的に示し、その社会的環境管理能力と大気質改善の因果関係を検証することで、大気質改善に係る社会的環境管理能力の構造を明らかにした。これにより、潜在的な社会的環境管理能力および各アクターの環境管理能力の水準を、観測可能なデータから推定できる能力評価フレームを提示した。具体的には、大阪市、北九州市の1971~2000年における大気汚染対策を事例に、検証的因子分析モデル、およびその分析結果を踏まえた構造方程式モデルにより、社会的環境管理能力を、3アクター (行政、企業、市民) と3能力要素 (知識・情報・技術の提供能力、環境対策資源の運用能力、政策・対策の遂行能力) で表すことができた。そして、社会的環境管理能力および各アクターの環境管理能力の大気質改善への貢献度を示した。さらに、多母集団同時分析により、社会的環境管理能力の構造の詳細、環境管理能力の大気質改善への貢献度は都市ごとに異なることを明らかにした。
  • 横山 麻季子
    2006 年 6 巻 2 号 p. 59-71
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    行政評価を実施する地方自治体が増加するなか、評価を導入あるいは試行することが行政サービスの向上に影響を与える要因となるのか否かについての実証的な研究は、まだ不足している段階である。よって本稿では、行政評価システムと行政サービスとの関係について、計量的手法による検証を試みた。2000年度、2002年度、2004年度の全国市区のクロスセクション・データを使用し、被説明変数に「行政サービス度」を、説明変数に評価システムの導入・試行に関するダミー変数を投入して、最小二乗法による回帰分析を行ったところ、行政評価を実施すること、なかでも評価を導入すること、また導入年数が長いことが、行政サービスの向上に寄与するという結果が得られた。
  • 家電リサイクル法への適用
    田崎 智宏
    2006 年 6 巻 2 号 p. 73-84
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究では、法制度の見直しに向けた情報を提供するための法制度の実態評価手法として、問題指摘着目型の実態評価を提案・検討した。実態評価に求められる役割等を整理しながら、問題指摘に着目した理由を説明するとともに、その類型化を行い、その枠組みを構築した。また、この評価方法を家電リサイクル法の施行実態の評価に適用した。リサイクル法制度における物質フロー、金銭フロー、関係者の行動変化、ならびに法対象範囲外の事象に着目し、指摘されている問題点等から、再商品化目標を達成できたか、高コスト構造になっていないか、廃棄物の発生抑制をもたらしたか、不法投棄が増加したか、対象品目に追加すべき品目は何かなどといった検証命題を設定し、その検証型評価を実施した。最後に、適用事例から明らかにされた問題指摘着目型の実態評価の課題等を考察した。
  • A Case Study Using Donors' Assistance Projects in Primary and Secondary Education in Indonesia Since 1990
    Satoshi Morita, Tetsuya Araki, Yasuyuki Sagara
    2006 年 6 巻 2 号 p. 85-100
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    This paper proposes a framework for impact evaluation of donors' assistance projects at the sub-sector level, using the case of PSE in Indonesia. It presents: 1) methodological procedures in four stages, using a program theory model and an interrupted time series model in impact evaluation; 2) types of necessary data for analysis; and 3) analysis results based on collected data, focusing on higher outcome levels in the target sub-sector. It also identifies threats to the validity and adequacy of evaluation designs and results, and proposes some solutions for them. Finally, it reconsiders key issues observed in this study, such as: 1) the issue of contribution and attribution; and 2) donors' roles and responsibilities.
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