再生不良性貧血委員会で追跡調査している1988~2005年診断の特発性再生不良性貧血1,002例, 肝炎後129例, 二次性8例, Diamond-Blackfan貧血98例, Fanconi貧血89例, 先天性重症好中球減少症36例, その他の先天性造血障害49例, 総計1,411例について, その臨床像と予後について述べた.特発性再生不良性貧血の10年生存率は, 1994-2000年診断の414例で86.7% (95%信頼区間82.6-90.8%) であり, 免疫抑制療法や非血縁者間同種骨髄移植などの治療の進歩により, 診断時重症度分類による予後の差は消失している.診断後長期経過した症例の死因は移植関連死亡が多い.1994年以後診断症例では, 肝炎後再生不良性貧血, Fanconi貧血ともに予後が改善し, それぞれの10年生存率は92.7%, 83.8%であった.MDS白血病移行症例は1994年以後減少し, 年間1例ほどである.2006年以後, 診断症例は小児血液学会疾患登録事業により一元的に登録されるようになった.今後の小児造血障害データベースは, より精度の高いものになることが期待される.
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