音楽教育学
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53 巻, 2 号
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研究論文
  • ─ コミュニケーション理論に基づく構造論的把握 ─
    堀 雄紀
    2024 年53 巻2 号 p. 1-12
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は, 声楽の個人レッスンにおける「指導者‐学習者」関係がどのように成立し変容していくのか, そのメカニズムの一端を明らかにすることである。そのために, 学校外の音楽教育に見られる声楽の個人レッスンを事例とし, G. ベイトソンのコミュニケーション理論に基づく分析を行った。結論は以下の4点である。第1に, 「指導者‐学習者」関係は, 「威光」による基礎づけを欠く不安定な形で始まっていた。第2に, 「アブダクション」によって既存の「教える‐学ぶ」コンテクストを借用することで, 関係の存続が図られていた。第3に, 異なるソースからの情報を組み合わせて新しい情報を生み出す「二重記述」によって, 指導者と学習者を互いのサブシステムする統合的なシステムが形成されていた。第4に, 身体技法は人間の無意識に深く関与するため, 「羞恥」による「カモフラージュ」が生じるが, それが大きく関係を変容させる契機ともなる。

  • ─ ライフストーリー法による事例研究 ─
    松川 亜矢
    2024 年53 巻2 号 p. 13-24
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は, 多様な音楽関係の仕事を幅広く行う, 「プロティアン・キャリア」と呼ばれる現代的な音楽家キャリアの実態を解明することである。具体的には, 専攻実技を積極的に活かして演奏家として活躍するという伝統的な音楽家キャリアモデルが内面化されやすいと考えられる音楽大学を経て, プロティアン・キャリアがどのように形成されるか, またそのキャリア観において音楽大学での学びはどのように意味づけられるかを明らかにする。個人の様々な経験の関係性を詳細に検討するために個別性を損なうことのない一事例研究とし, ライフストーリー法によって得られた語りを分析した。結果として, プロティアン・キャリアのキャリア観においては, 専攻実技からかけ離れた仕事も肯定的に包摂され, その形成過程には周囲との関係性に基づく価値観の変容が認められた。音楽大学での学びは自身のキャリアに必要な学びと対置されて意味づけられていた。

研究報告
  • 本多 佐保美
    2024 年53 巻2 号 p. 25-35
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は, 藤井清水 (1889-1944) の日本旋律論に注目して, その内容の再検討を小泉文夫のテトラコルド理論の視点から行い, それをふまえて藤井の童謡作品を分析することによって, その音楽的特徴および日本的音感覚の表現と和洋折衷の様相について明らかにすることを目的とした。藤井の童謡は, 日本の伝統的な音感覚の強い楽曲では, 陽旋法の音の並びを用い, その中に含まれるテトラコルドと核音の音の動きを使った日本的音感覚の表現と, 伴奏が表わす西洋音楽の調性感とが巧みに接合した和洋折衷の表現となっている。また, 民謡の終止音に多様性があることをふまえ, 童謡作品においても第5音終止等を表現として使っている。さらに伴奏の特徴として音階音の第3音と第6音を変化させて用いる例が見られ, これはテトラコルドの中間音が動くことによる音の変化と伴奏の調性が呼応しあい, 結果として楽曲の調性の確定をあいまいにする効果がもたらされている。

  • ─ 藤井の手作り教材と手稿譜の裏面用紙を手がかりに ─
    長江 希代子
    2024 年53 巻2 号 p. 36-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿は, 藤井清水の武蔵野女子学院における音楽教育実践と音楽教育観について考察する。一次資料として, 藤井の日記と音楽教材掛図作成のための手作りの型紙, 俚謡採譜集, 民謡編曲手稿譜双方に利用された裏面用紙を使用した。藤井の音楽教育実践の特徴は次の三点である。 (1) 手作り教材で楽典の講義をし, 試験問題に出題した。 (2) 歌曲を鑑賞し感想を論述させたり, 合唱や教科書についても論述させたりした。 (3) 歌曲や合唱の音楽教育実践を行った。藤井は民謡の合唱化において, 藤井独自の「日本式対位法」を用い, このためには和声的処理が中心となる男声四部合唱より, 女声三部合唱でポリフォニックに編曲した方がふさわしいと考えていた。その意味で高等女学校は西洋音楽と日本音楽の融合を試す実践の場でもあった。その根底には, 生徒の歌う歌は「生活のうた」であるべきだという音楽教育観を持ち, 理論と演奏を総合化する音楽教育を実践した。

研究動向
第54回大会報告
(大会実行委員会企画)
基調講演
シンポジウム
(常任理事会企画)
プロジェクト研究
(共同企画Ⅰ) デモンストレーション
(共同企画Ⅱ) パネルディスカッション
(共同企画Ⅲ) パネルディスカッション
(共同企画Ⅳ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅴ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅵ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅶ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅷ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅸ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅹ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅺ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅻ) ラウンドテーブル
(共同企画ⅩⅢ) ラウンドテーブル
(共同企画ⅩⅣ) ラウンドテーブル・ワークショップ等
feedback
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