日本小児血液学会雑誌
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2 巻 , 2 号
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  • 中澤 眞平, 杉田 完爾
    1988 年 2 巻 2 号 p. 109-118
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    白血病は単クローン性の疾患と考えられており, その形質発現は, 正常造血細胞の分化, 成熟過程にそのcounterpart が存在するとされてきた (lineage fidelity).しかし近年異なった分化の方向を示す形質 (リンパ球系と骨髄球系細胞の形質) を同時に発現する急性白血病症例が報告され, これらは従来の白血病とは異なる一群の白血病 (biphenotypic leukemia, acute mixed-lineage leukemia) として扱われ始めた。Biphenotypic leukemia として報告されてきた症例をまとめると, 1) 発症時に, 同時に異なった形質が認められる場合 (simultaneous expression) と, 2) 異なった時期, たとえば発症時と再発時, に形質発現が変化する場合 (sequential expression, lineage switch) がある.しかし厳密には両者の区別はむずかしいのが現状である・診断は細胞形態・古典的なマーカー (E-ロゼット形成等), TdT, 細胞組織化学, 細胞膜分化抗原 (モノクローナル抗体による), genotype, 特異的な染色体異常等によりなされている.特徴的な染色体異常は11q23転座型とPh1染色体t (9;22) (q34;q11) である.11q23転座型白血病は乳児に多く, Ph1陽性急性白血病は成人急性リンパ性白血病に多く小児では稀で, 著しく予後不良である.この白血病の細胞由来に関しては議論が多く結論は得られていないが, 従来の腫瘍化に伴った遺伝子のmisprogramingとする考え (lineage infidelity) と, Greavesらの分化段階早期の形質発現の混乱の時期 (lineage promiscuity) の細胞由来とする考えがある.
  • 楠本 純司, 馬渕 理, 見須 英雄, 伊東 宏, 橋本 公夫, 津川 力, 松本 陽一
    1988 年 2 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    著者らは典型的な “Starry-sky” 像を示す腹部Burkittリンパ腫3例について免疫学的, 細胞形態学的所見を報告した.モノクローナル抗体 (とくにB1, B5, J5, OKIal, そして表面免疫グロブリン) を用いて細胞表面マーカーを検索すると3症例中2例はearly B細胞由来で, 残りの1例はPreBまたはpre-preB細胞由来であることが判明した.細胞形態学的にはFAB分類を引用すると前者2例はL3に該当し, 後者1例はL2に該当すると考えられた.そしてBurkittリンパ腫に典型的な染色体異常であるt (8;14) を示したのは3症例中1例であった.以上の成績からBurkittリンパ腫には免疫学的, 細胞形態学的heterogeneityがあるのではないかと考える.
  • 鹿野 高明, 石川 順一, 内藤 広行, 大川 正人, 畑山 由起子, 中館 尚也, 畑江 芳郎, 武田 武夫
    1988 年 2 巻 2 号 p. 125-131
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    乳児急性リンパ性白血病を11例経験し, 表面免疫マーカー, 染色体を検索しその特徴を検討した.表面マーカーの検索では9例中7例がcommon acute lymphoblastic leukemia (CALL) 抗原が陰性でnull celltypeであり, きわめて未熟な幹細胞からの白血化が示唆された.染色体検索では11例中8例に異常がみられ, 11q23に切断点をもつもの3例を含め転座例が6例 (75%) にみられた.それらは50%生存が5ヵ月と予後はきわめて不良であった.それに対し染色体正常, LDH低値の乳児急性リンパ性白血病は予後が比較的良好と思われた.これらの結果より乳児急性リンパ性白血病では, 染色体異常の存在ならびにCALL抗原の欠如が予後不良を示唆するものと思われた.
