家族社会学研究
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15 巻, 2 号
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  • 青井 和夫
    2004 年 15 巻 2 号 p. 5-6
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 岩上 真珠, 岩井 紀子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 7-13
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    第13回大会のシンポジウムは, 「Part II現代社会における結婚の意味を問う」というテーマのもとで, 近代家族型の結婚制度のもとでのさまざまな問題現象に焦点をあてることが企画された。この企画のもとで, 歴史, 地域ジェンダーを切り口に, 今回は, 落合恵美子氏 (「歴史的にみた日本の結婚」), 篠崎正美氏 (「農村における家族と結婚」), 神原文子氏 (「女性にみる結婚の意味を問う」), 伊藤公雄氏 (「戦後家族・夫婦関係における男性の位置 : 男性研究の視点から」) の4名の報告者に問題提起をお願いした。ただ, 残念なことに伊藤公雄氏は体調不良のため当日やむを得ず欠席され, シンポジウムは伊藤氏を除いた3氏の報告を中心に進められた。報告において, 落合氏は徳川期の結婚から現代日本の結婚を照射し, 篠崎氏は農村男性の「結婚難」の背後にある社会構造要因とそれへの対策を論じ, 神原氏は未婚女性の結婚観を通じて今日の結婚の位置づけを試みた。
  • 神原 文子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 14-23
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本稿では, はじめに, 「女性にみる結婚の意味を問う」うえでの検討課題を整理する。たとえば, 結婚の意味を問う「女性」とは誰のことか?女性たちの多様な結婚観をどのように類型化するか?現代日本は, 晩婚化・未婚化と言えるのか?など。そのうえで, 既存の官庁統計, インターネットからの情報, 学生たちへのアンケートやシングル・マザーの友人たちからの聞き取りデータをふまえて, 未婚女性にみる結婚の意味について考察する。明らかになった興味深い点をいくつか列挙すると, 以下のとおりである。 (1) 結婚情報におけるジェンダー格差が顕著であること。 (2) 女性の場合, 独身生活の利点が男性よりも高く, 理想の結婚相手へのこだわりが男性よりも高い分, 独身生活から結婚生活へ乗り換えるという選択が男性以上に難しいこと。 (3) 現代女性の結婚イメージの中には, 前近代的な結婚イメージ, 近代的な結婚イメージ, ポスト近代的な結婚イメージが混在していること, など。
  • 篠崎 正美
    2004 年 15 巻 2 号 p. 24-38
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2010/02/04
    ジャーナル フリー
    農村において, とりわけ男性農業後継者の結婚難が地域社会の問題となっている。結婚や家族観における最近のジェンダー・ギャップ, 農村や農家の経済社会的後進性農業男性の「消極性」などが結婚難の主因として論じられている。が, 重要な要素として日本における配偶者選択の主な領域である学校や職場という第2次的生活領域で, 農村には若い未婚女性と出会えるチャンスが非常に少ないという構造的欠損を考える必要がある。
    本論文では, 自治体の結婚介入事業の種類や目的, 経費, 成果, 成否の理由の調査から, 農村の結婚問題の現況を把握するとともに, 行政の担当者自身個人的な結婚観と事業の公的な目的との間のずれにも注目した。次に, 結婚相談員への面接の分析から農村に生じている結婚への意味づけの大きな揺らぎ, 4Hクラブ男性メンバーへの集団面接の分析から, 一方で「消極的」で伝統的な配偶者選択と, 他方で合コンなど「遊び」の第3次生活領域への積極的な参加によるポストモダンで, 脱制度化された結婚と家族への多様化が認められた。
  • 原型か異文化か
    落合 恵美子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 39-51
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は, 徳川日本社会において結婚とは何であったかを明かにし, その基本的な特徴を示すことである。徳川時代の宗門人別改帳のデータベースを用いた歴史人口学的分析をその主たる方法とする。本論文は, 日本の結婚の三つの目立った特徴を描き出した。さまざまな側面における地域的多様性, 頻繁な離婚と再婚による流動性, そして一連のイベントからなる過程としての結婚という性格である。離婚はほとんど例外なく移行期に起きるので, 第2番目と第3番目の特徴は互いに関係している。移行期には嫁あるいは若夫婦は潜在的な両属性を保持していると考えられる。
  • 父親自身の父子関係からの視点
    平川 眞代
    2004 年 15 巻 2 号 p. 52-64
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    父親の育児参加は社会システムにおいて多様な条件が考えられるが, 本稿では父親の育児参加と家族関係に関し, 父親自身の父子関係に焦点を当てて, 質的調査を実施し分析を試みた。父親役割の変化のもとで, 父親の育児参加の規定要因の一つとしては, 家族の相互作用的要因である父親自身の父子関係があげられる。どのような理由で父親が育児に参加するのかは, 父親の育った環境と関連しており, 父親自身の父子関係から派生する価値観や認識が, 育児参加の規定要因の一部である。つまり, 父親の育児や子どもに関する肯定的, あるいは否定的な認識には, 父親自身の父子関係の影響がみられ, 父親自身の職業, 父親自身の父子関係が主な規定要因として, 現在の育児参加に影響を持っといえる。ここでは, 父子関係により父親を, モデリング型, 埋め合わせ型, ニュートラル型の3類型にコード化した。
  • 石川 周子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 65-76
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 父親の養育行動が思春期の子どもの精神的健康に与える影響を実証的に明らかにする。父親の養育行動を単独に検討するのではなく, 母親の養育行動と社会経済的地位を統制した上で父親の養育行動の効果を検証すること, さらに父親の養育行動の影響のあり方が子どもの特性によってどのように変化するかを検討することが本研究の特色である。データは, 1995年に連合総合生活開発研究所が行った「小学生・中学生の生活に関するアンケート調査」を用いる。そのうち, 小学校5・6年生と中学校2・3年生の男女およびその母親が回答した719組を分析対象とする。分析の結果, 父親の支援は男子の精神的健康を高め, 父親の統制は女子の精神的健康を低下させることが明らかにされた。さらに, これらの効果は, 小学生より中学生において顕著だった。以上の結果から, 思春期の子どもにとって父親の養育行動が重要な意味を持つことが示された。
