家族社会学研究
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巻頭エッセイ
投稿論文
  • 柳下 実, 不破 麻紀子
    2019 年 31 巻 1 号 p. 7-18
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    近年,日本社会でも有配偶離婚率が高まっている.離別が家事労働に与える影響を検討した欧米の先行研究では,離別は男性の家事を増やし,女性の家事を減らすことが示されている.しかし,日本では欧米諸国に比べ離別者の実親同居率が高いため,離別の効果の検証には親同居の影響を考慮する必要がある.本稿は働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査を用いて,離別が男女の家事にどのような影響を与えるのか,また離別者の家事は親と同居することによってどのように変化しているのかを固定効果モデルで検討した.結果から,離別によって男性は家事を増やし,女性は家事を減らすことが示された.また,親同居による家事の削減効果は既婚者より離別者の方が大きいことも示された.離別者は稼得役割と家事労働を一人で担わなければならず役割過重が生じやすいが,親と同居できるか否かで家事労働の負担には格差が生じていることが示唆された.

  • 近兼 路子
    2019 年 31 巻 1 号 p. 19-31
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    少子高齢社会の日本において,高齢者が相互に支え合う新しいケアのあり方が高齢者シェア居住で試みられている.本稿の目的は,高齢者シェア居住の居住者が成人子のケア資源をどのようにとらえているかを明らかにし,高齢者シェア居住の可能性を提示することである.分析対象は高齢者シェア居住6カ所11人から聞き取った語りのデータとし,成人子によるケアについて検討する.本稿の結論は次の通りである.居住者には成人子によるケアにできるだけ頼らないとの意識がある.それは,(1)成人子の家庭生活と自分自身の自由な生活のためであり,(2)不確実な将来のために「モラル・キャピタル」(高齢の親への子どもの義務に関する社会規範の蓄積)にもとづく成人子のケア資源を節約するためとみられる.高齢者シェア居住は,居住者相互の関係性への投資による新たなケアの場であるとともに,家族のケア資源を守るための場ととらえることができる.

  • 徐 堯
    2019 年 31 巻 1 号 p. 32-44
    発行日: 2019/04/30
    公開日: 2020/04/30
    ジャーナル フリー

    福祉国家建設の途上にある中国は公的介護保険制度の在り方を模索している.政策導入の初期に人々はいかなる介護意識を持つのか.この問題意識のもとで,本稿は中国農村部に注目して高齢者ケアをめぐる選好の構造を考察する.ケアの脱家族化論を援用してケアサービスとケア費用についての仮説を提起し,中国中部に位置するF県とQ県で実施した調査データを用いた多変量解析により,介護意識の規定要因を分析した.分析の結果,1)脱家族的なケアサービス志向に対するコミュニティケア,女性,若年世代,都市部居住,非農業就労などの効果が正の値,三世代以上世帯,娘同一世帯などの効果が負の値で有意であること,2)脱家族的なケア費用志向に対する不平等縮小感と皆保険・皆年金評価の効果が正の値で有意であることが明らかになった.高齢者ケアについて,農村部住民は「支援された家族主義」志向および「脱家族主義」志向を持つことが示唆される.

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