高齢者の生活環境の充実をめざして,高齢者が快適で安全に暮らしていくための必要条件のひとつとして,多様な生活状況に対応して適切な生活情報を円滑に提供することが考えられる.また,高齢者は身体的変化が大きいことから生活の質的低下を生じさせない対応も必要となる.そのため,高齢期おいて求められる生活情報の内容ならびに情報要求の構造を明らかにすることが求められている.本研究は,高齢者の生活情報要求について,加齢にともなう心身の変化,さらには生活状況の変化の視点から,第1段階として高齢者の求める生活情報の内容を明らかにするとともに男女による要求の違いの検討,第2段階として加齢変化と情報要求の関係,第3段階として生活状況と情報要求,第4段階として高齢者の生活情報の入手とモビリティについて検討するものであり,本報は,第1段階の中から高齢者が求める生活情報について検討したものである.
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