日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
14 巻 , 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 須田 年生
    2000 年 14 巻 6 号 p. 355-362
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
  • 長尾 大
    2000 年 14 巻 6 号 p. 363-371
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    インヒビターの発生は血友病治療上, もっとも重大な問題点の一つにあげられている.われわれが最近行った, matchedcontrolを置いた前方視的な全国調査では, インヒビター症例は, 対照症例すなわちインヒビターをもたない血友病症例と比較して, 薬剤費は約2.5倍かかっていた.しかも, そのQOL (生活の質) を示す指標 (車椅子の使用期間など) は, インヒビター症例で有意に悪かった.このQ0Lを改善する目的で, 各国においてITI療法 (免疫寛容療法) が試みられてきた.Bonn方式に代表される大量投与群は医療費も莫大であり, 最近の北米共同研究では大量投与の効果にも疑問が提出された.この秋からこの点を明らかにする目的で, 前方視的国際共同研究が発足する.われわれは1983年から少量投与を行っており, 本邦では少なくとも25例にITI療法が行われ, かなりの成績をあげている.ITI療法の至適方式の決定が待たれるところである.
  • 岳 麗杰, 犀川 太, 金田 尚, 谷内江 昭宏, 小泉 晶一
    2000 年 14 巻 6 号 p. 372-377
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    われわれはheme oxygenase-1 (HO-1) 遺伝子のエクソン2完全欠損 (母方アリル) およびエクソン3内2塩基欠損 (父方アリル) の複合ヘテロ接合体によるヒトHO-1欠損症をすでに報告した.今回の研究では母由来のエクソン2完全欠損の発生機序にっき検討を加えた.エクソン1から3までを含むHO-1ゲノム遺伝子断片のPCR法による増幅とサザンプロット解析により, 患児および母親ではエクソン2を含む1,730bpの遺伝子欠損が証明された.HO-1遺伝子のエクソン2はAlu繰り返し配列 (Alu-SxAlu-Sq) にはさまれる構造であり, 遺伝子欠失後の再構成部位ではこれらのAlu繰り返し配列が融合した構造を示した.さらに, 融合部にはrecombinogenic hotspotであるAluコア配列 (26 bp) が認められた, 以上より, 本例のHO-1遺伝子エクソン2欠損はAlu繰り返し配列の相同的組み換えによる配列欠失と考えられた.本例が第1例目であり, 今後, HO-1欠損症の遺伝子解析, 診断, および遺伝子治療を進めるうえでの基盤を提供する所見が得られた.
  • 稲井 郁子, 森本 克, 小澤 美和, 細谷 亮太
    2000 年 14 巻 6 号 p. 378-384
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    過去11年間に悪性腫瘍の化学療法中の患児に発症した敗血症について検討した.1987~1991年までの5年間と1992~1997年までの6年間ではStaphylococcusが多い傾向は変わらなかったが, Pseudomonasは27.8%から8.2%と著明に減少し, 逆にStreptococcus, Escherichia coliはそれぞれ6.9%から10.3%, 2.8%から8.9%と増加傾向を示した.またKlebsiella, Xanthomonas, Acinetobacterなど新たに検出される菌の増加も認めた.さらに検出されたStaphylococcusおよびPseudomonasのうち多剤耐性を示す菌の割合が増加しており, 検出菌種の多種化, 多剤耐性化の傾向が示唆された.中心静脈ライン使用例では, 末梢静脈ライン使用例に比べて明らかにStaphylococcusの検出が増加していた.検出菌種の感受性を密に把握して抗生剤を選択するとともに, 厳重なライン管理を行うことが重要と考えられた.
  • 岸本 朋子, 岡村 隆行, 井上 雅美, 雀部 誠, 安井 昌博, 坂田 尚己, 八木 啓子, 河 敬世
    2000 年 14 巻 6 号 p. 385-390
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    乳児白血病は予後不良であり, 著者らは当初から造血幹細胞移植 (SCT) を取り入れ治療成績の向上をめざしてきた.1992年12月から1998年10月までに, 急性リンパ性白血病9例 (11q23異常あるいはMLL遺伝子再構成を認めるもの6例), 急性非リンパ性白血病5例, NK細胞性白血病1例の計15例を経験した.初期の5症例には全身照射を含まない移植前処置にて自家骨髄移植 (ABMT) を施行したが, 4例に再発を認めたため, この4例と後の8例には全身照射を含む強化した前処置にて同種SCTを施行した.SCTを施行した13例中6例が寛解を維持しており, とくに乳児ALL8例中5例が寛解中であり (観察期間20-75カ月), 前処置を強化したSCTは乳児A±LLの治療に有用であると思われる.
  • 澤田 明久, 金 智裕, 時政 定雄, 藤崎 弘之, 松田 佳子, 太田 秀明, 原 純一
    2000 年 14 巻 6 号 p. 391-393
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    頭頸部に広がる巨大血管腫により, Kasabach-Merritt症候群となった2カ月女児.メチルプレドニゾロン投与およびそのパルス療法に不応で, インターフェロンα2a300万単位/m2連日皮下注が著効した.副作用は治療開始時に5日間の発熱と好中球減少を認めたが, 治療の継続は可能であった.投与3日で凝固異常は改善し, 腫瘤は退縮に転じ, 2カ月間かけて血小板減少も軽快していった.腫瘤が消失して7.5カ月で治療を中止し, その後7カ月間再燃していない.本疾患にはインターフェロンの保険適応はないが, 安全かつ有効な治療法であった.
