韓国の家族および世代関係は, 極めて多様な姿へと変わりつつある。この研究の目的は, 世代関係の多様な現象の裏面にある潜在的構造類型を明らかにすることである。そこで, 中年層と老親との世代関係の重要な下位次元として, 地理的近接性, 支援関係, 家族扶養観の相互関連性を分析した。世代関係の潜在構造を分析するため, 潜在クラス分析 (Latent Class Analysis : LCA) を用いた。また, 世代関係にたいする中年層と老人世代の視角の違いを考慮し, 中年層と老人, 双方の立場から世代関係を分析した。その結果, 中年層の立場からの老親との世代関係は, (1) 互恵性に基づいた強い支援関係 (18.0%), (2) 非互恵的な強い支援関係 (19.7%), (3) 中間程度の状況的支援関係 (12.8%), (4) 中間程度の伝統的支援関係 (17.9%), (5) 弱い支援関係 (31.5%) の5類型に区分された。また, 老人の立場からの世代関係は, (1) 伝統的世代関係の理念型に近い支援関係 (49.7%), (2) 互恵的支援関係 (19.8%), (3) 弱い支援関係 (30.5%) の3類型に区分された。
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