音楽教育学
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46 巻, 1 号
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研究論文
  • ―幼保小接続の視点から―
    乙部 はるひ
    2016 年46 巻1 号 p. 1-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー

     児童期との接続期である幼児期の終わりには, 協同性を軸とした経験を積むことの重要性が指摘されている。本研究では, 保育園における5歳児の協同的な合奏づくりを取り上げ, どのように幼児が協同して目的を成し遂げようとするのか, またその中でどのように合奏が変容していくのかを明らかにすることを目的とした。その結果, 保育者の援助の下, 幼児は感情を調整し, 意見を出し合い, 時には譲歩しながら協力することが明らかになった。その中で, 幼児は音を重ねたり交互にしたりして演奏の仕方を考え, 互いの楽器や奏法による音色の違いに気づきを得, その組み合わせやリズムを考えていった。5歳児は, 共通の目的に向かい, 試行錯誤し探求する中で, 音楽的要素を発見し吟味し, まとまりのある合奏をつくり上げることができるということが明らかになった。また, 協同することを通し, より高次の音楽的な学びに繋がる可能性も垣間見られた。

  • ―カリキュラム論の視点からの検討を通して―
    塚原 健太
    2016 年46 巻1 号 p. 13-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は, 小学校唱歌専科教師の北村久雄 (1888-1945) が提唱した「音楽生活の指導」の特質をカリキュラム論の視点から解明することである。「音楽生活の指導」は, 児童が音楽的興味に基づいて音楽することによって高い価値を獲得していく活動としての「音楽生活」を原理とした教育方法論であった。この原理を具現化するための「音楽生活課程」は, 音楽的興味の連続的発展に即して不断につくりかえられる動態であり, 児童の音楽的能力の飛躍を内包するものであった。そして彼は, 音楽の起源説を通して人間の発達過程における音楽的行為の発生を考察することによって, 幼児期のプリミティブな音楽行為に注目し, そこに深化発展していく「音楽生活」の根源を見出した。以上から, 実践主体である唱歌専科教師による, 音楽と人間のかかわりについての思想を解明することで, 彼らの実践を再評価できる可能性があることが示唆された。

特集「教員養成の現状と課題」
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