家族社会学研究
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11 巻, 11 号
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  • 光吉 利之
    1999 年 11 巻 11 号 p. 1-2
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 牧野 カツコ
    1999 年 11 巻 11 号 p. 3-7
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    日本家族社会学会は1998年大会において、「子どもと家族」をテーマにシンポジウムを開催した。最近の子ども達をめぐる問題行動や非行、不登校などが、家族とどのように関連しているのかを明らかにすること、また、子どもの視点から家族の変動を考えることがシンポジウムのねらいであった。4人の報告者は、家族臨床の立場からの家族と子どもの問題の分析、現代家族の構造的な困難性、ジェンダーの問題、および親子関係の問題から報告を行った。報告においては、現代の家族が子どもの発達にどのような影響を与えているかを直接明確にするものではなかったが、近代家族そのものが子育てを困難にする構造であること、性別役割分担に基づき、子育てが専ら母親に集中している問題が明らかにされた。討論者からは、父親または/および母親による育児が子どもにどのような影響を与えているかについて明確にする研究やいくつかの理論を用いてモデルを構築する研究の必要性が強調された。討論は、家族に優しい職場環境の問題を含めて子育ての家族支援システムの必要性について論じられた。核家族はもはや一般的な家族形態とはいえないことから、どのような人間関係が子どもの発達にとって必要であるのかを明らかにする、理論的な研究が必要とされている。
  • 加藤 彰彦
    1999 年 11 巻 11 号 p. 8
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 新しい家族パラダイムとしてのHealthy Familyの構築にむけて
    本村 汎
    1999 年 11 巻 11 号 p. 9-23
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    この論文の主たる目的は市民生活相談所に来所した登校拒否児と非行児を抱える家族の臨床的側面を明らかにし、これらの問題の発生機構と変容をこれまでの主要な社会学理論がどのように説明しようとしているかに触れ、その有用性の乏しさを指摘することにある。今ひとつの目的は、その有用性の向上を志向して、規範中心的な「ノーマルファミリー」 (normal family) に代わる新しい家族パラダイムとして、healthy family (健康家族) のモデル構築に向け努力することにある。分析のためのデータは、治療的介入のために作られた「治療システム」の構成メンバーとの治療面接、面接場面での彼らの行動観察、そして質問紙法に基づく150人の中学生から得られた「健康な家族像」についての調査データである。結果としては、臨床データの考察を踏まえて構成された仮説としての「健康家族」のシステム特性と、調査データの因子分析の結果明らかになった「健康な家族像」との間に親和関係が見られた。また力「健康家族」の概念は「相互的コミュニケイション」「経済的安定性」「民主的意志決定による共行動」「自己表現」「規則的な生活習慣」「明確な自己境界」「受容性」「明朗性」などの次元を持つ感情融合的な多次元概念であることが明らかになった。
  • 玉里 恵美子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 24
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 舩橋 恵子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 25-35
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、〈子育ち〉の社会的支援のイメージを明らかにするための視点や考え方を提示することである。今日、モノの豊かな社会では、家族がかつて持っていた意図せざる教育力が構造的に失われているため、親の努力だけでは子どもを適切に育てられない。したがって、第一に、我々は子どもがみずから育っていく権利を評価すべきである。第二に、親の子どもに対する権力について自覚的でなければならない。親の権力は、子どもの教育の基盤であると同時に、子どもへの暴力的支配をもたらしうる。第三に、我々は子どもの周りに沢山の家族的な小集団を組織することができる。それは子ども自身を直接的に支援するとともに、結果として親をも支えることになる。このようにして、育児を社会化していくことができよう。
  • 山本 祥子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 36
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 宮坂 靖子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 37-47
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    近代家族論を経由し、またフェミニズムの影響を受けた後の我が国の家族社会学研究は、大人中心の家族論になったとて言われるが、果たしてそうであろうか。戦後の親子関係研究は「しつけ」をキータームとしていたが、内容的には一貫して大人の視点からなされてきた。「情緒的な専業母」の規範化が子ども中心と理解されてきたに過ぎない。ここ約10年間の研究成果を鑑みれば、むしろ父親排他的な専業母による育児が、子ども、母親、父親の三者にとって望ましいものでないことが明らかになってきており、親子研究は、ポスト近代家族の模索の中にあって、両親による共同育児という方向性を明示してきている。しかし同時に、研究者はその言説の持つイデオロギー的側面に留意する必要がある。家族社会学は自己の発した言説を相対化する視点も同時に把持する必要がある。
  • 牧園 清子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 48
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 山田 昌弘
    1999 年 11 巻 11 号 p. 49-57
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    今、家族社会学者は、「なぜ親は子どもを育てるか」という問いにとりくまなくてはならない。ヘーゲルは、近代社会における子育ての原型を論じた。彼は、親子関係が子の成人後に消滅するということを強調し、近代的子育ての二つの性格を導いた。一つは、親はもう子育てに、経済的効用を見出すことができないため、意味を見出すことが求められ、子育ての主要な動機付けは、愛情になるということである。もう一点は、親子の愛が未完成であるということで、その結果、親は、愛情の存在を信じることができた。近年の長寿化と「学校化」によって、親にとって子育ての意味付与の危機がもたらされる。親子関係に愛情があると確信するためには、成人後の子や学校システムなど公共からの評価が必要になるからである。その結果、親は、子育てにプレッシャーを感じることが多くなる。それゆえに、親は、なぜ子どもを育てるのかという問いに悩まされるようになる。
  • 関井 友子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 58