  • 吉本 寿美, 山下 弘幸, 請園 なぎさ, 橋山 元浩, 森永 信吾, 足立 尚登
    2000 年 14 巻 6 号 p. 394-397
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    小児甲状腺癌はまれな疾患だが, 乳頭腺癌がほとんどで予後良好の場合が多い.今回われわれは初診時, 肺および頸部リンパ節への多発転移を認めた小児甲状腺癌の1例を経験したので報告する.症例は10歳女児で, 1999年2月喘鳴と呼吸困難にて近医を受診した.その際, 胸部X線にて両側肺に多発結節状陰影を認め, 多数の頸部リンパ節腫脹を指摘されたが, 原発巣不明のため当科に紹介された.頸部リンパ節生検にて甲状腺癌 (乳頭腺癌) と診断した.化学療法が無効であったため, 甲状腺およびリンパ節摘出後に131I療法を行った.現在, 画像上は肺病変は縮小せず, 血中サイログロブリン濃度もあまり低下していない.131I療法は乳頭腺癌のような分化型癌には有効な場合が多いが, 本症例ではあまり効果がなかった.
  • 若園 吉裕, 片岡 昭浩
    2000 年 14 巻 6 号 p. 398-403
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    全身倦怠感を主訴とし, 巨大脾と白血球数増多 (25×104/μl) を認め, 慢性骨髄性白血病 (CML) 移行期と診断した14歳男児をハイドロキシウレア (HU) とインターフェロンα (IFNα : 600×104IU×6/week) で治療し, 血液学的寛解を得たが, 細胞遺伝学的完全寛解には至らなかった.治療10カ月後より, 蛋白尿の出現, Creの上昇がみられ, IFNαを減量した.その後約1年後に多量の蛋白尿 (1.5g/day) と強い腎機能低下 (Ccr : 16ml/min) を認め, IFNαを中止した.腎機能は徐々に回復したが, 少量の蛋白尿と血清Creの比較的高値が続くため, 腎生検を施行した.光顕標本では腎糸球体の約半数に全硬化像を認め, 硬化像のない糸球体では, 係蹄壁の肥厚と不整を認めた.尿細管の萎縮および間質への単核細胞の浸潤も散在性に認めた.免疫染色では内皮下およびメサンギウム領域にC3C, IgMの沈着を認め, 免疫複合体が腎糸球体に傷害を与えた可能性が示唆された.
  • 藤井 法子, 福島 葉子, 田畑 恭裕, 西村 康孝, 吉原 隆夫, 綱本 健太郎, 粕淵 康郎, 大曽根 眞也, 高梨 万美, 今村 俊彦 ...
    2000 年 14 巻 6 号 p. 404-410
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    低形成性骨髄異形成症候群の15歳女児が2度にわたる抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン (ATG) 治療後に非血縁者間同種骨髄移植を受けた.移植前処置はATG2.5mg/kg/day×4days, cyclophosphamide 50mg/kg/day×4days, 全身リンパ節照射4Gy/day×2daysであった.急性GVHDは認めなかった.移植後58日目より鼻閉, 頸部リンパ節腫脹などを認め, 生検の結果, EBウイルス関連リンパ増殖症と診断した.移植後64日目にドナーリンパ球輸注 (DLT) (輸注T細胞数 : 1.39×106/kg) を施行した.DLTに対する反応はきわめて良好であったが, DLT後20日目から皮膚, 肝臓にGVHDをきたし, さらにDLT69日目よりの腸管GVHDが出現し不応性となり移植後160日目に死亡した.ATGの繰り返し投与はLPD発症のrisk factorであること, DLT後は致死的なGVHDをきたす可能性のあることを念頭に置いた慎重な対応が必要と思われた.
  • 和田 恵美子, 池崎 綾子, 加藤 文代, 三浦 直子, 鶴田 敏久, 後藤 佳子, 田村 まり子, 村田 光範
    2000 年 14 巻 6 号 p. 411-416
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    慢性特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の経過中に免疫不全状態になった13歳男子例について報告する.1993年5月 (9歳時) 下肢の紫斑で来院した.Plt0.3×104/μl, MegK193.8×104/μl, PAIgGl, 470ng/ 107cellsでITPと診断し, 治療を行い寛解した.しかし, しだいにステロイド依存性となり, 漢方製剤による治療も行った.1996年11月摘脾術を施行.摘脾後, 血小板増加は一時的で, 11カ月後には再び減少した.一方免疫グロブリンは1994年10月, 1996年6月とIgGが一時的に低値であったが, 摘脾後はさらにIgGとIgAがともに低下した.1997年7月に間質性肺炎を起こし, いったん軽快したが1999年5月にCMVによる間質性肺炎を起こし, さらに頭蓋内出血を起こして1999年12月22日死亡した.免疫不全に至るまでの臨床経過と原因について考察する.
feedback
Top