研究の目的と方法 体育経営の立場から運動施設の誘致距離の概念を明らかにすることと, 運動広場の誘致距離を求めることを研究の目的とし, 運動広場及び誘致距離の概念については主として文献を参考にし, 運動広場の誘致距離については未組織的・要素的運動が主として行なえる施設(7か所)の利用者を中心に質問紙法によって研究を進めた. 調査時期: 1972.6.〜7. 1973.6.〜10. なお, 運動者各人の距離は, その者がその施設ヘ徒歩で行く場合に最も近道と考えられる家から施設までの距離を地図上で求めた. 結果の概要 (1)運動広場の概念 一般的・主体的運動施設である近隣運動施設の1タイプであり,主として未組織的・要素的運動のために設置された施設である. 面積は少なくとも6,000m^2はなければならない. (2)誘致距離の概念 誘致距離とは「ある体育事業がサービスする圏の適正半径」であり, エリア・サービスの誘致距離, プログラム・サービスの誘致距離, クラブ・サービスの誘致距離という3種類の誘致距離があるが, 誘致距離が特に重要な問題とされるのはエリア・サービス, 中でも近隣運動施設についてである. (3)運動広場の誘致距離 誘致圏, 各人の利用距離に利用頻度の観点(1週間に1回以上)を加え, 利用者各人の主体的条件, 地理的条件や経営的条件を考慮して求めた距離, 家から施設までを「遠い」と感じる距離(利用者), 「家から遠い」という理由で利用しない距離(非利用者), これらの距離を調べることによって求めた運動広場の誘致距離は800〜1,300m, 時間距離の観点からは10分以下が望ましく, 15分を越えてはならないとなった.
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