遺伝子銃は遺伝子を導入する有用な方法である。Helios Gene Gun
®は手持ち式であり, 局所に遺伝子を導入するために便利で, 効果的である。本研究の目的は, 遺伝子銃を用いてイヌの口腔粘膜に遺伝子を導入するための適切な条件を決定することである。実験方法; Helios gene gun
® を用いて種々の圧力でイヌの口腔粘膜 (舌背, 舌下面, 歯肉, 頬粘膜, 口蓋) にGFP (緑色蛍光タンパク) を射入し, GFP遺伝子の発現を分析した。方法はUVを照射し, 緑色蛍光の発色を検出した。結果; GFPの発現はイヌ口腔粘膜の全ての部位で観察できたが, 最も発現の高かったのは頬粘膜であった。射入圧力は200あるいは250Psiが適当であった。金粒子の深達度は頬粘膜で5mm, 舌下面, 歯肉で2mmであった。病理組織学的に, 組織の損傷は確認されなかった。
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