  • 脇口 宏, 藤枝 幹也, 松本 健治, 大原 雄二, 倉繁 隆信
    1988 年 2 巻 2 号 p. 132-137
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    HL-3プロトコール維持療法を6カ月~3年間施行されている小児ALLについて, NK活性, 賦活NK活性, LAK活性, EBV-CTL活性を測定し, 以下の結果を得た.1. K-562細胞に対する患児のNK活性は対照に比して有意に低く, 賦活NK活性もIL-2賦活NK活性を除き低値であった.2. Raji細胞に対する賦活NK活性, OK-432刺激LAK活性は患児で低値であったが, IL-2刺激LAK活性は対照と差がみられなかった. 3. EBV-CTL活性は患児では有意に低値であった.以上のことから, HL-3プロトコールで治療中の小児ALLでは, NK, 賦活NK, LAK, EBV-CTL活性のいずれも低く, 細胞性免疫能が強く抑制されていたが, IL-2に対する反応性は保たれており, ある程度の反応予備能は残されているものと考えられた.
  • 山本 初実, 橋本 尚子, 大倉 完悦, 筒井 孟
    1988 年 2 巻 2 号 p. 138-143
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    当科で経験した小児特発性血小板減少性紫斑病48例の臨床病態, 治療経過について分析した.48例の内訳は, 急性型20例, 慢性型24例, 再帰型1例, 6ヵ月に満たないため病型を定めなかったもの3例であった.急性型は慢性型に比べ, 低年齢で発症し, 先行感染が多く, 初診時血小板数も低値であった.また, 48例中25例にステロイド療法を施行したが, その後の血小板数の経過は治療群がむしろ低値をとり, ステロイド療法の効果は確認できなかった.一方, 慢性型6例に施行した免疫グロブリン大量療法の効果は全例一過性であった.ステロイド不応で発症2ヵ月後に本療法を施行した1例では著しい効果を認めた.さらに, 治療1ヵ月目で, ある程度病型の予想が可能で, この時点で血小板数が10万以下の症例は慢性化する可能性が強いため, 慢性型ITPの成因および免疫グロブリン療法の作用機序を考慮に入れ, 早期に免疫グロブリン療法を施行するのも一つの手段と思われた.
  • 馬淵 理, 見須 英雄, 松本 陽一, 津川 力, 橋本 公夫, 伊東 宏
    1988 年 2 巻 2 号 p. 144-149
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    病理組織学的, 免疫学的に診断された縦隔T細胞性悪性リンパ腫の9症例を経験した.8例がdiffuse lymphoblastic lymphomaで1例がdiffuse large-cell lymphomaであった.表在性リンパ節腫大のない3例にはそれぞれ胸腺右葉摘出, 胸腺全摘出, 胸腺部分切除が行われ, 摘出標本の組織診断後に化学療法が施行された.胸腺右葉摘出と胸腺全摘出の2例はdisease-freeで6年以上生存中である.胸腺部分切除を行った残りの1例は死亡した.頸部リンパ節腫大のあった6例のうち5例は頸部リンパ節生検により診断された後に化学療法が行われ, 2例死亡し3例は治療中である.頸部リンパ節腫大のあった残りの1例は前縦隔腫瘍の摘出手術を受けたが部分切除しかできず, 術後にご化学療法を受けたが死亡した.頸部リンパ節腫大を伴った前縦隔腫瘍例には頸部リンパ節生検を施行することが最も安全で確実な縦隔悪性リンパ腫の診断方法であり, 上大静脈症候群を有する症例では確診を得ずとも化学療法を先行させることが重要であると考えられた.
  • 桐山 行雄, 秋山 祐一, 瀧本 哲也, 鬼頭 敏幸, 谷澤 昭彦, 久保田 優, 三河 春樹, 松尾 直光
    1988 年 2 巻 2 号 p. 150-157
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    1983年4月から1986年11月の期間に6例の難治性小児白血病に対して同種骨髄移植を施行した.症例は急性リンパ性白血病4例, 急性骨髄性白血病2例で, 化学療法に抵抗した急性骨髄性白血病の1例を除いてすべて第2寛解期以降に実施した.全例HLA完全一致の骨髄提供者から移植した.6例中4例は血液型不適合を認め, そのうちABO major mismatchedの3例は, Ficoll-Hypaque法を用いた.全例に骨髄生着をみた.急性GVHDは3例にみられ, 重症の1例は間質性肺炎も合併して早期にご死亡し, 他の2例は慢性GVHDへ移行した.CMV感染による間質性肺炎は2例にみられた.白血病の再発は3例にみられ, うち2例が死亡したが, 1例は化学療法にご反応して移植後3年8カ月生存中である.2例は移植後4年7カ月.1年7カ月完全寛解中である.
