本研究の目的は, 4週間におよぶ2種類のストレス・マネジメント・プログラム-有酸素運動(aerobic exercise : AE)および心拍数バイオフィードバックによる弛緩訓練(biofeedback : BF)-の効果を, 不安および気分状態の測定から比較することであった. 被験者は,米国生活への適応に関する質問紙に高いストレス得点を示した米国北東部大学に通う24名の日本人女子留学生を用い, 3つの群-AE, BF, および統制群-に無作意に振り分けられた. すべての被験者は, 各トレーニング期間の前後に, Spielbergerの不安テスト(Spielberger's State-Trait Anxiety Inventory : STAI)を実施し, 実験群, すなわちAEおよびBF群の被験者は, それぞれのトレーニング前後において, 気分状態プロフィール(Profile of Mood States : POMS)を行った. その結果, STAIの結果に関しては, 3群間にトレーニング期間前後の差は認められなかった. POMSの結果に関しては, AEおよびBF群は,各トレーニング時でトレーニング前よりも後の方が, 緊張(tension)および鬱(depression)得点を減少させた. AE群の活力感(vigor)はトレーニング開始1週間目においてのみ, BF群と比較して, トレーニング後の得点が有意に大きかった. BF群は4週間を通じて疲労感(fatigue)の得点を減少させた. さらに, AEおよびBF群は4週間を通じてトレーニング前の混乱感(confusion)得点を減少させる傾向を示した. AEおよびBFのプログラムが気分尺度において同様の効果を示したため, 両プログラムはストレス・マネジメントの方法として有効であると思われる.
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