北海道天塩中川地域に分布する下部白亜系空知層群ペチクンナイ層から蝦夷層群白滝層にかけて被子植物花粉化石の分析を行い,被子植物花粉の各花粉型の出現時期について検討を行った.その結果,被子植物花粉化石の花粉型のうち,単長口型,合流口型,三溝型,三溝孔型花粉について,従来の知見を一新する初産出の情報を得ることができた.本研究によって日本の下部白亜系から産出する被子植物花粉の各花粉型のうち,単長口型,合流口型,三溝型花粉は遅くともバレミアン期の間に,三溝孔型花粉はアルビアン期後期に出現したことが明らかになった.また,この結果により,バレミアン期には東アジアにおいて真正双子葉植物が存在していたことが示唆される.
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