作業科学研究
Online ISSN : 2434-4176
Print ISSN : 1882-4234
11 巻, 1 号
作業的公正
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
巻頭言
  • 人々の生活・人生における新しい道程の中で私の人生,そして私の作業はどのように展開していくのだろう.楽しみにしよう.移行と作業 パート2
    小田原 悦子
    2017 年 11 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2019/04/04
    ジャーナル フリー
第20回作業科学セミナー佐藤剛記念講演
第20回作業科学セミナー基調講演
  • 高齢住民にとっての作業的公正と作業権とは?  個人的,社会的視点
    タウンゼント エリザベス
    2017 年 11 巻 1 号 p. 12-27
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2019/04/04
    ジャーナル フリー
    社会はあらゆるところで,社会の課題を変換し,減らすことができるように取り組んでいる. 日本,カナダなど高齢者や障害者に優しい地域で,高齢者がよりよく生きる機会を模索している国であっても,多くの国の高齢者は社会の課題と考えられている. 作業のレンズは,人生の最期における意味のある作業の探求を理解する視点など,日常生活の課題に新しい洞察を与えるものであり,多くの個人主義的な視点を持つ素晴らしい概念の贈り物である. 批判的な作業のレンズは,現実の生活の中でどのように作業的公正,作業的不公正,作業権が経験されているか (されていないのか) を決定する権力関係に対する社会の視点において,この贈り物を豊かにしている. この論文の第一の目的は,日本の高齢者の例を基に考えながら,公正や権利を見るために,作業のレンズと批判的な作業のレンズを区別することである. もう一つの目的は,特に,作業的公正や作業権を理解し,他者へ伝え,表現するための基礎となる作業的リテラシーについて研究することや日本と世界中の高齢者にとって作業的にちょうど良い世界に向かうために必要な社会の変革を研究することを通して,学際的研究におけるこの視点の有用性 (非有用性) を簡潔に検討することである.
第20回作業科学セミナー特別講演
  • 地域拠点としてのコミュニティカフェの可能性
    倉持 香苗
    2017 年 11 巻 1 号 p. 28-38
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2019/04/04
    ジャーナル フリー
    現代の地域は希薄化していると指摘されている一方で,依然として地域に対する期待が高まっている. 具体的には,地域課題が複雑化・多様化した現代において包括的な支援体制の構築が求められているほか,「小さな拠点」すなわち地域拠点を中心として住民が相互に支え合うまちづくりの取り組みが期待されている. 「小さな拠点」 は,地域課題を話し合う「場」を提供する場所として,さらにまちづくりの取り組みを拡げる拠点として重視されている. 本稿では,地域拠点の一つとしてのコミュニティカフェを取り上げ,人の交わりから生まれる地域づくりの可能性について考察を試みた. コミュニティカフェは,他者との交流を通じ,地域に多様な人が存在することを理解する場になっている. さらに,コミュニティカフェの内部におけるネットワークの構築に止まらず,外部すなわち地域住民や地域組織との関係を構築する拠点になりうると考えられた.
実践報告
  • パイロット研究
    横井 賀津志, 藤井 有里, 酒井 ひとみ
    2017 年 11 巻 1 号 p. 39-50
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2019/04/04
    ジャーナル フリー
    作業はすべての人の健康と安寧に寄与することから,介護予防分野においても作業に焦点をあてたプログラムが実践されつつある.しかし,認知症予防を目的とした作業療法介入においては,課題遂行型介入が多い.本研究の目的は,認知症予防教室に個別性の高い挑戦したい作業に焦点をあてたプログラムを導入し,参加者の健康関連QOLおよび認知機能改善の効果を確認することである.認知症予防教室に参加した高齢者13名に対し,本人が挑戦したい作業を遂行するプログラムを月1回の頻度で合計5回実施した.プログラムは,1)認知症予防の理解を深める作業に関する講話,2)作業歴の記入,3)自身を定義する作業の列挙,4)挑戦したい作業の列挙と決定,5)挑戦する作業の具体化,6)作業の遂行と報告の6つの過程を集団と個別の組み合わせで実施した.結果,10名が作業に挑戦でき,SF-36の全体的健康感と活力,心の健康に有意な改善を認め,注意機能をも刺激した.挑戦した作業は生産活動の領域が最も多く,作業に挑戦できた参加者からは,作業の形態や機能,意味に関する肯定的な意見が聞きとれた.高齢者が挑戦したい作業と結びつくことは,主観的健康観のみならず認知機能をも刺激し,健康維持に貢献できる可能性がある.
短報
  • 2005 年〜2015 年の文献レビュー
    坂根 勇輝, ボンジェ ペイター
    2017 年 11 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2019/04/04
    ジャーナル フリー
    クライエント中心で,作業中心の作業療法を発展させるために,作業療法をCo-occupationとして考える価値がある. 日本の作業療法士−クライエント関係 (以下 : OTR−CL関係) についての研究状況を明らかにするために,2005年から2015年の文献レビューを行なった. 日本におけるOTR−CL関係についての研究は事例研究が多数を占めており,クライエントと作業療法士両者を対象にした研究は少なかった. データ収集方法において観察は少なかった. また作業科学の視点で執筆された研究は1件のみであり,事例研究以外の研究の中で,クライエントと作業療法士の相互作用について記載があったのは,30%であり,OTR−CL関係についての研究をCo-occupationの視点からとらえることができるものは少なかった. さらにOTR−CL関係を理解するためには,作業科学の視点が含まれた研究が推進されることが望まれる.
エッセイ
作業的存在
資料
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