  • 社会集団における語りからの分析
    浅利 宙
    2004 年 15 巻 2 号 p. 77-88
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2010/02/04
    ジャーナル フリー
    近年, 死に対する関心が高まっており, 死別後の家族課題の解決に向けて支援する社会集団が注目されている。しかし, これらの社会集団に関する研究は十分になされていない。本稿では, 遺族が, 配偶者との死別によって生じる諸課題を社会集団のなかでどのように表現し, その出来事の意味を変化させてゆくのかという問題意識のもと, 死別を経験した人たちによって形成された社会集団の活動と, 彼らに対するインタビューの内容について考察した。
    その結果は, 次の2点に要約される。1) 死別した人びとは, 自らの経験を表現することを通じて, 配偶者との死別における家族ライフイベントとしての側面に言及する。2) 経験を語り合うなかで, 家族課題の共有化と家族ライフイベントの相対化がみられる。ここから, 家族との死別に関する語りの表現は, 死別後の社会関係を形成する「ツール」として有効であることが示唆された。
  • 家族規範との言説的な交渉に注目して
    中川 敦
    2004 年 15 巻 2 号 p. 89-99
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2010/02/04
    ジャーナル フリー
    近年, 日本において遠距離介護という現象が社会問題として浮上してきた。老親介護を扱った日本の家族研究は同居親子の事例が多く, 遠距離介護のような親と離れて暮らす子供による老親介護を扱った研究は少ない。これは先行研究において, 親子の居住形態に家族行動を規定する規範を読み込む傾向があったからだと考えられる。一方で近年の研究は, 「ジェンダー」といった親子の居住形態と結びつく家族規範以外の要素を重視している。
    本稿では「長男」あるいは「長男の嫁」が携わっている遠距離介護に注目し, その当事者へのインタビューから, 遠距離介護という親子の関わりにおいても, 同居や近居と結びつく家族規範が現われることを指摘する。遠距離介護者は, 時に親との同居や近居という選択に傾くこともある。しかしながら本稿では, 彼らが家族規範との言説的な交渉を通じて, 親と離れて暮らすという葛藤と折り合いをつけていく, その軌跡を明らかにする。
  • 朴 京淑
    2004 年 15 巻 2 号 p. 100-109
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    韓国の家族および世代関係は, 極めて多様な姿へと変わりつつある。この研究の目的は, 世代関係の多様な現象の裏面にある潜在的構造類型を明らかにすることである。そこで, 中年層と老親との世代関係の重要な下位次元として, 地理的近接性, 支援関係, 家族扶養観の相互関連性を分析した。世代関係の潜在構造を分析するため, 潜在クラス分析 (Latent Class Analysis : LCA) を用いた。また, 世代関係にたいする中年層と老人世代の視角の違いを考慮し, 中年層と老人, 双方の立場から世代関係を分析した。その結果, 中年層の立場からの老親との世代関係は, (1) 互恵性に基づいた強い支援関係 (18.0%), (2) 非互恵的な強い支援関係 (19.7%), (3) 中間程度の状況的支援関係 (12.8%), (4) 中間程度の伝統的支援関係 (17.9%), (5) 弱い支援関係 (31.5%) の5類型に区分された。また, 老人の立場からの世代関係は, (1) 伝統的世代関係の理念型に近い支援関係 (49.7%), (2) 互恵的支援関係 (19.8%), (3) 弱い支援関係 (30.5%) の3類型に区分された。
  • 香港在住の日本人駐在員家庭のケース
    西 麻里子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 110-120
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 香港に住む日本人駐在員の家庭を対象に, メイドを雇用することによる家事分担と主婦役割への影響を探ることである。調査により, 各家庭のニーズにそってフルタイム, パートタイム, オケイジョナルメイドを雇用し, それぞれ採用基準, 仕事分担, 日本人家族とメイドとの関係などが異なることが明らかになった。メイド雇用による家事への影響としては, 家事が二極化し, 掃除, アイロンかけなどはメイドに頼める仕事, 料理, 育児などは妻のコアワークとして認識されること, 家事の中でマネージメント, 感情労働に該当する部分が妻の仕事として増えることがあげられる。主婦役割への影響としては, 家事の一部の情緒化を止める一方で, 育児をより重視する姿勢が明白になったこと, 家事は主に主婦とメイドによってのみ分担され, 性別役割分業が固定化されることなどがあげられる。
  • 立木 茂雄
    2004 年 15 巻 2 号 p. 121-122
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 西村 昌記
    2004 年 15 巻 2 号 p. 123-124
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 関井 友子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 125
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 清山 洋子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 126
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • David M.Notter
    2004 年 15 巻 2 号 p. 127
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 森田 美佐
    2004 年 15 巻 2 号 p. 128
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 末盛 慶
    2004 年 15 巻 2 号 p. 129
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
  • 村田 泰子
    2004 年 15 巻 2 号 p. 130
    発行日: 2004/02/29
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
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