  • 井手 郁
    1988 年 2 巻 2 号 p. 158-162
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    臍帯血中のBFU-Eにおよぼすビリルビンの影響について検討した.臍帯血単核細胞をビリルビン溶液中に60分間孵置後洗浄し, BFU-Eを測定した場合ビリルビンの影響はほとんどみられなかった.付着細胞除去群では非除去群に比してBFU-Eは減少傾向がやや大であったが, 統計学的有意差は得られなかった.BFU-E培養に際し, 培地の中にビリルビンを添加した場合BFU-Eは減少しビリルビン濃度との間に負の相関が認められた.
  • 長尾 大, 赤羽 太郎, 吉岡 一, 今野 多助, 渋谷 温, 山本 圭子, 星 順隆, 月本 一郎, 麦島 秀雄, 矢田 純一, 大平 睦 ...
    1988 年 2 巻 2 号 p. 163-167
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    1987年6月30日現在, 小児科領域の再生不良性貧血に対する骨髄移植は45例に行われ, 40例が生存中である.移植後の身長が-2SD以下は, 男子20例中4例, 女子9例中1例であったが, 前処置との関係は不明であった.慢性GVHDは同種骨髄移植37例中12例に発症したが, 1例のみが重篤でKarnofksy score 30%, 他は90%以上であった.OKT4/0KT8比が0.8以下の症例を15例認めたが, 期間との相関はなかった.血液学的改善は良好だったが, 3例が初回移植で拒絶され, 2例はCTX+TBIの前処置にて生着した.1例は拒絶後自已の造血が回復した.
  • 石原 重彦, 河 敬世, 多和 昭雄, 勇村 啓子, 寺田 直弘, 村田 充則, 泉 裕, 井上 雅美, 青木 智寿, 西田 勝
    1988 年 2 巻 2 号 p. 168-174
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    B-cell malignancy5例についてc-myc遺伝子再構成の検討を行った.急性リンパ性白血病 (FAB分類L1) の1例には再構成は認められなかったが, バーキット型リンパ腫では3例中2例に, また非バーキット型リンパ腫の1例にも再構成を認めた.バーキットリンパ腫では全例にc-myc遺伝子の再構成が予想されたが, 再構成を認めない症例があったことから, 本邦におけるバーキットリンパ腫には転座点を異にする少なくとも二つの亜型が含まれている可能性がある.一方, 非バーキット型でも再構成を認めたことから, c-myc遺伝子がバーキット型のみならず, 非バーキット型の発生機序にも広く関与している可能性が示唆された.
  • 今中 康文, 田中 一郎, 西尾 健治, 安居 資司, 足立 豊彦, 小池 正
    1988 年 2 巻 2 号 p. 175-181
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    再発時に眼窩に腫瘤形成をきたした急性巨核芽球性白血病の2小児例を報告した.症例1は1歳4ヵ月男児で, 骨髄血の芽球が電顕PPOで43%陽性, 症例2は7ヵ月男児で, 骨髄血の芽球が電顕PPOで86%陽性であることより確定診断しえた.両症例とも, ダウン症候群等の基礎疾患はなく, 症例1はACMVP, 症例2はBHAC-DMP療法により完全寛解を得たが, 症例1は発症より1年6ヵ月後, 症例2は3ヵ月後, いずれも右眼球突出をきたし, CTにて眼窩腫瘤を認めた.化学療法に加え放射線治療により腫瘤は縮小するも, その後再発と寛解を反復し, 症例1は髄膜白血病を併発して発症2年4ヵ月後, 症例2は側頭骨破壊をきたして9ヵ月後それぞれ死亡した.両症例はともに眼窩部に腫瘤を形成し, きわめて類似の臨床経過をたどったが, 急性巨核芽球性白血病においては非常にまれと思われる.
