家族社会学研究
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14 巻, 1 号
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  • 北海道の家族に思う
    布施 晶子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 稲葉 昭英
    2002 年 14 巻 1 号 p. 5-10
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 19世紀後半から20世紀前半を対象として
    米村 千代
    2002 年 14 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    オーストリア市民家族史研究においては, ヨーロッパ内での比較研究, 近代家族論等を射程に含みながらも, 多様性, 個別性を重視したアプローチが1つの重要な位置を占めている。この立場は, 自伝的史料を用いた心性, 文化の研究にも一貫している。また, より上層の価値観や生活様式, 家庭文化を志向するという共通性をある程度保持しつつも, それぞれの職業や世代, ひいては個々の家がもった独自性をすくい上げようともする。これは当時の社会全体がもった多様性, 多文化性とめまぐるしい社会変動という社会背景を1つの理由としていることはもちろんだが, 同時に, オーストリアにおける研究姿勢研究文化とよんでもいいのかもしれない。このことが, オーストリアにおける市民家族史研究の全体像を, 簡略に要約して描き出すことを困難にしていることは事実であるが, 他方, 近代国家と近代家族との関係などを社会変動と絡めながら論じようとする場合には, 比較対照する事例には事欠かないたいへん魅力的な素材の宝庫となっているともいえよう。
  • 多賀 太
    2002 年 14 巻 1 号 p. 18-19
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 日本・外国の未成年養子制度と斡旋問題
    正木 信二郎
    2002 年 14 巻 1 号 p. 20
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    やれ国際化だ, グローバルスタンダードだとかまびすしい今日このごろではあるが, 日本における養子法の世界においては, 「子の福祉」を重視する近代養子法の精神が十分に生かされていないのが実態である。唯一の例外は1988年に導入された特別養子であるが, 導入の経緯を考えるとき, ここに近代養子法の精神が十分に反映しているとはとても思えない。
    本書は, 湯沢雍彦氏監修により「養子と里親を考える会」が編集したものであり, 第1部でこのような日本の現実を踏まえながら, 第2部では諸外国における実情を紹介している貴重な労作である。
    第1部では, 第1章を「養子制度の概要と日本の実情」と題して監修者の湯沢氏自身が書いており, 第2章では, 鈴木博人氏により「日本の養子縁組斡旋をめぐる課題」と題して養子斡旋事業にかかわる問題点の指摘がなされている。第3章は, 里親開拓運動を展開してきた民間の児童福祉機関「家庭養護促進協会」ソーシヤルワーカーである岩崎美枝子氏による「児童福祉としての養子制度」である。このなかでは豊富な現場経験に基づく報告がなされているが, とくに特別養子制度にかかわる問題点の指摘が鋭い。第4章は, 庄司順一氏と益田早苗氏による「日本の里親制度の現状と課題」である。ここでは本書の編集者である「養子と里親を考える会」が行った, 里親の意識と養育の現状調査についての報告がなされており, 停滞状態にある里親制度の活性化の必要性が訴えられている。第5章は, 大森邦子氏による「わが国における国際養子縁組法制化の必要性と試案」である。ここでは氏の日本国際社会事業団 (ISSJ) におけるソーシャルワーカーとしての現場経験に基づく具体例の報告と, そこに垣間見える臓器移植や性的対象, あるいは若年労働力確保を目的とした人身売買的な国際養子縁組を阻止するために, 国際養子縁組法の早急な法制化の必要性が唱えられ, かつ, その試案が提出されている。
    第2部は「諸外国の養子・里親制度の検討」と題され, 第1章「アメリカ合衆国 (岩崎浩三) 」, 第2章「アメリカ州レベル (桐野由美子) 」, 第3章「 (カナダの) ブリティッシュ・コロンビア州 (大谷まこと) 」, 第4章「フランス (中川高男) 」, 第5章「ドイツ (高橋由紀子) 」, 第6章「イタリア (松浦千誉) 」, 第8章「ベルギー (菊地緑) 」, 第9章「ロシア (稲子宣子) 」, 第10章「フィリッピン (平田美智子) 」, 第11章「中国 (加藤美穂子) 」と世界各国における養子法の紹介がなされており, 第7章では日本の里親制度にあたるイタリアの「養育委託」について小谷眞男氏の報告がなされている。20世紀後半に入って「子の福祉」の観点からたえず養子法の見直しを行ってきた諸国と, その間, 法改正も具体的な措置もまったくなおざりにしてきた日本との対比を鋭く指摘した本として読まれるべきであろう。
  • 労働とジェンダー
    渡辺 めぐみ
    2002 年 14 巻 1 号 p. 21-32
