音楽教育学
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43 巻, 1 号
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研究論文
  • 小山 英恵
    2013 年43 巻1 号 p. 1-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿では, イェーデの青少年音楽運動における教師教育について, 1925年に実施された国民音楽学校のための教師教育講座および1926年以降に実施されたベルリンの国民学校教師のための学校音楽講座に関する2つの史料を取り上げて検討した。この教師教育の目的は, 「音楽への能動的な参加」によって「生」や「愛における共同体」を人々の内面にもたらすという青少年音楽運動の理念を音楽教育において実現する教師の育成にあった。その教育内容の特徴は, 音楽の専門的能力や教育者としての能力だけでなく, 音楽のもつ人間形成の力を基盤とする青少年音楽運動の教育観や音楽観を育成しようとする点にあった。授業方法の特徴は, 参加者が共同で考えを練り上げ新たな価値を生み出していくという「作業共同体」の方法論にあった。この方法論は, 自らの価値判断において教育における課題解決を行う自律的な教師を育成しようとするものであった。

  • 長谷川 諒
    2013 年43 巻1 号 p. 13-24
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は, 1960年以降の米国音楽科教育改革に重要な影響力をもったThe Contemporary Music Projectの諸活動の中でも, 1969年以降の収束期の活動に着目し, その活動の実際を明らかにするものである。収束期の活動は, ①演奏家や作曲家といった音楽の専門家をコミュニティーに配置する「Professionals in Residence」, ②Comprehensive Musicianshipの指導方法を音楽教育者に開発させる「Comprehensive Musicianshipの指導」, そして, ③Comprehensive Musicianshipに関する著書の出版やセミナー, ワークショップの開催といった「補完的な活動」, の3種目で構成される。③はComprehensive Musicianshipに関する著書出版等の雑多な活動であり, それまでの活動の成果を披歴するものであるが, 各音楽家にかなりの裁量権を与えた①や, 「指導法の開発」という目的を超えた活動を許容した②は, 収束期におけるThe Contemporary Music Projectの活動をさらに多様化させるものであった。特に②において, それまでになかった多文化教育的視点が盛り込まれた点, そして, 多文化理解という目的を掲げながらも指導の具体としては音楽構造の理解が強調されていた点は特筆すべきである。収束期の活動は, それまでの成果を流布する側面と, 各活動主体に判断を委ねつつ発展的な展開を許容する側面をともに併せ持っていたと言える。

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