  • 毎原 敏郎, 秋山 祐一, 久保田 優, 三河 春樹
    1988 年 2 巻 2 号 p. 182-189
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    われわれは, 左臀部から左大腿部にかけての疼痛・知覚低下と尿・便失禁にて発症した11歳男児の急性骨髄性白血病 (AML, FAB分類M2) の一例を経験した.CTおよびMRIにて第2仙椎部に腫瘤形成が認められ, これがその下部馬尾神経半側症候群の原因であると考えられた.骨髄細胞の染色体分析ではFAB分類M2に特徴的とされる8;21転座とY染色体欠失が認められたが, 最近の報告によるとこの8;21転座とAMLの腫瘤形成性との間には密接な関係があるとされている.AMLが仙骨部に腫瘤を形成し症状を呈することはまれであるので, 8; 21転座, Y染色体欠失とAMLの腫瘤形成性との関係についての若干の文献学的考察を加えて報告する.
  • 若園 吉裕, 秋山 祐一, 桐山 行雄, 久保田 優, 三河 春樹
    1988 年 2 巻 2 号 p. 190-194
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    患児は14歳男児.発熱・咳嗽・全身倦怠感・紫斑を主訴として, 1986年5月本院入院した.血液検査で赤血球347万/mm3, Hb9.59/dl, 血小板2.3万/mm3, 白血球12,600/mm3で芽球が65.0%を占めていた.骨髄では, 68.6%の芽球を認め, AMLと診断された. BH-AC・DNR・6MP・VCR・prednisoloneの併用療法にて, 図1に示すような種々のレジメにて治療を行つた.この第5回目の強化療法後29日目に乾性の咳嗽を訴え, 種々の抗生物質に不応の発熱が続いた.胸部X線にて右下肺野にfungus-ball様の異常陰影を認めた. AMLに対する化学療法を継続するために, 肺部分切除術が施行された.肺切除標本の病理診断により, 肺ムコール症と診断された.また, ムコールに対するモノクローナル抗体によるPAP法にて確認された.その後も, 経口Amphotericin-B大量投与を行いつつ強力な化学療法を施行し, 62年4月にすべての化学療法を中止したが, 中止後8ヵ月間完全寛解を維持している.
  • 内藤 広行, 大川 正人, 鹿野 高明, 石川 順一, 石切山 敏
    1988 年 2 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    非ホジキンリンパ腫を合併したBloom症候群の1例を報告する.患児は6歳の女児で1985年7月, 腰痛にて当院に紹介された.骨X線写真で胸腰椎の圧迫骨折と頭蓋の多発性の骨溶解像を認め, 骨髄塗抹標本では芽球が76%を占めていた.芽球は細胞生化学的にはPAS染色陽性, ペルオキシダーゼ染色陰性で, 表面マーカー検索ではOKIa1, OKB2が陽性, SmIg, OKT11は陰性でErosette形成能はなかった.染色体分析では46, XX, i (9q) の表現形質を示した.骨原発の非ポジキンリンパ腫と診断し, 化学療法, 放射線療法を行い骨髄寛解を得た.細胞学的検索の結果, 姉妹染色分体交換が著しく高頻度であることからBloom症候群と診断された.1987年3月, 骨髄に再発し, DICと高カルシウム血症を併発した.化学療法, 支持療法のかいなく発症から49ヵ月で死亡した.