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 家族農業経営における女性の農業労働についてのあらたな分析枠組をつくることである。従来の日本の農家女性労働に関する研究では, 性別分業の実態は把握してきたが, データを解釈する際に, 農業者自身の労働への主観的評価は考慮されず, アプリオリに設定された労働評価基準が用いられてきた。そこで, デルフィのフランス農業における労働と地位に関する研究に示唆を受け, ある労働が女性向きであると意味づけられること (労働のジェンダー化) に着目し, 女性農業者へのインタビューから, 当事者による労働評価のメカニズムを描き出すことを試みた。分析の結果, 労働のジェンダー化は, (1) 女性の過重労働を隠蔽する可能性をもつこと, (2) 女性が裁量権を行使できる農務の領域を獲得するために戦略的に行っていることが分かった。また, (2) の背景として, 農務スキルの獲得状況, 生産手段の非所有, 農業経営の労働システムの変化等の関連を指摘した。
  • 廣嶋 清志
    2002 年 14 巻 1 号 p. 33-34
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 子どもへの最大の人権侵害
    友田 尋子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 35
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    子どもの虐待をタイトルにした書物は92年ごろから急激に増えた。児童虐待防止協会が「子どもの虐待ホットライン」を90年に開始し, その電話相談員としてかかわったそのころの社会の認識は, 「日本では子ども虐待は特別な親しか起こらない」「日本ではまれな問題」と考えられていた。家族神話も根強く, 生命の危険のある子どもでさえ, 加害者である親のもとで育てられることが, 子どもにとって望ましいと考えられていた。その結果, 何人の子どもたちが犠牲になったことであろう。全国の児童相談所への虐待に関する相談は, この10年で10倍以上と著しい増加である。しかし子ども虐待を児童相談所が統計処理しはじめたのがそのころからであり, 啓発の結果として増加したのか, この10年で実質的に虐待家族が増加したのかは, 定かではない。「子どもの虐待ホットライン」には当初のような虐待予備軍的相談が減少し, 子どもとの関係にネガティブな感情をもつ母親からの深刻な虐待相談に収斂しつつある。子ども虐待問題を取り巻く状況も大きく変わるなか, その対応も大きく変化した。対応がシステム化され, 早期発見と援助および予防へとその支援の幅は拡大されてはいるものの, 子ども虐待は減少するどころか, 援助ケースは増加の一途, さらには死亡する子どもたちを見過ごしている現実がある。
    本書は, 後手後手の対応しかできなかった当時と変わらない問題点と, その後の課題について考察を加え, 連携という形式だけの関係づくりが, 逆にその隙間からこぼれていく子どもたちを救えなくしている現状に対して, 子どもの権利庇護という視点から再度, 子ども虐待について問うた書物となっている。著者は, これまでにも子どもの問題に関する書物などでなじみのある人々がほとんどである。各著者の蓄積してきたものが, 本の厚み以上にずしりと伝わってくる。各章で著者が独立し, 各自の責任で書かれているせいか, いささか文章面において統一性を欠いている面もあるが, それがおのおのの専門性を浮き彫りにしたものとなっている。章立てがわかりやすく, 入りやすい。1章「なぜ死なせてしまったか : 子ども虐待の真実」, 2章「子ども虐待への理解を深めよう」, 3章「日本の子ども虐待問題の歩み」, 4章「統計で見る子ども虐待の実態」, 5章「子ども虐待はなぜ起こる」6章, 「子ども虐待に対する社会のしくみ」, 7章「子ども虐待発見と対応 : 医療現場から」, 8章「法律は子ども虐待にどう対処するか」, 9章「民間団体の子ども虐待への取組み」, 10章「子ども虐待を予防するために」, 11章「子どもの権利庇護システムの構築を目指して」と, どこから読んでもよいように構成されている。基礎的なものから予防に至る展望まで, 子ども虐待の援助と予防に関する必要な内容がくまなく網羅されている。「もう知っている」と思っている人にも, 「これから知りたい」と考えている人にも, 子ども虐待問題を理解するのに適した充実した入門書である。
  • 「ひとり暮らし裁判」の原告たち
    桂 良太郎
    2002 年 14 巻 1 号 p. 36
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    本書は, 鎌田とし子氏の長年にわたる調査研究と福祉裁判での実践 (証言) の記録の集大成である。都市の底辺に沈殿する人々への, 鎌田氏の研究者としての視点 (こだわり) と人間としての実践 (裁判へのかかわり) が見事にまとめあげられ, 読者の関心を奮い立たせている。本裁判は, 「朝日訴訟」「堀木訴訟」とならび, 住宅権保障をかけた「ひとり暮らし裁判」 (1975年, 福岡市) とよばれている。戦後の住宅難時代につくられた「公営住宅法」では, 家族のいないひとり暮らし者には入居資格がなく, 入居を拒否されてきた。しかし独居老人等が増加するにつれ, 民間借家から締め出された人々 (高齢者のみならず, 障害者や生活保護者) は, 「住宅法」改正を求め立ち上がった。裁判の途中で住宅法は改正され, 単身者であっても入居できるようになった。そのために, この裁判は, 実質的な勝利を得て「勝訴的な訴えの取下」をしたため判例集には登載されず, 意外に知られていないが, 前述の有名な訴訟と並ぶ画期的な福祉裁判の1つであった。鎌田氏とその学生たちは, この裁判への証言を得るために, 当時の都市底辺に沈む人々と生活を共にしながら, 彼らの生活史を丹念に拾い集め, 家族崩壊の実態を見事に明らかにしている。よほど両者の信頼関係がなければ, これほどまでの証言を得ることはできなかったであろう。本書は, 明確な学術研究の方法論と実証研究の技法を備えたものであるだけでなく, こうした「階層的条件」をもった人々の犠牲の上に, 戦後の「高度経済成長」が存在せしめたという歴史的事実を明らかにしているところに, 他の研究著作にない価値が存在している。また, 家族社会学を研究する者にとっても, 貧困階層にみる三世代家族の特徴をここまで整理した研究業績は他に類がない。ここに収録されたケース・スタディは, 1970年後半を生きた都市下層社会の人々のおそらく最後になるであろう “生活の記録” でもある。鎌田氏の人間としての “ねがい” とそれを受け止めた真摯な学生たちの努力がなければ, この著作は生まれなかったものと考えられる。わが国の家族や親族研究の資料として, また現代日本史の資料として, 本書の価値はきわめて高いものと判断する。恒例として, 本書の構成を記しておく。
