ヒメマツタケ栽培用堆肥の発酵工程を通じて糸状菌,一般細菌,放線菌を計数した結果,発酵初期には糸状菌数が多く,その後,一般細菌が増加して一次発酵30日目にはともに計数値が増加した.一方,放線菌数は,発酵15日目以降に増加し始め,30日目および45日目に極大となった.発酵期間別の堆肥を用いて栽培を行った結果,子実体収量は30日目以降ほぼ安定した.これらのことから,微生物の増殖が活発になった30日以降は,ヒメマツタケが利用する栄養分(あるいは微生物)が堆肥に蓄積したと想像された.また,堆肥のC/N比は発酵30日目以降に40-50で安定した.さらに,細菌フローラも30日目以降に安定することがPCR-DGGE解析によって明らかになった.これらの結果から,ヒメマツタケの培地に用いる堆肥の熟度の指標には,C/N比だけでなく,細菌フローラも利用できることが示唆された.
ニセショウロ属の2種,Scleroderma polyrhizumおよびS. verrucosumの和名の出典文献を調査して,前者の正しい和名は「ツチグリカタカワタケ」(別名ツチグリニセショウロ),後者の正しい和名は「ザラツキカタカワタケ」(別名ショウロダマシ)であることを考証した.
日本から再発見された3種のスッポンタケ属菌,Phallus hadriani, P. rubrovolvatusおよび P. rubicundusについて,子実体の形態的特徴に基づき記載,描画した.
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