  • 横林 文子, 小林 嘉一郎, 守田 哲朗, 大倉 貢, 横谷 幸男, 佐々木 富佐子
    1988 年 2 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    Transient pure red cell aplasiaにて発症し, その後, 全骨髄抑制をきたした2小児例について報告する.症例1は5歳男子で発熱・出血斑・鼻出血を主訴に来院, 末梢血液で軽度の白血球減少・血小板減少を, 骨髄で著明な赤芽球系低形成と大型前赤芽球様細胞を認め, BFU-Eは著明に低下していた.その後骨髄は全血球成分とも低形成状態となったが約2ヵ月の自然経過にて回復した.症例2は9歳女子で同様の主訴にて来院.白血球数は960/μlと著減, 血小板も5.0×104/μlであった.骨髄では赤芽球系は見あたらず, M : E比は算出不能であった.症例1と同様に骨髄に大型前赤芽球様細胞の出現をみた.症例1ではEBウイルスの, 症例2ではRSウイルス抗体の有意な上昇を認め, 以上よりウイルス感染により発症したtransient pure red cell aplasia と診断した.
  • 多賀 崇, 服部 弘美, 川崎 久樹, 太田 茂, 島田 司巳
    1988 年 2 巻 2 号 p. 209-212
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    MDSの一つであるRAEBitと考えられた症例を経験したので報告する.症例は11歳7ヵ月の女児で, 全身倦怠, 顔色不良を主訴に当院に入院した.入院時, 著しい貧血 (Ht 24.8%, Hb 8.49/dl, RBC253万) を認め, 骨髄は過形成を示し, megaloblast cell 24.8%, myeloblast 3.8%で, Auer rodを有するblastも認められた.多核赤芽球, 赤芽球のPAS陽性顆粒や血小板形態の異常も認められたが, FAB分類上はRAEBitと考えられた.患児はただちに小児癌白血病研究グループの急性非リンパ性白血病のプロトコール861変法にて寛解導入療法を開始したが著明な骨髄抑制が続くためlow dose Ara-C therapyにて治療を行い, 現在, 寛解を1年以上続けている.
  • 川上 清, 嶽崎 俊郎, 中園 伸一, 北原 琢磨, 二宮 誠
    1988 年 2 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    乳児白血病の2例を報告する.症例1は2ヵ月の男児で先天性白血病と考えられ, 著明な白血球増多 (196,000/mm3) を認めた.芽球はperoxidase, α-naphthyl acetate esterase染色陰性で, 細胞免疫学的にはI2+, B4+, E-rosette-, SmIg-, J5-, T1B-, T11-, B2-, MY7-で末稍血は46, XY, t (4q-; 11q+) を認めた.症例2は3ヵ月の男児で白血球数82,000/mm3であった.芽球はperoxidase染色陰性で, 12+, B4+, SmIg-, J5, Leu9-, B1-, MY9-, MCS2-であり, 46, XY, t (4q-;11q+) を初診時に認めた.これら2例のt (4 ; 11) 白血病は初発時, 末期とも同一の芽球で, B-precursor由来と考えられた.この型のALLはハイ・リスクALLに準じた治療でも不十分で, より強力かつ繊細な支持療法が必要と思われた.
  • 矢部 普正, 矢部 みはる, 星 伸和, 加藤 俊一, 木村 三生夫, 恒松 由記子, 小出 亮
    1988 年 2 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 1988/05/31
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    13歳男児, ALLの第2寛解期にHLA一致の弟より同種骨髄移植を施行した.移植後7ヵ月に白血病が再発したため, HLAone-haplotype一致, MLC弱陽性の妹より2回目の移植を行った.白血病の再発予防として4回のAra-C大量療法を前処置に加え, また維持療法として6-mercaptopurine, methotrexateを投与した.しかし2回目移植後10ヵ月で中枢神経系に再発し, 同時に急性GVHDが出現した.髄液中の白血病細胞は患者由来のものであり, 骨髄細胞は依然として2回目移植のドナー由来であった.骨髄はその後9ヵ月間寛解を保ち, そして白血病が再発した.免疫療法としてドナーリンパ球をIL-2と混合培養した後に輸注し, GVHDの誘導を試みたが失敗に終わり, 2回目移植後27ヵ月で死亡した.
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