本研究は, 音楽専門家を目指すことを視野に入れた中学・高校生の生徒に対して行われている学校外におけるソルフェージュ指導の実態と, その指導を行っている教師の意識を調査し, ソルフェージュ教育の現状を把握しようとしたものである。その結果, 明らかになった点は以下の通りである。1) ソルフェージュの指導は, 週1回, ピアノ・レッスンの中で行われることが多い。2) 指導には, 聴音・新曲視唱・楽典が多く取り入れられている。3) 生徒が指導を受けている目的は, 主に大学受験のためと教師は推測している。4) ソルフェージュ教育の指導目標は, 拍子感・リズム感・読譜力といった各基本的要素の習得であると教師は考えている。5) 自己の現在の指導に対して, 全体の過半数の教師が否定的な評価を下している。