日本評価研究
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巻頭言
特集:評価研究および評価実践におけるエビデンス理解の多様性と多義性
研究論文
  • -評価結果に差がつく相対評価を目指して-
    飯田 洋市
    2024 年 24 巻 1 号 p. 87-102
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/07/17
    ジャーナル フリー

     多くの地方自治体では、緊縮財政を迫られる一方、社会保障に係る費用の増加や住民からの要望の多様化などにより財源への要求が減らないという課題がある。このような背景から、地方自治体では、予算面を念頭に、どの施策あるいは事業を重点化するか決定するための評価結果の高低に差がつく相対評価が求められている。一方で、地方自治の観点から、このような評価には住民の声が反映されることが望まれる。本論文の目的は、階層分析法における一対比較を用いることで、評価結果の高低に差がつく相対評価手法を提案することである。階層分析法の中でも、不完全一対比較表に関するハーカー法による相対評価値を用いる。また、この評価手法が評価結果の高低に差がつく相対評価であること、また、この評価手法が実用的であることを、2019年から2023年に実施してきた長野県岡谷市の商業活性化計画での活用事例により示す。

実践報告・調査報告
  • -エビデンスは決定に影響したのか-
    荒木 進太郎
    2024 年 24 巻 1 号 p. 103-116
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/07/17
    ジャーナル フリー

     本稿は、2011年度及び2021年度の公立小学校における少人数学級(35人学級)導入に関する予算編成過程を対象にし、財務省と文部科学省が使用したエビデンスを確認する。ここでは、エビデンスの多様性と多義性を前提としたうえで、どのようなエビデンスが用いられたのかに加え、それが両省でどのように扱われ、政策決定に影響を与えたのかについて確認する。

     この事例においては、政策の採否に争いがあるところでは見解が相違し、エビデンスによる政策決定が困難となっていたこと、アジェンダ設定の際にエビデンスが政治に結びついていたことが確認された。

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