中学2年女子605名を対象に,初潮発現時期により,A,B,Cの3群にわけ性成熟と形態発育を多次元的に考察した.身長,体重,胸囲,坐高を体格4属性変数のべクトルの集合としてみると,個々は4次元空間の点として示され目でみて考察することはできない,そこでPrincipal component analysisを利用し次元の減少を行ない平面として考察した.軸の成分を明瞭にするため30゜の直行回転を行ない,x軸を長育軸, y軸を巾育軸と解釈した.各群の成分平均値はA群x1.38, y0.96, B群x0.27, y0.16, C群x-1.18, y-1.17で,大きさはA 群x5.57, y2.41, B群x5.65, y2.22, C群x5.71, y2.06で,各群ともxがyより大であるが,その大きさにはあまり差はにそう長狭胸のみられない. これにより性成熟の早熟なものは形態発育も優れていること,一般傾向であること,C群には典型的に体格の劣っているものがあることなどがみられた.
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