2歳2カ月の若年型慢性骨髄性白血病 (JCML) 男児に対し, HLA完全一致の同胞から末梢血幹細胞移植 (Allo-PBSCT) を施行し, 予後良好に経過しているので報告する.前処置はthiotepa 150mg/m
2×2/日2日間, melphalan (L-PAM) 70mg/m
2/日2日間, TBI 12Gyで行い, CD34陽性細胞5.4×10
7/kgを移植した.Graft-versus-host disease (GVHD) 予防はcyclosporin-A+short term methotrexate (MTX) で行い, G-CSF持続静注300μg/m
2/dayをday lより開始した.骨髄回復は速やかであり, day 12に白血球1,000/μl以上, 穎粒球500/μl以上, day 32に血小板5×10
4/μl以上に達した.Day 24より皮膚GVHD grade Iを認めた.Day 33にはgrade IIに進行したため, メチルプレドニゾロンパルス療法で治療を行った.移植後早期には肝脾腫が残存していたが, GVHDの発症とともに肝臓・脾臓ともに徐々に縮小し, day 71には消失した.移植後2ヵ月より, 肝の慢性GVHDを発症したが, Cs-A, prednisoloneで軽快した.移植後9ヵ月現在, 軽度の慢性GVHDがあるものの, 少量のCs-A, prednisoloneでコントロールされている.移植前
in vitroの培養でマクロファージからなるspontaneous colonyが観察されたが, 移植後には著減した.このことは移植によりJCMLクローンが根絶されたか, または抑制されていることを示している.
抄録全体を表示