    第1章 「ひとり暮らし裁判」の全容と本書の構成, 第2章 証言の証拠書類となった「調査結果」, 第3章 低所得階層における三世代家族, 第4章 法廷での証言内容-「ひとり暮らし増加の社会的背景」となっている。本書は, 家族社会学を専攻する者だけでなく, 住宅問題, 福祉政策, とくに住宅政策等, 社会福祉を専攻する者や, 法律学を学ぶ次世代を担う人々にぜひ一読の価値を有するものである。
  • 欧米の研究動向と日本における分析
    三具 淳子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 37-48
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    産業化社会においては, ますます多くの女性が家庭外の仕事に就くようになった。それにともなって明らかになった労働現場における男女の不平等は, 十分とはいえないまでも徐々に改善されつつあることが認識されている。それでは, 夫と妻の関係はどうであろうか? 女性の労働参加は, 妻の夫に対する相対的な経済的地位を向上させてきただろうか? 経済的自立は, 女性の自立にとって不可欠のものであるにもかかわらず, 日本においては妻の経済的依存についての十分な議論は行われておらず, 妻の経済的地位をはかる有効な方法が確立されていない。これに対し, 欧米においては, こうした問題に焦点を当て, 妻がどの程度夫に対し, 経済的に依存しているのかを独自の数量的指標を用いて計測している。本論では, まず, 海外における経済的依存に関する研究の枠組みを明らかにし, これまでの日本における研究を検討して, 妻の経済的依存状況を把握するのに有効な公的データが存在しないことを示す。次に, 限定的ながら, 利用可能なデータを用いて日本における既婚女性の経済的依存状況を分析する。それにより, 既婚女性の労働参加が増加したにもかかわらず, 経済的依存の度合は改善していないことを示す。
  • 内藤 朝雄
    2002 年 14 巻 1 号 p. 49-51
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 熊谷 苑子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 52-53
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 家族の発達・個人の発達
    井田 瑞江
    2002 年 14 巻 1 号 p. 54
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 女が暴力から逃れるために
    関井 友子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 55
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 岩間 暁子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 56
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 京都岡田家の不祝儀・祝儀文書の検討
    米村 千代
    2002 年 14 巻 1 号 p. 57
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 赤地 麻由子
    2002 年 14 巻 1 号 p. 58
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 加藤 彰彦
    2002 年 14 巻 1 号 p. 59
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 市場・福祉国家・家族の政治経済学
    魚住 明代
    2002 年 14 巻 1 号 p. 60
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 家族人類学の挑戦
    福田 亘孝
    2002 年 14 巻 1 号 p. 61
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 華族のエスノグラフイー
    矢野 和江
    2002 年 14 巻 1 号 p. 62
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 湯澤 直美
    2002 年 14 巻 1 号 p. 63
    発行日: 2002/07/31
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 14 巻 1 号 p. 82
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
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