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 「主観的家族論」の視点から
    土屋 葉
    1999 年 11 巻 11 号 p. 59-69
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    家族社会学において、行為者としての個人が認識し、解釈する「家族」に注目した、「主観的家族論」と呼ばれる研究が提起されている。しかしながらこれを捉える実証的な試みは、主に方法論的な問題から主観的家族論の視角を十分に生かしたものとはいえなかった。本稿の目的は、生活史法を取り入れることを提起し、主観的家族論の研究枠組みを援用して全身性障害者の捉える「家族」を描くことである。彼らの「語り」から個人の捉える「家族」が、時間的経過や何らかの契機により常に変更されていること、さらに社会的なリアリティ定義と個人的なリアリティ定義が相互に浸透しあい「家族」というリアリティがつくられていることが明らかになった。主観的家族論の視角は「家族」をめぐる力関係 (諸利害の付置状況) を示すための有効な手段となりうるだろう。
  • 赤川 学
    1999 年 11 巻 11 号 p. 70
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 妻の性別役割意識による交互作用
    末盛 慶
    1999 年 11 巻 11 号 p. 71-82
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、夫の家事遂行および情緒的サポートが妻の夫婦関係満足感にどのような影響を与えるのか、またその影響の仕方は他の要因によって異なるのかを検討することである。従来、従属変数として扱われてきた家事分担を独立変数として設定し、妻の夫婦関係満足感への影響をみること、またこれまであまり扱われてこなかった夫の情緒的サポートを取り上げていることが本研究の特色である。データは、NFR予備調査「家族と夫婦関係に関する調査」を用いた。分析対象は、夫と同居する有配偶女性122人である。分析の結果、夫の家事遂行より情緒的サポートの方が、妻の夫婦関係満足感と関連すること、またその関連は伝統的な性別役割意識をもつ妻において強いことが発見された。この結果は、職業などによる評価を得ることが難しい専業主婦にとって、自ら行う家族役割に対する夫からの評価やねぎらいがとりわけ重要になってくるという観点から解釈された。
  • 前田 尚子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 83-94
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、大都市インナーエリアに居住する高齢者の世代間関係を記述し、それを選択-制約モデルによって説明することにある。選択-制約モデルによれば、世代間関係は、個人が一定の機会/制約条件の下で選択的に構築するネットワークと仮説化される。われわれは、名古屋市のインナーエリアに居住する高齢者の調査データを分析して、高齢者と子どもとの関係を検討した。住宅資源の豊かな回答者は、既婚子との同居率が高く、別居子との接触も頻繁であった。一方、住宅資源の乏しい者は、子どもから孤立しがちであった。また、家業を営んでいた者と70歳以上の者は、既婚子との同居率が高い傾向がみられた。これらの知見は、選択-制約モデルによって整合的に説明された。結論として、選択-制約モデルは、高齢者の世代間関係の多様性を説明するのに一定の有効性を持っていることがわかった。
  • 調査に使用される言葉の解釈をめぐって
    藤森 久美恵
    1999 年 11 巻 11 号 p. 95-107
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2010/02/04
    ジャーナル フリー
    社会学の理論をより普遍的なものへと構築していく過程で、国際間、年代間、階級/階層間、ジェンダー間などの異文化間での比較実証調査が行なわれている。異文化比較調査は研究結果の信頼性や妥当性を高める為に重要な役割を果たす。本稿では、文化の違いが言語解釈の異同に影響するという異文化視点の導入が、社会化価値を形成する過程の機構を考察する時の理論と方法の発展にいかに役立つかを問題提起したい。予備調査からデータ解析作業に至るまでの研究の諸段階において、研究者自身と調査対象者両者の多様な言語解釈に異文化視点を導入して潜在価値概念の因子分析と概念軸の意味内容の理解に役立てた。1997年夏に埼玉県川越市で6年生全員から無作為に抽出した保護者を対象に社会化価値調査を行なった。この調査での質問文作成作業と結果を通して、文化の理解に基づいたより適切な言語解釈に助けを借りながら、現代日本の社会化価値の概念軸について考察する。
  • 南山 浩二
    1999 年 11 巻 11 号 p. 108
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 廣嶋 清志
    1999 年 11 巻 11 号 p. 109-112
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 英国エセックス大学大学院におけるセミナーから
    大和 礼子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 113-118
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 望月 嵩
    1999 年 11 巻 11 号 p. 119-120
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 清水 浩昭
    1999 年 11 巻 11 号 p. 121-123
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 横山 博子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 124-126
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 大友 由紀子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 127-129
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 中里 英樹
    1999 年 11 巻 11 号 p. 130-132
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 庄司 洋子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 133-135
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 松信 ひろみ
    1999 年 11 巻 11 号 p. 136
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 上野 加代子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 137
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 志村 明子
    1999 年 11 巻 11 号 p. 138-139
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/08/04
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